MVPが発表されるまでの間、ジャスティン・バーランダーはアメリカンリーグ・サイヤング賞受賞の喜びに浸ることができる。

バーランダーが、自分に満足するのは初めてかも知れない。しかし満場一致の結果は、並大抵の事ではない。しかし彼は、それをいとも簡単にやってのけたかのようだ。

バーランダーがリーグ三冠を達成した以上、受賞は当然だった。それは火曜日に発表され、タイガースとしては1984年のジレルモ・ヘルナンデス以来、同チームの先発投手としては、1968年と69年に連続受賞したデニー・マクレイン以来となる。

Verlander is 2011 AL Cy Young 

「僕はこのために、本当に努力してきたんだ」 バーランダーは言った。「僕がどれだけ頑張ったか、みんなも知っていると思う。本音を言えば、もう少し勝ちたかった。だけど今は、受賞できて本当に嬉しい。厳しいこともたくさんあったし、試合に対する備えもしっかりしてきたから、こんなに嬉しいことは無いよ。今は、他のことは考えたくない。今はただ、家族と友達と一緒に、この喜びを分かち合いたいよ」

バーランダーは、アメリカンリーグのチームがある街にそれぞれ2人いる全米野球記者協会メンバー28人の投票で、全員から1位に選ばれ196ポイントを獲得した。エンジェルスのジェレッド・ウィーバーは、17人から2位に選ばれ97ポイント、2位になった。レイズのジェームス・シールズが66ポイント、ヤンキースのC・C・サバシアが63ポイントで続いた。

バーランダーのチームメイト、クローザーのホセ・バルベルテは、2位が1票、3位が3票で合計28ポイント、五位になった。

「(満場一致の)意味は大きい」バーランダーは言った。「満場一致なんて、滅多に無いんだから。最後はヨハン(・サンタナ、2006年)・・・、忘れないよ。その時僕は新人で、彼の投球を見たとき、”これがメジャーリーグのピッチャーか、凄い。本当にかっこいい”って思った。それから5年たった今、僕が同じことをしたんだ。個人的にもとても嬉しい」

ヘルナンデスとマクレインの二人は、同時にMVPも受賞している。アメリカンリーグMVPが発表される来週の火曜日、バーランダーは同じことをやり遂げるかも知れない。その行方は、今回の受賞より予測不能だ。そしてそれは、違う意味を持っている。

「MVPを取れると思うかって?イエスだ」バーランダーは言った。「取りたいかって?もちろん。今年の初めに、サイ・ヤング賞確実だって言われても、とても信じられなかった。ましてやMVPなんて、こんな状況になるまで考えもしなかった」

「だけどわかってほしいのは、僕はサイ・ヤング賞を貰って、それは本当に素晴らしい事なんだ。・・・僕はそれを夢見て、そのために頑張ってきたんだから、成し遂げた事に何かが足りないと僕が考えたりそう判断することに、MVPの影響は受けない」

彼が目標としてきたノーラン・ライアンは、それを受賞したことが無い。よく比較される現ツインズのキャスターでかつてのタイガースの投手、最近バーランダーが仲良くなったジャック・モリスも受賞していない。

今年のバーランダーの成績を見れば、彼以外の選択肢は無かった。

無題歴史上、勝利数、防御率、奪三振数の三冠を取った投手は、サイ・ヤング賞を受賞してきた。バーランダーは、受賞が両リーグで1人だった時代に2年連続で受賞したサンディ・コファックスを含め12人目の受賞者だ。三冠とサイ・ヤング賞を取った投手は、1人を除いて満場一致で受賞してきた。その1人は1997年のロジャー・クレメンスで、満場一致に数票足りなかった。その年のブルージェイズは、プレーオフ進出を逃していた。

バーランダーは、21人目の満場一致の受賞者で、アメリカンリーグではジョイニング・マクレイン(1988年)、ロン・ギドリー(1978年)、クレメンス(1986年、1998年)、ペドロ・マルティネス(1999年、2000年)、そしてサンタナ(2004年、2006年)についで9人目だ。

優勝争いに関われなかった投手に対する投票の問題は、今年は関係無かった。2006年以来のタイガースのポストシーズン進出は、バーランダーを選ぶ理由にとって小さくなかった。彼はデトロイトの勝利に貢献し、本当のエース、そして連敗ストッパーとして24年ぶりの地区優勝に貢献した。

バーランダーの24勝、防御率2.40、250奪三振は全てアメリカンリーグトップの成績だ。アメリカンリーグ投手としては2006年のサンタナ以来、タイガースとしては、1945年のハル・ニューハウザー以来だ。アメリカンリーグ投手の最多勝は、1990年の”パワーハウス”オークランド・アスレチックスのボブ・ウェルチの27勝で、それは破られていない。同一シーズンで三冠とサイ・ヤング賞を受賞したのは2002年ダイヤモンドバックスのランディ・ジョンソン以来で、アメリカンリーグでは、1971年のビダ・ブルー以来だ。

またバーランダーは、リーグトップの251イニングを投げ、被打率は.192、WHIPは0.92だ。もしそれらの成績に疑問があっても、彼は受賞できただろう。100マイルのファストボール、シャープなカーブボール、ピンポイントのコントロールにほとんど傲慢とも言える彼の信念があれば、彼が失投しない限り誰もヒットは打てないだろう。彼は最も手強い投手なのだ。

「三つの素晴らしい球と一つの平均的な球、それがあれば、相手は相当厳しいよ」タイガースのジム・レイランド監督は言った。

打者に対する賢いアプローチと、計り知れない才能を併せ持つのがバーランダーだ、と多くのタイガース関係者、特にレイランドは信じている。しかし彼らは、ここまで圧倒的な成績を残すとは、予想していなかった。

無題15月7日のトロントでのノーヒットノーランは、今シーズン最も圧倒的な投球だった。8回に11球を投げた末にJ・P・アレンシビアに与えた四球が、唯一のランナーだった。

「あの試合は、少し違う感じがした」バーランダーは振り返った。「たしか5回か6回にクラブハウスからダグアウトに出てきたとき、僕はとても冷静で、リラックスしていたのを覚えている。それが僕には、ちょっと違う感じなんだ。そして僕は”今とても調子が良いから、今シーズンこのまま行けるようにしよう”って思ったことを覚えている」

「先発する試合へのアプローチは、ゆっくり、焦りすぎないこと、自分の投球の状態をよく考えて、それから試合に集中していく。それらは全部、自分自身で学んだことさ」

彼には他にもノーヒットノーランのチャンスが 、8回ツーアウトまで続いた試合も含めてあった。それはプレーオフ争いが白熱するまで、夏の間最高に緊張感に満ち溢れた時間だった。

彼はその夜の相手打者を圧倒したあと、それを5日後の勝利の為に巧みに利用した。彼のノーヒットへの挑戦は、一つとして同じ組み合わせの投球では無かった。

「彼は、すべての投球を活かすんだ。そして彼はそれら一球一球の全てを信じている」オーランド・カブレラだ。彼は6月のクリーブランドで、8回までノーヒットだった彼から、ヒットを打った。「彼は全ての球を、ストライクにできる」

それでも夏の間のほとんどは、彼はサイヤング賞の有力候補では無かった。勝利数はサバシアのほうが多く、防御率は、ウィーバーの方が低かった。彼がその争いを射程距離に収めたのは、7月31日コメリカ・パークで行われた試合でウィーバーと投げ合った時だった。8回にマイサー・イズトゥーリスにヒットを打たれるまで、7回をノーヒットに抑えていた、その試合は3-2で勝利した。

「僕はあの試合が、僕たちの強さを証明したと思う」バーランダーは言った。「僕たちのチームは注目されていた。そしてその後から、チームが本当に機能し始めたと思う。その直後から、僕たちの快進撃が始まって、僕たちは変わったんだ」

それはシーズン最後の登板だったオリオールズ戦の前まで続いた彼の12連勝のうちの3勝目だった。ウィーバーは、最優秀防御率のチャンスがあったが、最後の登板で崩れた。

「彼にも素晴らしい年だった」ウィーバーについてバーランダーは言った。「彼とは良い友達で、彼にもおめでとうって言いたい」

その時までに、議論の多くは終わっていた。バーランダーは、彼の持つポテンシャルによって、その時レイランドが望む投手になっていた。最終的に彼は、レイランドが監督をした中で最も素晴らしい投手となった。

バーランダーは、この日が来るのを待っていた。今が、その時だ。来週もそうなるかも知れない。しかし彼は、その日まで、もうしばらく待つことになる。

参考記事:Verlander takes AL Cy in unanimous vote By Jason Beck / MLB.com | 11/15/11 4:45 PM EST

http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20111115&content_id=25976344&vkey=news_mlb&c_id=mlb