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田中将大の争奪戦は、野球が急激に国際化している大きな証拠の1つである。

アメリカのプロ野球で、これまでに一度も投げたことがない日本人投手が、このシーズンオフの中心人物となっている。これは田中にとってだけでなく、球界にとって良いことである。

バド・セリグ・コミッショナーは、野球を本当の国際的な競技にするという目標を持っており、その1つは、ワールドシリーズを真の世界チャンピオンを決める大会にすることだ。その試合は、まだ実現していないが、将来的に期待できるだろう。 

西半球の野球ファンは、メジャーリーグに移籍してきた選手たちの活躍によって、日本の野球のクオリティの高さを知った。イチローからダルビッシュ有までの選手は、疑いなくアメリカ球界にインパクトを与えた。

この冬に獲得可能な先発投手の中で、今もっとも価値がある選手は、田中である。楽天ゴールデンイーグルスからポスティングされた彼は、強烈な獲得合戦の中にいる。

彼は、南カリフォルニア、砂漠の南西部、中西部、ニューヨークと好きなところを選ぶことができる。信頼できる報道によれば、現時点の彼の候補は、ドジャース、ダイヤモンドバックス、ホワイトソックス、カブス、そしてもちろんヤンキースだ。

彼は6年100百万ドル以上の契約を手にすると言われている。彼はまだ25歳で、昨シーズンは24勝0敗、防御率1.27を記録した日本で一番の投手だ。それがそのまま、地球上で一番の投手であることを意味しなくても、田中はメジャーリーグでエース級の条件を得るだろう。

田中の争奪戦で分かったことは、アメリカ球界で育ったフリーエージェントの投手が、2番目であることだ。残っているフリーエージェントの投手は、田中の獲得合戦が繰り広げられている間、事実上待ちの状態なのだ。

いろいろなチームが争奪戦に参加していることは、野球がこれまでよりも、より広い地域で盛り上がる可能性を持っていると言うことである。そしておそらく、今回のことで分かるもっとも大切なことは、田中への注目の高さは、日本野球のクオリティの高さへの尊敬が基礎になっていることである。

なぜ、そうなったのか? ワールド・ベースボール・クラッシックという世界大会が3回行われる中で、日本チームは2度もチャンピオンに輝いた。2回は、米国チームより多い。

国際大会における日本チームの優勝は、考えてみれば当然だった。確実なプレー、積極性、魅力的な野球がそこにはあった。彼らは決して諦めず、それは見ているのが本当に楽しかった。

そのことがアメリカのファンに明らかになったが、私たちは、日本野球がそんなに素晴らしいことを、もっと早く知っておくべきだった。アメリカでは野球を「国民的娯楽」というが、アメリカのスポーツから1つを選べと言われたら、それが野球ではないことを、私たちは確実に理解している。

日本において、野球は本当に国民的娯楽である。例えば日本人記者は、日本での松井秀喜の人気を説明する時に、アメリカのマイケル・ジョーダンのようなものだと説明した。

最初のワールド・ベースボール・クラッシックの前、当時の日本の駐米大使だった加藤良三は、2人の本塁打王、王貞治とヘンリー(ハンク)・アーロンを公邸に招きパーティを行った。

それは2人の偉大な選手が同席するというもの凄いイベントであり、野球の国際的な成長への相応しいファンファーレだった。

加藤大使は歓迎の挨拶の中で、妻から彼が、彼女ことよりも野球のことばかりを考えていると言われたと語り、その大使は妻に、正直に、それは彼女を好きになる前から、野球のことが好きだったからだと話したと言った。

その逸話に出席者は喜び、そしてそのイベントに出席したアメリカ人に、日本における野球の地位を、少しだけ知らせることになった。

いまの私たちには、シーズンオフの目玉として日本人投手がいる。これは田中の実績と実力をたたえているだけでなく、日本野球のクオリティがメジャーリーグ・チームに認められたことでもある。

メジャーリーグは、ラテンアメリカの選手と東アジアから来る選手の流入によって、進化を続けている。そしてその激しく、高額な田中の争奪戦はまた、球界の将来を予見している。

その将来というのは、野球が本当の国際的な競技になることである。その競技は、いま私たちが目にしているものよりも大きくなり、より良くなる可能性を持っている。グローバル・ベースボールになるのだ。

メジャーリーグで投げる前であっても、実力が認められている田中の争奪戦は、野球が国際的に発展していく証である。野球が、真の国際的な競技になる道を、歩み始めているのである。

参考記事:Tanaka pursuit underscores baseball's global growth By Mike Bauman MLB.com

ここ数週間、日本のスター投手である田中将大をもっとも強く追い求めているのが、ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースだとされている。

そのことに、驚きはない。彼らはそれぞれのリーグで、もっともお金を使うチームだからである。

しかしシカゴ・カブスは、もっと彼を必要としているかも知れない。

ドジャースは昨年、ワールドシリーズまであと2勝に迫り、2014年のローテーションを完成させるには、メジャーリーグの先発投手が1人足りないだけである。20年間、2年連続でプレーオフを逃したことがないヤンキースは、衰え始めたCC・サバシアを埋める存在として田中が必要である。

カブスのモチベーションは、メジャーリーグにおいて妥当なだけの競争力を再構築する必要があるというもの以上にはない。今年の彼らは、ワールドシリーズ優勝を目指すどころか、プレーオフを真剣に狙えるとも思えない。しかしカブスは、セオ・エプスタインが球団社長になって3年目のシーズンにおいて、メジャーリーグレベルで結果を残すという現実的な責務がある。

カブスのファームは、プロスペクトのハビアー・バエズ、クリス・ブライアント、そしてアルバート・アローマらが関係者から大きな注目を浴びていて、球界でもベストの1つとの評価を受けている。私が2013年のアリゾナ秋季リーグで、どのチームが良い選手を揃えているのかをスカウトたちに聞いて回った時に、事実上ほとんどの人が答えたのがカブスだった。しかしリグレー・フィールドに新しいペナントを飾るには、それだけでは不十分である。

そしてカブスは、1年毎の計画で物事を進めるという古い方法からの脱却、放映権収入が少なく球場の広告収入も足りないという時代遅れ、そして子どもたちが球場に来るのを待っているだけというところから、動けないでいる。エプスタインとジェド・ホイヤーには、彼らがボストンで持っていた様な、資金的なアドバンテージはない。彼らは2013年に好調だったとは言えなかったエドウィン・ジャクソンとスターリン・カストロの契約に110百万ドルを必要とし、問題を悪化させた。

田中に魅力を感じているのはなぜだろうか? 彼はオールスターの可能性を持つ25歳の投手で、プロスペクトやドラフト指名権を必要としない(アマチュア選手の獲得に使うことができる金額制限に悩まされているカブスは、ドラフト指名権やそれに関連する資金を使うのを渋っている)。そう、つまりお金の問題なのだ。

確かに、そんなことを言ってはいけないのかも知れない。それには(田中の日本のチームに支払うリリース・フィーを含めて)120百万ドル以上にもなるお金がかかる。しかしエプスタインとホイヤーは、レッドソックスにいた時に松坂大輔、田澤純一と契約するなど、日本のことについて詳しく、そして間違いなく、オーナーのトム・リケッツにも強くアピールしただろう。カブスは本当のNo.1先発投手を獲得しない限り、それは田中になるかも知れないが、投手が豊富なライバルのセントルイスと、まともに戦うこともできない。

田中は、大きなマーケットで投げることを望んでいる。そのニーズをカブスが満たしているのは明らかである。しかし田中は、勝てるチームに行きたいという強い希望を持っていて、それが彼個人の成功を導くことができる環境である。もし金額が同じなら、これらの点において、交渉の場でドジャースやヤンキースを負かすことは難しいだろう。

ドジャースには、投手に有利な球場、打線の援護、理想的な気候、距離的に日本に近い、エースのクレイトン・カーショーとザック・グレインキーがいるローテションでプレッシャーが少ないことなどの利点がある。いろいろ考えても、これよりも良い環境を用意できるとは思えない。

ヤンキースの場合、田中は東海岸の狭い球場で、アメリカン・リーグ東地区の強力打線と対戦することになる。そしてカブスでは、もし防御率3.30でも8勝15敗になるかもしれないことが分かっていても、すぐにエースになることが求められる。

ほとんどのファンは、勝敗が投手を評価する良い基準ではないことを理解している。しかしそれでも投手自身は、それを気にしていると言える。そして田中は、ナショナル・リーグの弱いチームで8勝15敗を挙げるために、愛されている故郷を離れることはできない。

エプスタインとホイヤーはいずれ、チームを正しい方向へ持って行くと私は信じている。彼らはメジャーリーグの戦力を整えながら、プロスペクトを育てる必要がある、田中は確かに、再建をスピードアップさせてファンの熱気を呼び戻すために、カブスに必要な選手である。しかしそれはリケッツのやり方ではないが、彼らが本当に大きな条件を提示しない限り、彼を獲得するのは難しいだろう。

参考記事:Morosi: Cubs have many reasons to want Tanaka, fewer to land him Jon Paul Morosi FOXSports.com

木曜日に行われた四半期に一度のオーナー会議において、ホームベース付近での激突プレーを禁止する提案に対して投票は行われなかった。しかしメジャーリーグ・ベースボール最高執行責任者のロブ・マンフレッドは、2014年中にその新しいルールが採用されることを楽観視している。

「このルールが採用されるって確信しているけど・・・、まだ途中なんだ」マンフレッドは、サンクチュアリ・リゾートで語った。

この遅れは、先月フロリダ州レイク・ブエナビスタで行われたウインターミーティングにおけるルール委員会によって、その方針が決められたばかりであるという事実によるところが大きい。

「ルールを書いているところだ」委員会のメンバーである殿堂入り監督ジョー・トーリは説明した。「書いている途中だ。まだ終わっていないのは、それが簡単ではないからだ。だけど私たちは基本的に、ランナーが誰かに、故意にぶつかることができないようにしようとしている」

この問題は、必要性が急激に高まっている。トーリがこのことについて考え始めたのは、ジャイアンツのブルース・ボウチー監督と話をした時のことで、それは2011年5月にキャッチャーのバスター・ポージーが、ホームベース付近のプレーによってシーズンを失うことになった後だった。

「彼はとても心配していた」トーリは語った。「その時私は、"どうにかできないか考えてみる"って言ったんだ。だけど、野球にネガティブな影響を与えずに、それをする方法が見つからなかった」

しかしその後も、メジャーとマイナーリーグの両方で、キャッチャーのケガが続いた。トーリは、ホーム付近での接触プレーでケガをした若手選手の両親からの手紙を受け取る様になった。そしてカージナルスのマイク・マシーニー監督とも意見交換をした。その元キャッチャーのキャリアは、主にホームでぶつかったことによる一連の脳しんとうによって、短くなった。

「マシーニーはその時、人生のうちの18か月の記憶が欠けているって言っていた。そのことをに注目しなくてはならない」トーリは続けた。「私たちは、そう考えている」

新しいルールは、メジャーリーグ選手会と世界審判協会に承認されなくてはならない。しかし木曜日の雰囲気では、それは速く進めることができるだろう。

「接触がなくなることはないだろう。避けようがない、偶然の接触があるだろう。キャッチャーは、ボールをキャッチしなくてはならないからね」トーリは言った。「だけど全体的なものの見方は、3塁にいるランナーの考えを変えなくてはならないことだ。サードに行ったら、気持ちの中で、ホームに行くルートを2つ以上考える事になる。そのように変えなくてはならない」

参考記事:Baseball continues work on home-plate collision ban By Paul Hagen / MLB.com

ビデオ判定の適用範囲が拡大されることが、四半期に一度のオーナー会議で満場一致で承認され、メジャーリーグ選手会と世界審判協会が署名した木曜日、野球が劇的に変わることが決定した。

「これは、本当に大きなことです」バド・セリグ・コミッショナーは、その発表をした後に発言した。「私たちが行ったこの変更を、私は誇りに思っています。そしてなぜ私が、それを誇りに思っているのかお話します。それは皆さんがご承知の通り、試合の邪魔にならないからです。そう、いくつかの変化は起こるでしょう。しかしMLBアドバンスド・メディアと私たち自身の技術、その他のお陰で、私たちはそれを実現することができました」

彼の時代に成し遂げた成果の中で、これはどの位置にランクされるのかと聞かれたセリグは、「そのランクはとても、とても高い」と返答した。

これまでビデオ判定は、本塁打に関する境界の判定のみに許されていた。それは審判の判断で行われ、彼らはリプレー画像を見るためにグラウンドを離れ、その後戻ってきてから、判定を発表していた。

今シーズンの始めから、各監督は、1つのチャレンジ権を持って試合を始めることになる。もしチャレンジの結果が認められれば、チャレンジ権は消費されないが、1試合で2回までしか使うことができない。もし監督が、7回が始まるまでにチャレンジ権を使いきってしまう様なことがあれば、彼は運から見放されているので、その試合の戦略を見直す必要があるだろう。7回表以降は、責任審判がビデオ判定を行なうのかの権限を持つ。

殿堂入り監督のジョー・トーリ、そしてブレーブスのジョン・シューホルツ社長と一緒に委員会で尽力した殿堂入り監督のトニー・ラルーサは、監督が試合中にしなくてはならない他の決断と似たようなものであると言った。

「私たちは、(12月にフロリダ州のレイク・ブエナ・ビスタで行われた)ウィンター・ミーティングで監督たちに、"試合では、難しい決断がある。それは君たちの仕事だ。もしこのことで悩むのなら、君は仕事を間違えている"と話した」ラルーサは言った。

「8回にクローザーを使うかい? もっとも良い例は、ピンチヒッターだ。私がブレーブスにいたとして、その日にチッパー・ジョーンズが、プレーをしていない。彼はそこに座っている。この武器が残っている。彼を6回に使うかい? それとも7回? 9回になったけど、使う状況ではない。クラブハウスに戻る。そして彼は使わなかった? でもそれは、ベストを尽くしただけだ。それが現実だ。このチャレンジ権というのは、自分たちに不利な判定となった、試合を左右するプレーのためにあるんだ」

そして球場にいる関係者は、判定をしない。すべてのビデオ判定は、ニューヨークのMLBAM本社のリプレー・コマンドセンターで行われる。2人の補助員を加えた4人の審判員がそこに配置され、ビデオ映像を確認する審判員は、交替でニューヨークに行くことになる。すべての球場には、ホームベース付近に連絡場所が設置される。そこで責任審判と最低1人の審判員が、有線で繋がれたヘッドセットでリプレー・コマンドセンターと連絡を取ることになる。ニューヨークのリプレー判定員の決定が、最終的なものになる。

もうひとつの大きな変更は、球場のビデオボードで、チームがこれらの際どいプレーを含めたリプレーを見ることができるようになることだ。

「ファンは、喜んでくれるだろう」セリグは予言した。「これまでは、家で試合を見ていると、全部のリプレーを見ることができた。そして球場にいると、リプレーは見ることができなかった。これは間違いだった」

チャレンジ権の回数を決めたのは、1つは試合のペースに対する懸念で、もう1つは、その回数で十分だという確信によるものだった。

「試合でミスジャッジとなった影響の大きなプレーの数々を私たちが確認して、統計的にはそれで十分だった」シューホルツは言った。

そしてトーリは「試合のリズムを考えたら、チャレンジの回数を制限することが必要であると、全員が考えたんだ。リプレーを取り入れるために、どれくらいの犠牲を払うのが良いのか、私には分からない。私たちはここから始めて、もし何かを修正する必要があれば、もちろんそれを検討する。他のことと同じ様に、もし何かをより良くしようと思うのなら、もちろんその方向に進めていく」と付け加えた。

本塁打、エンタイトルツーベース、ファンの妨害、ライン際の判定、一塁の判定、ホースプレー、タッチプレー、外野でのフェアとファウルと直接捕球の判定、デッドボール、タイミングのプレー、ベースへのタッチ、走塁、ボールとストライクのカウント、アウト、スコアの判定を含む、約90%のプレーで見直すことができるようになる。走塁妨害と守備妨害を含めた他のすべてのプレーは、ビデオ判定の対象にならない。

ビデオ判定を求めるには、監督はその意図を、速やかに審判に口頭で伝える。チャレンジは、同一プレーの複数の動きを含めても良いが、それは訴えの中で、それぞれを明確にしなければならない。

もし監督がチャレンジ権を行使したいのであれば、チャレンジは、できるだけ冷静に、そして「速やかに」されなくてはならない。

チームは球団の職員にビデオをモニターさせることができて、チャレンジをする、しないに関わらず、監督と連絡を取ることができる。本拠地、そして遠征先のチームは、同条件ですべてのビデオにアクセスできるが、他の電子機器は使うことができない。カメラアングルは、すべての球場で標準化される。

これは、将来的にさらなる微調整が予想される進行中の仕事であると、シューホルツは初めから強調している。

「これは歴史的であり、そしてとても複雑だといえる」シューホルツは言った。「私たちがしていることはいつも、玉ねぎを1枚ずつ剥いているのと一緒で、より難しいことが見つかるんだ。私たちが前回このことについて話をした時から、最終的になったものに変更があったのは、それが理由だ」

「これは始まりであって、素晴らしい大きな一歩なんだ。これは3段階になっている。私たちは1年後、2年後、そして3年後に見直して、人間ができる限りの完璧さに近づけていくつもりだ」

MLB選手会のトニー・クラーク常任理事は声明で、選手もまた、この新しいシステムがどのようになるのかに、注意深く注目していくと言った。

「選手は、今シーズンよりビデオ判定の範囲が拡大されることを、楽しみにしています。そしてより将来的にこのシステムを使う話し合いをするまでに、この影響をしっかりとモニターしていきます」

参考記事:Expanded replay approved, to begin this season By Paul Hagen / MLB.com

シカゴの両チームが、少なくともその競争相手から、日本人スター投手田中将大の真剣なライバルであると見られ始めている。しかし資金が潤沢なドジャースとヤンキース、そして他のチームも強い興味を失っておらず、その国際的スター選手の争奪戦がどの様な結果になるのかを約束するのは難しい。

カブスとホワイトソックスは、ロサンゼルス地区の秘密の場所で田中と会うスケジュールを組み、1月9日にその場所に来た5チームのうちの2チームであることが知られている。したがって彼らが真剣に取り組んでいることに驚きはない。その時に面会したと公にしているのはホワイトソックスだけだが、ヤンキース、ドジャース、そしてダイヤモンドバックスが、その時に面会したチームであると、他のチームは信じている。

田中の獲得にカブスが熱心であることは、これまでにも知られている。優秀な野手のプロスペクトが隠れている中で投手を本当に必要としているチームにおいて、そしてまた、タイムスケジュールと哲学において若い選手を熱望していることからも、彼は完全な人材である。FoxSports.comは木曜日に、カブスは田中についていっそうの努力をしていくと、多くの人が確信していると報じた。

争っている2球団の幹部は、これまでのところカブスが自信を見せていると指摘し、1人は田中が「彼らに取られる」という声を聞いたと言った。しかしカブスの関係者は、それらのことに何も話をしていない。CBSSports.comが連絡を取ったカブスのセオ・エプスタイン球団社長は、そのうわさの話を拒否し、それらを事情を知らない人々によるツイッター上の憶測だとした。

ホワイトソックスは、ロスターを若返らせるという目的を明確にしており、この冬にはホセ・ダニエル・アブレウ、アダム・イートンらを含めた30歳以下の野手を数名獲得した。そして25歳の田中は、彼らには大きなプラスとなる。ホワイトソックスのリッチ・ハーンGMは、LAでの面会を公表した声明の中で約束したことを守るとして、コメントを拒否した。

ドジャースは、昨シーズンの楽天で24勝0敗だった田中の獲得に引き続き尽力すると話しており、それはスーパースター左腕のクレイトン・カーショーと(投手として)記録となる7年215百万ドルの契約をしても変わらない。そして彼らは、常に脅威である。ヤンキースの関係者は「積極的」に行くと話している。ヤンキースは、ぜいたく税の基準である189百万ドル以下に抑えたいとしているが、田中との契約は、その望みを本当に危うくする。

ドジャースとヤンキースが、田中のファーストチョイスであるという憶測がいくつかあるが、それは分からない。ドジャースの人間は、田中がLAで面会したチームが、必ずしも有利ではないと指摘した。

エンゼルスとブルージェイズは、その争いに加わっているチームの1つであると考えられており、少なくとも、ある程度の興味は持っている。マリナーズは興味を持っているが、ロビンソン・カノとの240百万ドルの契約による財政的な圧迫が、彼らに疑問符をつける。

田中の最終的な契約が約120百万ドルから140百万ドルの範囲になるという予想があるが、彼に興味をもつチームの少なくとも2人の幹部は現在、それは175百万ドルに達する可能性があると示唆している。田中が所属していたチームである楽天は、契約したチームから20百万ドルを受け取る。

このことは、条件提示が始まるこの週末にヒートアップし始めると見られる。締め切りは来週の金曜日で、契約がまとまるのは、締め切り間近だと予想される。田中はLAで、すでに健康診断を済ませている。

田中の契約がまとまれば、MLBのトップ・フリーエージェント投手たちの動きが始まる。マット・ガーザ、アーヴィン・サンタナ、ウバルド・ヒメネス、そしてブランソン・アローヨの4人のトップ先発投手は、まだ残っている。エンゼルス、ダイヤモンドバックス、そしてツインズが、ガーザに興味を示しており、ブルージェイズは、サンタナかヒメネス、あるいは両者の獲得に動くと予想されている。

参考記事:Tanaka derby: Cubs, ChiSox seen (by others) as threat to beat Yanks, LA JON HEYMAN Baseball Insider CBSSports.com

レンジャーズのエース、ダルビッシュ有と注目の日本人フリーエージェント田中将大の比較は適切ではないと考える人の中に、アンドリュー・ジョーンズがいる。

「彼はダルビッシュとは違って、三振は多くなかった」長年ブレーブスとヤンキースでプレーした外野手のジョーンズは語った。「彼は、もっと打たせていた。内野ゴロで、アウトを獲ろうとしていた」

ジョーンズは、日本の楽天で田中と一緒にプレーしたシーズンで、彼にとても強い印象を受けた。

「彼は力でも行けるし、コントロールでも行ける」ジョーンズは言った。「それに、とても闘争心が強い選手だ」

ヤンキースとドジャースが、1月24日までにメジャーリーグのチームと契約するであろう田中の本命だと広く見られている。他にも多くのチームが田中に興味を示しており、20百万ドルのポスティング・フィーに加え、彼の契約は少なくとも6年100百万ドル規模になると見られている。そしてジョーンズは、その25歳が、どこであっても活躍できると自信を持っているようだ。

「彼の記録が、それを物語っている」ジョーンズは、2013年の田中が24勝0敗だったことに言及した。「彼の日本での実績は、十分なものだと思う。最近の2年間の日本で、彼は一番の投手だった。彼は米国で、プロ野球で得たものを見せる時だ」

もう1年プレーするために楽天に戻るジョーンズは、メジャーリーグのだれとも、田中の比較をしなかった。そして彼は田中と、2つのリーグの違いについて話したことがあったと言った。

「こっちの野球のことについて、彼がいくつか質問してきた」水曜日に開催されたデレク・ジーター主催のチャリティーイベントに参加したジョーンズは言った。「彼は、すばらしい才能を持っている。どこでプレーしようと、野球は野球だ。メジャーリーグのレベルは高いけど、これまでに成功している選手であれば、早く適応でるはずだ」

そして田中の決め球であるスプリッターが、その助けになるだろう。

「彼は、とても良いスプリット・フィンガーを持っている」ジョーンズは言った。「そして彼は、シーズンの終わりにかけてチャンジアップの練習を始めていた。それに守備も本当に上手だ。彼はこれらのすべてを持っているからこそ、このチャンスをつかんだんだ。もし実力を発揮できれば、彼には良いチャンスになる。1年目はどうか分からないけど、適応できるかは、彼次第だね」

参考記事:Andruw Jones: Tanaka doesn’t compare to Darvish By Dan Martin NY POST.com

先日のESPNは、日本から来るこれまでで最高の投手の1人である田中将大の争奪戦で最後まで残るのは、ドジャースとニューヨーク・ヤンキースになると、複数のライバル球団の幹部が予想していると報じた。日本からの報道でも、同じことが言われている。

「ヤンキースは、本当に彼を必要としているし、2014年のA-Rodの年俸が浮いたことで、田中の契約によりプレッシャーを感じているかもしれない」「ドジャースはとんでもない金額を提示する。他のチームが提示した金額など気にせずに、彼らが望むように行動すると、複数のライバル球団の関係者から見られている」

ドジャースファンにとっては、ある意味、それは大した驚きではない。1年半前、チームの新しいオーナーたちは、250百万ドル以上の年俸を背負うことになるトレードをして、そして他に200百万ドル以上で2人のフリーエージェント投手と契約したことを、彼らは見ているからだ。

そして違う見方をしてみると、それは魅力的な話でもある。ヤンキースは田中を必要としている。とてもである。そしてドジャースは、彼が欲しいだけだ。もしドジャースが最終的に、昨年24勝0敗、防御率1.27のその右腕を獲得すれば、それはヤンキースが、もはやヤンキースではないことを、私たちに見せてしまうことになるのだ。その時は、ドジャースがヤンキースなのだ。彼らの球場は、周りに地下鉄の線路の代わりに、パームツリーを植えることになるだろう。

それが意味することは、誰でも分かると思う。ヤンキースは気まぐれで、高額を出すチームだった。2000年の彼らは、タンパベイ・レイズからウェーバーになっていたホセ・カンセコ(給与が1百万ドル残っていた)を獲得した。しかしジョー・トーリは彼を望んではおらず、それは単に、他のチームから彼を遠ざけて置きたかったからだった。

ヤンキースは明らかに、田中を獲得することを前提に、シーズンオフのチーム作りをしてきた。彼は一番手の投手としてシーズンを迎えることはないだろうが、彼らの望みは、彼にエースになってもらうことだ。彼は、昨シーズンのアメリカン・リーグで防御率が悪い方の上位だったCC.サバシアの後ろで投げ始めるだろう。そしてヤンキースのローテーションで2番手の選手は、開幕戦では39歳になっている黒田博樹だ。

あるナショナル・リーグのGMはESPNに対して、現在のヤンキースは90勝できるチームではなく、80勝のチームだと言った。。その大きな理由は、投手陣にある。そのGMはまた、ヤンキースの必死さが、田中の契約に結びつくと思うと言った。

そしてドジャースは? 結局のところ、特に先発投手に関しては、彼らも望んでいる。しかしもし田中が前評判通りであっても、彼はドジャースのエースではない。彼らにはすでに、3年連続で防御率がメジャーでトップのクレイトン・カーショーがいる。それを超えるのは、簡単なことではない。

彼はドジャースの2番手投手であるザック・グレインキーと争う実力があるかもしれない。グレインキーは、サイ・ヤング賞投手となった2009年以来のキャリアベストである防御率2.63だった。そしてもし田中が、メジャーリーグに適応する時間が必要なら、3番手も難しいかもしれない。昨年の防御率が3.00だったヒュンジン・リュウは、韓国から伝わったところでは、体を鍛えて2年目の壁を乗り越えるために、スプリング・トレーニングに早めに到着する。

もしドジャースが田中を獲得したら、ジョシュ・ベケットとチャド・ブリングスリーと言った選手が、面白くないと思うかも知れない。ケガからの復活を目指すローテションが確約されていない彼らに、影響するかもしれないからだ。それは球団内で頭角を現し始めているザック・リー、ロス・ストリプリング、そしてクリス・リードら投手のプロスペクトが、トレード候補になるという可能性ももたらすだろう。もちろんそれらは選手個人の問題であって、ドジャースの問題ではない。もし今のドジャースが、ナショナル・リーグでも一番のローテーションでないのなら、田中がそれを実現してくれるだろう。

ヤンキースが必死になっている状況で、「欲しい」が「必要」に勝てると考えるのは難しい。しかしもしドジャースが争奪戦に勝利すれば、球界でブロンクス・ボンバーズがかわいそうだと感じるチームを見つけるのは難しいだろう。 

参考記事:Would Dodgers steal Tanaka from the desperate Yankees? By Mark Saxon | ESPNLosAngeles.com

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