カテゴリ: ブルワーズ

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ノリチカ・アオキよりも1日の休みを活かす野球選手が、他にいるだろうか?

少なくとも、ブルワーズにいないことは明らかである。

「体力的にだけでなく、精神的にも、全部をリフレッシュすることができた」アオキは、最も最近の1日の休みについて語った。「結果的には、良い休日になったよ」

良く分かった。ロン・レーニキー監督が5月1日のパイレーツ戦でアオキを先発メンバーから外した時、彼はその前の3試合で13打数2安打だった。その後の彼は、7試合のうち6試合でヒットを打ち、26打数13安打で、土曜日のレッズ戦を前に打率を.247から.301に上げていた。

レーニキーは、昨シーズンもアオキに休日を与えた後に、似た結果を目撃している。そしてプレーに関することについても、いくつかの証拠がある。一つは5フィート9インチ、176ポンドというアオキの小さな体が、時たまの休日を必要としていることで、もう一つは長年日本でプレーした後で、まだメジャーリーグのハードスケジュールに適応している最中であることだ。日本のチームは通常、毎週月曜日が休みである。

アオキはまた、個人的なルーティンを変更した。毎日のスイング数を制限したのだ。

「前は、毎日もっとやっていたから」アオキは言った。

ラインアップから外れた時、「打撃のことについて、考えていた。それと同時に、他のことは考えなかった。できるだけ休もうと思った。ロンとジョニー(・ナローン打撃コーチ)にも、休みの日には、できるかぎり休みなさいって言われていたから」とアオキは語った。

アオキをいつ休ませれば良いのか、レーニキーはどうやって知るのだろうか?

「彼のスイングを見るんだ」レーニキーは言った。「疲れが溜まってくると、彼はフライを打ち始める。そこが違うんだ」

参考記事: Aoki's off-day pays dividends for outfielder, Brewers By Adam McCalvy / MLB.com

10火曜日のノリチカ・アオキは、最初の質問に答えるのに通訳はいらなかった。

ブルワーズのシーズン第1号のホームランを、自分が打つと思っていた?

「ノー」アオキは、大きく微笑んで答えた。

「そんなことは、ありえないと思っていた」彼は通訳のコウスケ・イナジを通して、付け加えた。

 それでもアオキの名前は、ブルワーズのリーダーボードに載っている。開幕戦に延長戦でロッキーズに勝利したブルワーズの唯一の本塁打が、彼の3回のソロ本塁打だった。

それはジュリアス・チャシーンから放ったもので、アオキが昨年の4月20日にメジャーリーグで初めてのホームランを打ったのも、ロッキーズの同じ右腕だった。違いは、月曜日の1本がフェンスを超えたことだ。昨年の1本は、ランニングホームランだった。

 昨シーズンのアオキは10本塁打を記録し、ブルワーズのロン・レーニキー監督は、2013年の彼のリードオフマンは、それを超えると予想している。日本で3度の首位打者に輝いたアオキは、2007年のヤクルト・スワローズで20本塁打を記録した。そして今年のスプリング・トレーニングに、彼は鍛え上げられた体で現れた。そして彼は、目標は必ずしもフェンスを超えることではなく、野手の間に強いボールを打つことだと言っていた。

彼は今年、10本以上のホームランを打てると思っているだろうか? 

「なんとも言えないけど」アオキは言った。「そうしたいけど、僕が大切だと思っているのは、塁に出ること。だって僕の後ろには、本当にホームランが打てる選手がいるからね」

参考記事: Aoki savors spot as Brewers' home run leader By Adam McCalvy / MLB.com

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今春のミルウォーキー・ブルワーズ・キャンプのノリチカ・アオキがより馴染んでいるのは、簡単に見て取れる。

アオキは、メリーベール・ベースボール・パークの環境に慣れただけでなく、クラブハウスで彼の周りに集まる選手に、言葉の壁を超えて笑顔を振りまき、普段からリラックスしている。

「同じ景色で同じ環境だけど、僕が慣れたってところが違うね」アオキは言った。「やりやすくなっている。昨年ここにきた時は、誰も知らなかったから」

1年前のアオキは実際に、新天地に来たお客さんだった。そのきゃしゃな外野手は、日本のセントラル・リーグで7年間プレーした後、メジャーリーグで自分の実力を試そうと決意した。彼の決意は固く、大幅な減俸となる2年25百万ドル、2014年は球団側のオプションという控えめな契約を受け入れた。

アオキになにを期待して良いのか分からなかったブルワーズは、彼を控えの外野手にした。その慣れない役目を与えられた彼が、チームの運命に大きな影響を与えるとは思えなかった。

しかし5月初旬に、一塁手のマット・ギャメルが膝のケガで離脱したことが転機となった。その隙間を埋めるために、コリー・ハートがライトから一塁へ移り、アオキは外野のレギュラーを担えると証明するチャンスを得た。

「昨シーズンが始まった頃の彼は、代打でとても良い仕事をしていた。そのことがあったから、ギャメルがダメになった時、彼に"外野で毎日プレーして、実力を見せて欲しい"と言うのは、簡単なことだった 」ロン・レーニキー監督は当時のことをそう語った。

左打者のアオキはレギュラーになって発奮し、メジャーリーグに適応して、スキルを魅せつけた。最終的に151試合で打率.288、37本の二塁打、10本塁打、30盗塁、81得点と、素晴らしい結果を残した。

一塁でプレーしたハートは期待以上で、アオキはライトで毎日プレーできるところを見せた。そのことで、2013年のブルワーズの計画は変わった。アオキとハートは、それらのポジションのレギュラーになるはずだった。しかし1月後半にハートが膝の手術を受け、5月までラインアップに戻ってくることができないことで、この青写真は崩れ去った。

「昨年の彼は、本当に良い年を過ごした」レーニキーは、アオキについて言った。「もっと良くなることを期待している。だけど去年の彼は本当に頑張ったから、私はとても嬉しかった。新しい国に来て、学ぶことがたくさんあったんだから、辛かったと思うよ」

「私たちはすでに知っているから、彼が証明しなくてはならないことは何もないんだ。だけど彼は準備をしてきた。そしてほとんどのメジャーリーガーは、決して満足しない。彼らは毎年、もっと良くなろうと努力する。ノリも確かにそういった選手だと思う」

ブルワーズでの2年目に向けた31歳のアオキの心構えは、正にそれである。過酷なメジャーリーグ・シーズンを1年経験したアオキは、冬の間の厳しい練習で体を作り、強靭な肉体で現れた。

ブルワーズで最初の日本生まれの選手であるアオキは、ライトのポジションを勝ち取る必要はないが、それを当然のこととは思っていない。メジャーリーグのレギュラー選手に必要な、謙虚さと礼儀正しさをもつ彼は、キャンプを適当に流すことなど、考えていない。

ワールド・ベースボール・クラッシックで2度チャンピオンになった日本チームでのプレーを辞退したことは、アオキがより良い選手となってブルワーズに専念したいことの証明となった。

「僕はもっとできると思っている」アオキは通訳のコウスケ・イナジを通して言った。「(昨年は、)良い時も悪い時もあった。最終的には、貢献できたと考えても良かったのかもしれないけど、僕はまだそう思っていない」

「それが簡単にできるとか、そんなことは思っていない。常に自分自身にチャレンジしていきたい。僕は自分をレギュラーのライト選手とは思っていない。今年は、なにを期待されているのか分かっているから、多少は楽かもしれないけど、実際はそんなことはないよ」

チームのライト選手として、信頼できる一貫した存在となったこと以外に、アオキは他の問題も解決した。リッキー・ウィークスが足首の手術からの回復に半年を要して、 続いたスランプと戦っていた時に、レーニキーは、アオキをリードオフに据えた。彼は.355の出塁率でそれに応えた。

それどころかアオキは、厳しい球をファウルにして、ヒットか四球になるまで、投手に投げさせるところを見せた。彼は588回打席に立ち、わずか55回しか三振せず、左投手に対する打率は.270を記録した。

「彼は打つよ。バットスピードがあるから」レーニキーは言った。彼はアオキを1番打者にして、ウキークスをその後にする計画だ。「98マイルを投げたって、彼は打つんだ」

「彼がこの先、どこまで良くなるのか分からないけど、昨年の彼は本当に良かった。彼をアウトにするのは大変だよ。彼を相手にどうやって守れば良いのか、私には分からない」

彼が文化的な適応をほとんど完璧にやってのけたのも称賛に値するが、アオキはメジャーリーグでプレーできることを証明したことで、チームメイトから真の尊敬を勝ち取った。結局はそれが、いつでも、本当のテストになる。

「彼は、みんなの期待を超えた」レフト選手のライアン・ブラウンは言った。彼はアオキと同じネズ・バレロを代理人としている。「ここに来た彼が、誰かにどの程度期待されていたのか、僕は知らないけどね」

「彼は信じられないような年を過ごした。レギュラー選手として、彼のやり方で貢献した。守備でも、打撃でも、走塁でも、信じられないくらい安定していた。それは僕には、本当に印象的だった」

「言葉や習慣が分からないところに来て、そういった文化的な適応をすることを、僕には想像できない。野球をすることや、僕たちのルーチンは、こことあっちでは確かに違う。昨年の彼は素晴らしかったし、今年もう一度、彼と一緒にプレーできるのは、本当に嬉しい」

それをやってのけたアオキは今春、野球に集中している。彼は一日400スイングするという風変わりな練習を、2012年の初めに減らすことにした。生活しながら学ぶことは、日本で3回首位打者に輝いた選手の新しい生き方になった。

「良かったことも、悪かったこともあった」彼は言った。「満足はしていない。野球のすべてのことについて、もっと良くなりたい。個人的な目標もいくつかあるけど、僕の最大の目標は、チームに貢献すること」

参考記事: With one year under belt, Brewers' Aoki turns focus to game BY TOM HAUDRICOURT MILWAUKEE JOURNAL SENTINEL


Aoki settling in with Brewers

ブルワーズは、日本での成績表と何本かのビデオ、そして1日だけのワークアウト、それにそのシーズンの初めにレフトのライアン・ブラウンが出場停止になるかもしれないという恐れから、ノリチカ・アオキと契約した。

それは昨年の1月のことだった。ロン・レーニキー監督は、何を獲得したのか分かっていたのだろうか?

「もちろんだよ。彼はやってくれるって、確かに分かっていた」レーニキーは言った。

彼はふざけていた。

実際のアオキはレギュラーのライト選手とリードオフとしてプレーして、打率.288、10本塁打、37本の二塁打(球団新人記録)、50打点、30盗塁と、米国でのデビューシーズンで期待以上のものを残した。アオキはナショナル・リーグ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーの投票で5位につけた。

2011年の1月、ブルワーズはアオキとの交渉権を2.5百万ドルで獲得した後で、2年の契約を結ぶ前だった。レーニキーは球団職員と共に、メリーベール・ボールパークで行われたアオキのワークアウトを見学した。彼はフライボールを捕り、走塁と打撃を披露した。球団関係者は、アオキの技術が米国でどのように役立つだかを想像するために最善を尽くした。

アオキは、良い送球と速いバットスピード、そして足の速さを見せた。

「私たちは、上手く行って幸運だった」レーニキーは言った。「今年の彼も楽しみだよ。彼が昨年に満足していないことを私は知っているからね」

その通りだとアオキは言った。

「もっとできると思っている」31歳のアオキは、通訳のコウスケ・イナジを通して言った。「良いこともあったけど、悪いこともあった。結局は自分が(満足を)感じられるかなんだけど、まだそう感じていない」

昨年は、日本で三度の首位打者に輝いた彼にとって、不安なことだらけで始まった。彼がメリーベール・ベースボール・パーク入りした時に、知っている顔は一人しかいなかった。それは日本でのチームメイトで、ロスター枠外でキャンプに参加していた投手のフランキー・デ・ラ・クルーズだった。

そしてアオキは学んだ。彼は名前を覚え、アメリカ流のスプリングトレーニングを学び、球場を離れたところでも新しい文化に適応した。他のブルワーズ選手は、彼の学びの速さに驚愕した。

「言葉が分からないところ、習慣を知らないところ、ここで行われいる野球とそのための準備の方法を知らない場所に来て、そういった文化的なことに適応するなんてことは、僕には想像できなかった」ブラウンは言った。「確実にここは違うんだ。昨年の彼は信じられないよ」

アオキはブルワーズのベンチで開幕を迎えた。しかし5月の初めには、マット・ギャメルがシーズン絶望の膝のケガに見舞われ、そしてコリー・ハートが1塁に移ったことで、レギュラーのライト選手になった。

結果的にアオキは、15、13、10、そして12試合連続安打を記録した。ナショナル・リーグの新人で、10試合以上の連続安打を4回記録したのは、1974年のカージナルス、ベイク・マクブライド以来だった。彼はシーズンの後半にはパワーを見せつけ、9月の長打数18はレイズのB.J.アップトンに並んで一番多かった。

「僕はいつも、自分のことをチャレンジャーだと思っているから」アオキは言った。「だから自分のことをレギュラーのライト選手だとは思っていない。何を期待されているのかが分かっているぶん、今年のほうがやりやすいけどね」

2年目のスプリングトレーニングで、彼は何かが変わったのだろうか?

「1日に1000回もスイングをしなくなった」レーニキーは言った。

アオキは実際に、昨年は1日に400回スイングしていたが、今年は少なくとも半分ぐらいにする予定だと言った。日本人選手は伝統的に、北アメリカの選手よりも多く打撃練習をするが、日本ではより多く休日がある。

「昨年は他の選手がどうやってシーズンの準備をするのかをみることができで、そして調整方法をコーチと話した」青木は言った。「だから何回スイングをするかだけでなくて、僕の練習全体もそうだよ」

アオキは冬の間に、体力をつけることに専念した。それは2013年のアオキは30本塁打を打つのではないかとレーニキー冗談を言ったように、目立つチャンスでもある。

「それは良いね」青木は笑いながら言った。

今春のブルワーズは、その笑い声をもっと頻繁に聞いている。アオキの英語が劇的に上達し、イナジの助けを借りずにチームメイトと交流をしている。ある日の彼は、クラブハウスの丸いテーブルのを囲み、ブラウン、三塁手のアラミス・ラミレス、そして内野手のアレックス・ゴンザレスと話をしながらランチを取っていた。 この4人の出身国は、それぞれ違う。

また別の時、彼が記者と話をしていたとき、イナジは通訳の間に言葉に詰まってしまった。アオキは、彼の友人の肩を掴み、英語で「目を覚ませ!」と言いながら肩をゆすった。彼は笑っていた。

「彼は個性的で良いね」レーニキーは言った。「彼はよりやりやすくなっているだろうし、もっとそうなるだろう。彼は良いよ。ここにとても良くフィットしている」

ブラウンと同じCAAスポーツが代理人を務めているアオキは、今シーズンは2年契約の2年目で1.25百万ドルを得る予定だ。ブルワーズは2014年に1.5百万ドルのオプションと25万ドルのバイアウトの権利を持っている。しかしアオキは、他の選手と同じようにメジャーリーグで6年のサービスタイムを経過するまで、フリーエージェントになれない。彼は今シーズンと来シーズンにメジャーでプレーできれば、2014-2015のシーズンオフには、年俸調停の権利を得ることができる。

ビジネスの話は後回しにできる。そして今月のアオキは、より気楽にスプリングトレーニングに入れることを楽しんでいる。

「同じ光景だし、同じ環境だから」アオキは記者に語った。「ここに馴染んだってところが違うね。昨年来た時は、何も分からなかった。今は君たちのことだって知っているからね」

彼はふたたび笑った。確かに彼は、馴染んでいる。

参考記事:Aoki feeling at home with Brewers By Adam McCalvy / MLB.com

日本から取り寄せたビデオと簡単なトライアウト、1年前のブルワーズはノリチカ・アオキのことを少ししか知らなかった。彼らは今、彼をリードオフに据えるほど気に入っている。

ロン・レネキー監督は木曜日、開幕でアオキをリードオフにして、二塁手のリッキー・ウィークスを2番にすることを考えていると示唆し、何かを変えることができると強調した。

「それでどうなるか、見てみたい」レネキーは言った。「(アオキは)いろいろなことができる。彼は球をよく見るし、私はそれをとても重要視している。彼は四球を選ぶ。昨年は盗塁も多かった。それらのすべてがリードオフには重要だけど、本当に大きいのは塁にでることだ」

木曜日の朝キャンプに到着して、笑顔とハグで挨拶をしたアオキは昨年、打率.288、10本塁打、37本の二塁打、30盗塁、そして出塁率.355と堅実なデビューイヤーを過ごした。彼はまた、新しい言葉と文化、そしてプレースタイルに適応した。

「昨年の彼は、本当に印象的だった」レネキーは言った。「去年の彼は、私たちに何かを見せる必要があることが知りながら、ここに来た。今年は少し違う。性格的に彼は同じようにするだろうけど、でも違いがある。彼はもっとエンジョイするだろうね」

ウィークスはキャリアでリードオフとして595試合に出場していて、そこでの出塁率は.356だ。2番打者では122試合で、打率.225、出塁率.313である。

レフトのライアン・ブラウンと三塁手のアラミス・ラミレスの前の2番に彼を据えることで、ブルワーズはファストボールを打つのが上手いウィークスに、より多くのファストボールを投げさせようとしている。

ブラウンが3番で、4番はラミレスになるだろう。コリー・ハートが膝のケガで少なくとも初めの1か月を欠場する間、キャッチャーのジョナサン・ルクロイが5番候補で、一塁手のマット・ギャメルが続く。センターのカルロス・ゴメスとショートのジーン・セグラが7番と8番を埋めるだろうが、それはレネキーがセグラのような若手を投手の前に置くことを好むかによって決まるだろう。

参考記事:Roenicke leaning on Aoki leading off By Adam McCalvy / MLB.com

月曜日夜のブルワーズは、7回に集中して4点を取り勝利を飾った。それは彼らの最近20試合での16勝目で、その日セントルイス・カージナルスがサンディエゴ・パドレスに負けたことで、ブルワーズはワイルドカード争いで5ゲーム差まで迫った。

月曜日の試合で起こった大きな出来事の一つは、外野手ノリチカ・アオキの引き続き好調な打撃である。彼は2本の二塁打を打ち4打数2安打。7回にレフト-センター間に打った2点タイムリー二塁打は、勝利につながる大きな一打だった。決して諦めることができない状況で、ブルワーズはそれによってリードを与えられた。そして最近のアオキのパワフルな打撃が、それをもたらした。

8月が始まってからのアオキは、.301/.359/.441、2本の二塁打、1本の三塁打、2本のホームランを打っている。彼は10個の四球を選び、この間の三振は8回だけだ。これらは素晴らしい成績だ。もしその30歳が、シーズンの残りもこの調子を続けることが出来れば、ナショナルリーグ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーの選考対象になる可能性がある。

しかし、アオキの何が変わったのだろう?

ここ数ヶ月のアオキが手に入れた一番大きなものは、打席で球を選ぶ能力と、素晴らしく広い打撃範囲である。今シーズンの彼は、1打席当たり平均で3.89球を投げさせている。それはナショナルリーグで上から24位にランクされる。来た球を見逃すのか、ファウルにするのか。それはアオキが、打ってはいけない球を選別することを可能にする。そして彼がコントロールできる球だけが、そこに残る。

1打席当たりの投球数が平均を上回るのと同時に、彼はホームベース上の全ての範囲をカバーしているので、相手投手は、彼に対して投げる場所が限られてくる。例えばこの図を見て欲しい。これは8月からの打率のヒートマップだ。

 

アオキは、ホームベース上の外側を上手くカバーしている。ブルワーズファンは、シーズンを通していつも見てきたが、逆らわずに打たれた打球は、逆方向に飛ぶシングルヒットになる。彼は外角に半分、またはそれ以上に外れている球を、無理に引っ張ろうとしていない。代わりに彼は、レフトやセンターにたくさんの打球を打ち返すことで、安定してシングルヒットを打ってきた。

上の図からすれば、なぜ相手投手は彼の内角投げてこないのだろうと考えるのは当然だ。彼が腕を伸ばして、レフト側に打球を飛ばすのを許さないようにするのだ。

しかしその時に問題になるのは、アオキが内角のファストボールも打てることだ。上の図を打率から、ISO(長打率-打率)に変えてみよう。彼が内角の球に対してパワーがあるのがはっきりと分かる。

 

なぜアオキが、最近力強い打撃を見せるようになったのかは、これが理由である。彼はシーズンを通して安定した打撃を見せてきたが、それは彼が外角の球に活路を見出したからである。そして相手投手は、彼の内角を攻めるようになった。そしてそれが、ブルワーズのライト選手が、素晴らしいパワーを見せつける結果となった。

アオキの8本のホームランは、全て引っ張った打球である。それらのホームランの全ては内角の球を打っていて、そのほとんどが、高めの球である。

相手投手にはこれまでに、二通りの選択肢があった。(1)レフト-センター間に打たれる可能性がある外角に投げる。か、(2)内角に投げて、ライト側に強い打球を打たれるリスクを犯す。どちらも魅力的な選択肢ではなく、アオキがここ1ヶ月半に成功している要因はそこにある。

彼に対する現実的な答えは、恐らく内角低めに変化球を投げることだろう。言うだけなら簡単ではあるが、実際にアオキは、低めの球に対してパワーを見せていない。そして彼は、外角の球を打つことで打率を残している。そしてそれだけではなく、今シーズンのアオキはファストボールに強い。

    無題
アオキが、変化球よりもファストボールに対して成功しているという事実からしても、アオキは必ずしも特別ではない。そしてそれは、対戦投手が攻略できる弱点であるように見える。  

高め、そして外角に投げないことだ。もしこれらのデーターが、ここ1ヶ月半に提供されていたなら、好調なブルワーズ打線の1番打者であるノリチカ・アオキの結果は、違ったものになっていたのかもしれない。

参考記事:Aoki’s Power Spree By J.P. Breen on September 11, 2012 Disciples of Uecker
http://disciplesofuecker.com/aokis-power-spree/6762  

月曜日のサプライズ・スタジアムは、どこか開幕戦のようだった。冷たい空気、衛星中継のトラック、そしてメディアの大群でいっぱいだった。これは普通のカクタスリーグの試合ではなかった。

この冬に太平洋を渡ってきて、最も注目を集める投手と打者、ユウ・ダルビッシュとノリチカ・アオキが対戦した試合だった。大評判の投手ダルビッシュは、レンジャーズでこの春3度目の先発だった。日本で3回の首位打者になっているアオキは、ブルワーズのライトに入った。

ミルウォーキーのロン・レネキー監督は、この春ブルワーズキャンプに来ている日本人レポーターをなだめるためにアオキを先発にしたと冗談を言った。そしてレンジャーズキャンプではロン・ワシントン監督が、ダルビッシュのグラウンドでの一挙手一投足を目撃するためにアリゾナに来ているメディアに囲まれていた。

一旦試合が始まれば、両選手は期待に答えた。二人の選手は、少なくとも知られているのと同じ程度の仕事を見せた。

ダルビッシュは4イニングで僅か1本のヒットしか与えず、空振りを奪うことで実力を魅せつけた。彼は1回と3回はそれぞれ3人で終わらせて支配的な姿を見せたが、2回と4回は3四球、暴投、死球と不安定な姿を見せ、最後はダブルプレーで終わらせた。

この春、これまでのアオキの打率は.194だが、ダルビッシュから唯一のヒットを打ちダルビッシュから得点を奪った。加えて6回には、試合を同点にする三塁打を打ち、最終的には3安打、3打点、1盗塁、1得点だった。

この間も二人は、日本からアメリカのメジャーリーグに移ったことで挑戦している多くの変化を続けていたが、それは少ししか解決していない。

レンジャーズが110百万ドルを費やして獲得したダルビッシュには、想定通りだった。大きな右腕は、時にコントロールに苦しんだが、この時期にとっては珍しいことではないと言う。

「体の使い方や、投げ方はまだ調整中だから。今の時点で完璧に同じ動作を繰り返すことはできない」ダルビッシュは通訳を通して言った。「まだ安定していない。良い球と悪い球があるのはそれが理由。とにかく、今の時点で完璧は望んでいない。このまま続けていけば、良くなっていくと思う」

「毎年、この時期はこんな感じなので、今の状況はこれまでのこの時期と大きな違いは感じない」

もしダルビッシュが、日本にいた時と同じくらい良い成績で終われば、2回のアメリカンリーグチャンピオンに輝いた時に先発ローテーションにいたC.J.ウィルソンが抜けた穴を埋めることになり、レンジャーズには良い結果となるだろう。ブルワーズのリリーバー、カメロン・ローは2009年に日本で投げており、直に彼を見たことがあった。

「ユウ・ダルビッシュは、そこでは完璧に抑えていた」ローは言った。

ローは、日本のチームが円グラフでいろいろなカウントのいろいろな投球の割合を詳しく書き出し、打者のためにとても詳細なレポートを作成するという事実を指摘している。

しかしローがいたソフトバンク・ホークスがダルビッシュと対戦した時、それは違っていた。

「”やっちまえ”みたいな感じで投げてきた」ローは肩をすくめながら言った。「おかしいだろ。実際に、彼は向こうではスーパースターなんだ。僕は3年前にむこうに行ったけど、彼は既に雑誌の表紙になっていた。憧れの的だよ」

アオキも悪くなかった。彼もまた日本ではスロースターターで、レギュラーシーズンのベルが鳴った時に、それは影響を及ぼすものではなかった。彼は2005年、'07年そして'10年にセントラル・リーグの首位打者に輝いており、7シーズンのうち6回は打率が.300を超えている。

「彼は明らかに我々の戦力になるだろう」ブルワーズの三塁コーチ、そしてチームの外野と走塁インストラクターをしたいるエド・シーダーは言った。「スプリングトレーニング(の成績)なんて気にしない。もしスプリングトレーニングでそんな事を気にしていたら、スーパースターの何人かは、リリースされてしまうよ。そうなったら大変だ」

初めてのアメリカも、また大変なことだ。ダルビッシュはこの春、調整についての質問は答えをはぐらかしてきた。彼が好んだのは、レンジャーズの気遣いを彼が家でどう感じているかの話だった。

しかし青木は、それが簡単な変化でないことを認めた。

「僕はここに来て、調整に苦労していることがいくつかある」アオキは月曜日の朝に、通訳を通して言った。そして忙しくなる日の慌ただしくなる前の静かなクラブハウスで、雰囲気を味わっていた。「僕はまだ、こっちの生活に慣れていないんだ」

その生活には新しいスタイルの野球、文字通りの新しい野球、それにアオキにとっては新しい対戦投手、ダルビッシュにとっては新しい打者、より長く、より厳しい練習を選手に課す日本とは劇的に違うスプリングトレーニングのメニューが含まれる。文化的な適応もある。言葉の壁、馴染みのないチームメイト、そして食事だ。

しかしアオキは、ブルワーズから歓迎の雰囲気を感じている。そしてまた彼は、アリゾナで他の日本人選手、マリナーズのイチロー・スズキとムネノリ・カワサキらと時間を過ごした。アオキはフェニックスに日本レストランを見つけ、そこが気に入った。

そしてダルビッシュは、彼の到着に合わせて特別に作られたインタビューテントで話す時に、無数のカメラのフラッシュが浴びせられているのにもかかわらず、新しい家について聞かれた時、それを砂漠のそよ風とおなじように簡単に受け流した。

「最初の日から、僕はそんなに困ったことはない」彼は言った。「僕はそれは、チーム全体に対する信頼だと思う。スタッフと選手たちは、とても良い人たちで、とても歓迎してくれている。それらは僕の気を楽にしてくれた。一日目から、僕はここで野球をすることを楽しんでいる」

両チームがこれから期待することは、それぞれの選手が生まれた国で感心を集めている間に、彼らが見せた可能性を花開かせることだ。

ローは個人的に、アオキに対する疑問を持っていない。

「彼がリズムを掴むまでに少しかかるだろう。だけど彼は凄い選手だ」ローは言った。「僕は彼の練習を見ている。彼は適応できるタイプの選手だ」

ダルビッシュについて、ワシントンは彼から見えるものの多くを気に入っているようだ。

「彼は高すぎる球や低すぎる球が無いんだ」ワシントンは言った。「彼はいつも戦っている。それは良い投手の印だ」

昨年のナショナルリーグMVPであるライアン・ブラウンは、月曜日にダルビッシュと2回対戦し打てなかった。そして印象に残ったようだ。

「僕は6球か7球見ただけだから言うのは難しいけど、良いものがあった。彼は純粋で良いものを持っている」ブラウンは言った。「彼は自信を持っている。だから彼は成功すると思う。彼は大きくて、背が高くて、投げ下ろすタイプの投手だ。彼は明らかに、マウンドでの存在感がある」

新しく来た人間にとっておそらく一番重要なことは、怪我などでの気が重い状況でもユーモアのセンスを忘れないことだろう。ダルビッシュは、ここに来るまでの長い旅にも関わらず、それを忘れてはいないようだ。

彼がどの投球がベストだと思うか、そしてもう一つ、この春にどの球にもっとも苦労しているかと尋ねられ、ダルビッシュは最初の質問にツーシームファストボールの出来具合に満足していると答えた。その後、彼は通訳に囁き、微笑んだ。

「ジャイロボール」彼は言った。「おそらくそれに一番苦労している」

参考記事:Adjusting to U.S. life part of game for Yu, Aoki By Adam McCalvy and Doug Miller / MLB.com | 03/19/12 8:24 PM ET
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20120319&content_id=27417410&vkey=news_tex&c_id=tex&partnerId=rss_tex  

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