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月曜日夜のブルワーズは、7回に集中して4点を取り勝利を飾った。それは彼らの最近20試合での16勝目で、その日セントルイス・カージナルスがサンディエゴ・パドレスに負けたことで、ブルワーズはワイルドカード争いで5ゲーム差まで迫った。

月曜日の試合で起こった大きな出来事の一つは、外野手ノリチカ・アオキの引き続き好調な打撃である。彼は2本の二塁打を打ち4打数2安打。7回にレフト-センター間に打った2点タイムリー二塁打は、勝利につながる大きな一打だった。決して諦めることができない状況で、ブルワーズはそれによってリードを与えられた。そして最近のアオキのパワフルな打撃が、それをもたらした。

8月が始まってからのアオキは、.301/.359/.441、2本の二塁打、1本の三塁打、2本のホームランを打っている。彼は10個の四球を選び、この間の三振は8回だけだ。これらは素晴らしい成績だ。もしその30歳が、シーズンの残りもこの調子を続けることが出来れば、ナショナルリーグ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーの選考対象になる可能性がある。

しかし、アオキの何が変わったのだろう?

ここ数ヶ月のアオキが手に入れた一番大きなものは、打席で球を選ぶ能力と、素晴らしく広い打撃範囲である。今シーズンの彼は、1打席当たり平均で3.89球を投げさせている。それはナショナルリーグで上から24位にランクされる。来た球を見逃すのか、ファウルにするのか。それはアオキが、打ってはいけない球を選別することを可能にする。そして彼がコントロールできる球だけが、そこに残る。

1打席当たりの投球数が平均を上回るのと同時に、彼はホームベース上の全ての範囲をカバーしているので、相手投手は、彼に対して投げる場所が限られてくる。例えばこの図を見て欲しい。これは8月からの打率のヒートマップだ。

 

アオキは、ホームベース上の外側を上手くカバーしている。ブルワーズファンは、シーズンを通していつも見てきたが、逆らわずに打たれた打球は、逆方向に飛ぶシングルヒットになる。彼は外角に半分、またはそれ以上に外れている球を、無理に引っ張ろうとしていない。代わりに彼は、レフトやセンターにたくさんの打球を打ち返すことで、安定してシングルヒットを打ってきた。

上の図からすれば、なぜ相手投手は彼の内角投げてこないのだろうと考えるのは当然だ。彼が腕を伸ばして、レフト側に打球を飛ばすのを許さないようにするのだ。

しかしその時に問題になるのは、アオキが内角のファストボールも打てることだ。上の図を打率から、ISO(長打率-打率)に変えてみよう。彼が内角の球に対してパワーがあるのがはっきりと分かる。

 

なぜアオキが、最近力強い打撃を見せるようになったのかは、これが理由である。彼はシーズンを通して安定した打撃を見せてきたが、それは彼が外角の球に活路を見出したからである。そして相手投手は、彼の内角を攻めるようになった。そしてそれが、ブルワーズのライト選手が、素晴らしいパワーを見せつける結果となった。

アオキの8本のホームランは、全て引っ張った打球である。それらのホームランの全ては内角の球を打っていて、そのほとんどが、高めの球である。

相手投手にはこれまでに、二通りの選択肢があった。(1)レフト-センター間に打たれる可能性がある外角に投げる。か、(2)内角に投げて、ライト側に強い打球を打たれるリスクを犯す。どちらも魅力的な選択肢ではなく、アオキがここ1ヶ月半に成功している要因はそこにある。

彼に対する現実的な答えは、恐らく内角低めに変化球を投げることだろう。言うだけなら簡単ではあるが、実際にアオキは、低めの球に対してパワーを見せていない。そして彼は、外角の球を打つことで打率を残している。そしてそれだけではなく、今シーズンのアオキはファストボールに強い。

    無題
アオキが、変化球よりもファストボールに対して成功しているという事実からしても、アオキは必ずしも特別ではない。そしてそれは、対戦投手が攻略できる弱点であるように見える。  

高め、そして外角に投げないことだ。もしこれらのデーターが、ここ1ヶ月半に提供されていたなら、好調なブルワーズ打線の1番打者であるノリチカ・アオキの結果は、違ったものになっていたのかもしれない。

参考記事:Aoki’s Power Spree By J.P. Breen on September 11, 2012 Disciples of Uecker
http://disciplesofuecker.com/aokis-power-spree/6762  

月曜日のサプライズ・スタジアムは、どこか開幕戦のようだった。冷たい空気、衛星中継のトラック、そしてメディアの大群でいっぱいだった。これは普通のカクタスリーグの試合ではなかった。

この冬に太平洋を渡ってきて、最も注目を集める投手と打者、ユウ・ダルビッシュとノリチカ・アオキが対戦した試合だった。大評判の投手ダルビッシュは、レンジャーズでこの春3度目の先発だった。日本で3回の首位打者になっているアオキは、ブルワーズのライトに入った。

ミルウォーキーのロン・レネキー監督は、この春ブルワーズキャンプに来ている日本人レポーターをなだめるためにアオキを先発にしたと冗談を言った。そしてレンジャーズキャンプではロン・ワシントン監督が、ダルビッシュのグラウンドでの一挙手一投足を目撃するためにアリゾナに来ているメディアに囲まれていた。

一旦試合が始まれば、両選手は期待に答えた。二人の選手は、少なくとも知られているのと同じ程度の仕事を見せた。

ダルビッシュは4イニングで僅か1本のヒットしか与えず、空振りを奪うことで実力を魅せつけた。彼は1回と3回はそれぞれ3人で終わらせて支配的な姿を見せたが、2回と4回は3四球、暴投、死球と不安定な姿を見せ、最後はダブルプレーで終わらせた。

この春、これまでのアオキの打率は.194だが、ダルビッシュから唯一のヒットを打ちダルビッシュから得点を奪った。加えて6回には、試合を同点にする三塁打を打ち、最終的には3安打、3打点、1盗塁、1得点だった。

この間も二人は、日本からアメリカのメジャーリーグに移ったことで挑戦している多くの変化を続けていたが、それは少ししか解決していない。

レンジャーズが110百万ドルを費やして獲得したダルビッシュには、想定通りだった。大きな右腕は、時にコントロールに苦しんだが、この時期にとっては珍しいことではないと言う。

「体の使い方や、投げ方はまだ調整中だから。今の時点で完璧に同じ動作を繰り返すことはできない」ダルビッシュは通訳を通して言った。「まだ安定していない。良い球と悪い球があるのはそれが理由。とにかく、今の時点で完璧は望んでいない。このまま続けていけば、良くなっていくと思う」

「毎年、この時期はこんな感じなので、今の状況はこれまでのこの時期と大きな違いは感じない」

もしダルビッシュが、日本にいた時と同じくらい良い成績で終われば、2回のアメリカンリーグチャンピオンに輝いた時に先発ローテーションにいたC.J.ウィルソンが抜けた穴を埋めることになり、レンジャーズには良い結果となるだろう。ブルワーズのリリーバー、カメロン・ローは2009年に日本で投げており、直に彼を見たことがあった。

「ユウ・ダルビッシュは、そこでは完璧に抑えていた」ローは言った。

ローは、日本のチームが円グラフでいろいろなカウントのいろいろな投球の割合を詳しく書き出し、打者のためにとても詳細なレポートを作成するという事実を指摘している。

しかしローがいたソフトバンク・ホークスがダルビッシュと対戦した時、それは違っていた。

「”やっちまえ”みたいな感じで投げてきた」ローは肩をすくめながら言った。「おかしいだろ。実際に、彼は向こうではスーパースターなんだ。僕は3年前にむこうに行ったけど、彼は既に雑誌の表紙になっていた。憧れの的だよ」

アオキも悪くなかった。彼もまた日本ではスロースターターで、レギュラーシーズンのベルが鳴った時に、それは影響を及ぼすものではなかった。彼は2005年、'07年そして'10年にセントラル・リーグの首位打者に輝いており、7シーズンのうち6回は打率が.300を超えている。

「彼は明らかに我々の戦力になるだろう」ブルワーズの三塁コーチ、そしてチームの外野と走塁インストラクターをしたいるエド・シーダーは言った。「スプリングトレーニング(の成績)なんて気にしない。もしスプリングトレーニングでそんな事を気にしていたら、スーパースターの何人かは、リリースされてしまうよ。そうなったら大変だ」

初めてのアメリカも、また大変なことだ。ダルビッシュはこの春、調整についての質問は答えをはぐらかしてきた。彼が好んだのは、レンジャーズの気遣いを彼が家でどう感じているかの話だった。

しかし青木は、それが簡単な変化でないことを認めた。

「僕はここに来て、調整に苦労していることがいくつかある」アオキは月曜日の朝に、通訳を通して言った。そして忙しくなる日の慌ただしくなる前の静かなクラブハウスで、雰囲気を味わっていた。「僕はまだ、こっちの生活に慣れていないんだ」

その生活には新しいスタイルの野球、文字通りの新しい野球、それにアオキにとっては新しい対戦投手、ダルビッシュにとっては新しい打者、より長く、より厳しい練習を選手に課す日本とは劇的に違うスプリングトレーニングのメニューが含まれる。文化的な適応もある。言葉の壁、馴染みのないチームメイト、そして食事だ。

しかしアオキは、ブルワーズから歓迎の雰囲気を感じている。そしてまた彼は、アリゾナで他の日本人選手、マリナーズのイチロー・スズキとムネノリ・カワサキらと時間を過ごした。アオキはフェニックスに日本レストランを見つけ、そこが気に入った。

そしてダルビッシュは、彼の到着に合わせて特別に作られたインタビューテントで話す時に、無数のカメラのフラッシュが浴びせられているのにもかかわらず、新しい家について聞かれた時、それを砂漠のそよ風とおなじように簡単に受け流した。

「最初の日から、僕はそんなに困ったことはない」彼は言った。「僕はそれは、チーム全体に対する信頼だと思う。スタッフと選手たちは、とても良い人たちで、とても歓迎してくれている。それらは僕の気を楽にしてくれた。一日目から、僕はここで野球をすることを楽しんでいる」

両チームがこれから期待することは、それぞれの選手が生まれた国で感心を集めている間に、彼らが見せた可能性を花開かせることだ。

ローは個人的に、アオキに対する疑問を持っていない。

「彼がリズムを掴むまでに少しかかるだろう。だけど彼は凄い選手だ」ローは言った。「僕は彼の練習を見ている。彼は適応できるタイプの選手だ」

ダルビッシュについて、ワシントンは彼から見えるものの多くを気に入っているようだ。

「彼は高すぎる球や低すぎる球が無いんだ」ワシントンは言った。「彼はいつも戦っている。それは良い投手の印だ」

昨年のナショナルリーグMVPであるライアン・ブラウンは、月曜日にダルビッシュと2回対戦し打てなかった。そして印象に残ったようだ。

「僕は6球か7球見ただけだから言うのは難しいけど、良いものがあった。彼は純粋で良いものを持っている」ブラウンは言った。「彼は自信を持っている。だから彼は成功すると思う。彼は大きくて、背が高くて、投げ下ろすタイプの投手だ。彼は明らかに、マウンドでの存在感がある」

新しく来た人間にとっておそらく一番重要なことは、怪我などでの気が重い状況でもユーモアのセンスを忘れないことだろう。ダルビッシュは、ここに来るまでの長い旅にも関わらず、それを忘れてはいないようだ。

彼がどの投球がベストだと思うか、そしてもう一つ、この春にどの球にもっとも苦労しているかと尋ねられ、ダルビッシュは最初の質問にツーシームファストボールの出来具合に満足していると答えた。その後、彼は通訳に囁き、微笑んだ。

「ジャイロボール」彼は言った。「おそらくそれに一番苦労している」

参考記事:Adjusting to U.S. life part of game for Yu, Aoki By Adam McCalvy and Doug Miller / MLB.com | 03/19/12 8:24 PM ET
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20120319&content_id=27417410&vkey=news_tex&c_id=tex&partnerId=rss_tex  

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