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アーン・テレムは、スポーツ界でもっとも優秀な代理人の一人であると言われている。彼は、元読売ジャイアンツのスターであるヒデキ・マツイの10年間のメジャーリーグキャリアで代理人を務めた。彼はここに、石川県生まれのマツイに対する特別な思いをつづった。

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2002年の秋、サンフランシスコの弁護士から私に電話が入った。彼は私に、日本の優れた野球選手であるヒデキ・マツイの代理人になる気はないかと私に尋ねた。

私はマツイがフリーエージェントになることを知っていた。そしてその読売ジャイアンツの強打者が、米国行きを望んでいると聞いたことがあった。もちろん私はその弁護士に、マツイほどの選手ならすでに米国での代理人を雇っているのではないかと尋ねた。

その弁護士は「いや、いないんだ」と言った。彼は私に、マツイにアドバイスをしている日本の弁護士と連絡をとるように勧めた。

アスリートの代理人というのは、所属が未定の選手のために常日頃から走り回っているが、上手くいかないことも多くある。しかしこの件は、私の興味をそそるものだった。そして私は、その日本の弁護士にEメールを送った。

彼は翌日に返事をくれた。それからの数週間、私たちは古来から伝わる真理を持ってやり取りをした。それは礼儀、尊敬、謙虚といったマツイが大切にしているものだった。もし私を雇えば、マツイの考えを尊重し、そして家族同様に接すると私は約束した。

11月の終わりに、マツイが代理人として私を選んでくれたことを、日本のメディアを通して知った。

この仕事を始めてから32年間で初めて、そしてこれまでのところ唯一、私はそれまでに会ったことがないアスリートによって雇われた。

その直後のサンクスギビングデーに、私は彼と初めて話し合うために日本へ飛んだ。関西国際空港の税関を出ると、私は取材陣に囲まれた。そして大阪の印象を聞かれた。

それまでに訪れたことがなかった土地に到着したばかりだった私は、手荷物受取所が印象的だったと答える以外になかった。

初めて対面した日に、私とマツイはとても美味しい食事を共にした。二人とも、寿司が大好きだった。そして彼の目標と未来について話し合った。

彼にはメジャーリーグで生きることについて、分からないことがたくさんあったが、ヤンキースに行きたいという、この点だけは確かだった。一方のヤンキースもまた、彼を欲しがっていた。

7年もの間、マツイはピンストライプで奮闘した。初めての本拠地開幕戦では、グランドスラムを放った。

日本でのキャリアを終えたときに1,250試合連続出場をしていた彼は、ヤンキースの最初の3年間でも試合を休まなかった。

2006年、そのチームで519試合目となったレッドソックス戦のさなか、スライディングキャッチを試みた彼は左手首を骨折した。彼はチームメイト、そしてその後ジョー・トーリ監督に、けがをしたことに対する謝罪の手紙を書いた。

2度オールスターに選ばれたマツイがヤンキースで最も輝いたのは、2009年のワールドシリーズだ。指名打者が使えないナショナル・リーグの球場であるシチズンバンク・パークで行われた1試合で先発出場を外れたにもかかわらず、ゴジラはフィリーズを相手に3本塁打、シリーズタイ記録の8打点をマークした。

フォール・クラッシックにおいて、そのような限られたチャンスの中で、それ以上活躍した打者はかつていなかった。打率.615は、そのシリーズで10打席以上立った選手の中で歴代3位。長打率1.385は、ルー・ゲーリッグについで歴代2位。そして彼は、シリーズMVPに選ばれた。

マツイは昨年の12月に野球を引退した。10年間のメジャーリーグを含む20年間にわたるプロ野球人生で、彼は信念を曲げなかった。2,643安打、507本塁打、打率.293、通算成績は殿堂入りに相応しいものだ。

彼のキャリアにおける野球に対する姿勢は賞賛に値する。彼は大阪で初めて会ったときに話し合った真の価値観を貫き通した。それはポール・オニールとかつての偉大なヤンキース選手トミー・ヘンリッチを合わせたような素晴らしいプロ意識だった。彼は個人のことよりもチームを優先し、チームメイトとファンに対する責任を果たした。彼は外野で必死にフライを追いかけるだけでなく、記者からぶつけられる厳しい質問にも落ち着いて対処した。

アスリートが私たちからの尊敬をあざ笑う昨今だが、マツイの模範的な態度は揺らぐことがなかった。日本国民としての誇りと共に、彼はすべてのアメリカスポーツ界のなかでも、もっとも優れた人間の典型である。

彼は隠れて慈善行為を行なっていた。公にすることなく、多額のお金を寄付していた。2005年に津波がインドネシアを襲ったとき、マツイはユニセフに500,000ドルを寄付した。

2011年に彼の母国が津波に襲われたときも、彼は惜しみなく援助した。

マツイは、神から与えられた類まれな能力を他の人のために使うという、めったにいないスーパースターだった。

なぜこのアスリートが、私がこれまでに代理人を務めてきた他の500人以上のアスリートと違うのだろう?

一つ例を挙げれば、以前にヤンキースと彼の最初の3年契約をまとめたとき、彼は私に基本報酬以上を受け取ってくれないかとたずねた。そしてもしすべてがうまく行けば、次回の契約の時に内容を見直しましょうと言った。

数年後にふたたびフリーエージェントが迫ってきた彼は、仕事の打ち合わせをするためにニューヨークで会えませんかと尋ねてきた。私が驚いたことは、マツイは代理人としての私の努力に感謝を述べるだけでなく、最初に取り決めていたものを超える報酬を払ってくれた。

そんなことをしてもらったのは、私のキャリアで初めてだった。そしてそんなことは、二度と起こらないだろう。

参考記事:Tellem’s take: Matsui a special person BY ARN TELLEM SPECIAL TO THE JAPAN TIMES

今回のワールド・ベースボール・クラッシックに出場する16か国すべての暫定ロスターが木曜日、明らかになった。そこには3回目の国際大会に参加すると表明した大物メジャーリーガーがたくさんいる。

注目なのは、ベネズエラチームでプレーするタイガースの三塁手でアメリカン・リーグMVP、そして三冠王のミゲル・カブレラ。ドミニカ共和国チームでプレーするドジャースの内野手ハンリー・ラミレス、ヤンキースの二塁手ロビンソン・カノ、ブルージェイスのショート選手ホセ・レイエス。そしてメキシコチームでプレーするドジャースの一塁手エイドリアン・ゴンザレス。プエルトリコチームでプレーするカージナルスの二人の外野手、カルロス・ベルトランとヤディエル・モリーナらだ。

今日早くに発表された米国チームは、ブルージェイズのナショナル・リーグ・サイ・ヤング賞投手R.A.ディキー、2011年ナショナル・リーグMVP、ブルワーズのライアン・ブラウン、メッツの三塁手デービッド・ライト、ヤンキースの一塁手マーク・テシェイラとツインズのキャッチャー、ジョー・マウアーが含まれるオールスターだ。 

「これは重要なんだ」コミッショナーのバド・セリグは、その大会について言った。 「これまでで一番大きなワールド・ベースボール・クラッシックになる。この競技が、国際的にもっとも成長していると感じている。ワールド・ベースボール・クラッシックは、我々がそれを進めるための集いの場だ。チームは驚くほど協力的だ。私はうれしい。みんなは素晴らしいクラッシックを見ることになる。みんなには、楽しみにしておいてほしい」

3月2日に日本の福岡で、過去2大会のチャンピオンである日本チームが、ブラジルチームと対戦することで大会は幕を開ける。そして最終戦は3月19日にサンフランシスコで予定されている。

ジョー・トーリが指揮を執る米国チームは、カナダチーム、メキシコチーム、イタリアチームと共にアリゾナで試合を行うグループで、3月8日にフェニックスのチェース・フィールドで行われるメキシコ戦で幕を開ける。他の第1ラウンドの試合は、日本の福岡、台湾の台中、プエルトリコのサンファンで行われる。

「他の国の立場から見れば、この大会の意義は計り知れない」2009年の米国チームでデービー・ジョンソン監督のもとでコーチとなり、今回はブラジルチームの監督を務める殿堂入りショート選手のバリー・ラーキンは言った。「そこには、ものすごい数の注目と熱狂が集まるんだ。米国以外でプレーしている選手にそのチャンスが与えられることが、よりエキサイティングになる理由だと思う」

16か国の最終的なロスターの最大448人の枠を最終的に埋めるために、各国のチームは合計で600人以上の選手と話をする。そしてこれは、メジャーリーグの25人枠に入っている選手が、参加できる唯一の国際大会だ。そして今回は、4年前に第1ラウンドを突破できなかった8チームにさらに8チームを加えて、初めて予選を行った。

スペインと台湾、そしてカナダが9月と11月に行われた予選を突破した。スペインとブラジルは、クラッシック初参加だ。

日本は2006年と'09年に優勝し、右腕のダイスケ・マツザカが両大会でMVPに輝いた。今年のクラシックで日本は、メジャーリーガーなしで戦う。'09年の決勝戦で日本に敗れた韓国もまた、メジャーリーガーがいないが、両チームは準備万端で、基本的に問題ないとしている。

ドジャースタジアムで行われた2009年の決勝戦は印象的だった。9回裏に若手投手ユウ・ダルビッシュが登板したとき、日本と韓国は3対3の同点だった。10回表に韓国がイチロー・スズキと対戦したときはツーアウト・ランナー2,3塁で、一塁は空いていた。イチローは8球目を打ち返し、2点タイムリーとした。メジャーリーグで2年目を迎えるダルビッシュと現在ヤンキースのイチローは、今年プレーすることを辞退した。

2006年に大会が始まったときに野球の新興国だった台湾は、最近ロイヤルズでキャリアを復活させたベテラン先発左腕のブルース・チェンがいる。そのチームはジョン・マクレーンが監督、投手コーチにブルース・ハースト、打撃コーチにアート・ハウがつく予定だ。

2006年にサンディエゴのペトコ・パークで行われた決勝戦で日本に敗れたキューバは、’09年ではサンディエゴで行われた第2ラウウドには進めなかった。キューバチームは、キューバーでプレーしている選手のいつものチームで参加する予定だが、ひと目でわかる選手の名前はない。投手のアロルディス・チャップマンと外野手のヨエニス・セスペデスは両者とも'09年のキューバチームで活躍したが、それ以降に亡命して、それぞれメジャーリーグのレッズとアスレチックスでプレーしている。

カナダチームは、2012年にメジャーリーグでプレーした12人の選手が含まれている。ツインズの一塁手ジャスティン・モーノー、パイレーツのキャッチャー、ラッセル・マーチン、ブルワーズのクローザー、ジョン・アクスフォード、ホワイトソックスのリリーバー、ジェシー・クレイン、マリナーズの外野手マイケル・ソーンダース、そしてブルージェイズの三塁手ブレット・ローリーだ。

1977年にトロント・ブルージェイズが誕生したときのオリジナル・メンバー、アーニー・ウィットがふたたびカナダチームの監督を務めて、モーノーは3大会連続出場となる。ウィットはこれまでも、ワールド・ベースボール・クラッシックとオリンピックでカナダチームの監督を務めている。 

「そこに行って国歌が流れる。そして引かれたばかりの白線を見る。そしてカナダ人だけのラインアップ。自分を誇りに思う瞬間だ」モーノーは言った。「いろんな思いが心をよぎる。この思いっていうのは、国を代表してプレーするときには、いつも起こるものなんだ」

米国は’06年は第2ラウンドで、’09年は準決勝で日本に敗れた。2009年のチームから戻ってきたのは、ライト、ブラウン、フィリーズのショート選手ジミー・ロリンズ、レッドソックスの外野手シェーン・ビクトリノの4人だけだ。

今回の目標は、もし全てに勝つことができなくても、少なくともAT&Tパークで行われる決勝戦だ。

「この大会の最終日に他の国のチームがプレーしているのを見ることに、みんながうんざりしているのは疑いようがない」元メジャーリーグのショート選手で米国チームのベンチコーチ、ラリー・ボワは言った。「現役だったら、間違いなくプレーしたよ。ノックをしに行くんじゃないんだ。勝ちに行くんだ」

米国チームが予定している先発メンバーは、テシェイラ、レッズの二塁手ブランドン・フィリップス、ロリンズ、ライト、マウアー、ブラウン、オリオールズのセンター選手アダム・ジョーンズ、マーリンズのライト選手ジャンカルロ・スタントンだ。ディッキー、ジャイアンツの右腕ライアン・ボーグルソン、ブレーブスの左腕クリス・メドレン、レンジャーズの左腕デレク・ホランドが先発ローテションの中心となり、10人いるベルペンはブレーブスのクローザー、クレイグ・キンブレルが中心となる。

米国チームは5人目の先発投手のために、28人の枠の一つが残っている。暫定ロスターの発表は水曜日が期限で、最終の28人は2月20日までに確定しなければならない。

ドミニカ共和国は、現役のメジャーリーガーと一人のフリーエージェントでロスターを確定させている。ドミニカチームで現在メジャーリーグチームと契約していないのは、キャッチャーのミゲル・オリボだけだ。エンゼルスのショート選手エリック・アイバー、ブルージェイズの外野手メルキー・カブレラ、テキサスの外野手ネルソン・クルーズ、パドレスの先発投手エディンソン・ボルケス、そしてレイズのクローザー、フェルナンド・ロドニーがロスターに名を連ねている。

選手起用が難しいトーナメントになるだろうとトーリは言った。

「日本は2回チャンピオンだし、ドミニカチームは強敵になるだろう」彼は言った。「ロビー・カノがセカンド、彼がいるのは怖いね。(ドミニカチームは)良いチームになるだろう。ベネズエラも強くなるだろうし、もちろんアジアの国々も、良いチームだろう。大会を楽しみにしている。エキサイティングな時間になるだろうね」

参考記事:Many of world's best set to play for their countries By Barry M. Bloom / MLB.com

約20年にわたってデレク・ジーターは、アメリカ野球界の顔である。彼はスポーツ界で最高のチームの重要なポジションでプレーしている。彼は5つのワールドシリーズ・リングを持ち、ポストシーズンの打率は.308を誇る。野球選手、宣伝広告、デート相手をタブロイド紙に書かれること、これらのことで、彼は現役のリーダーである。

そしてワールド・ベースボール・クラッシックで国のためにプレーしてほしいと言われたとき、彼は2度もそれに応えた。ジーターは2006年と2009年の大会で、合わせて打率.347を記録したが、誰も驚かなかった。彼は実績に裏打ちされた人生の勝者である。

しかしジーターは、約6週間後に迫った今年のWBCに出場しない。昨年のアメリカンリーグ優勝決定シリーズで負った足首の骨折からの回復途中だからだ。そうでなければ、友人であり師匠でもあるジョー・トーリが指揮をとる米国チームで、プレーをしようとしただろう。

おそらく今回が、WBCでジーターがプレーする最後のチャンスだった。今から4年後の国際大会のことは言うまでもなく、今年38歳の彼は、ショート選手としての能力に多くの懐疑的な目が向けられている。

そしてメジャーリーグの非公式な共同事業体である米国球界、広告業界、そして(もちろん)メディアらはすぐにでも、この国民的娯楽の新しいアバターを見つけるだろう。候補者には不足していない。バスター・ポージー、マイク・トラウト、ブライス・ハーパー、ジャスティン・バーランダー、クレイトン・カーショー、そしてデビッド・プライスが、私の頭に浮かんだ最初の名前だ。この3月にWBCが行われるなんて、なんてタイミングが良いのだろう。だってこれらのスターが、国中のファンに強烈な印象を残すことができるのだから。そして・・・、

ちょっと待って!

なんだって?

彼らはプレーしない?

あら。

情報提供者によれば、私が名前を挙げた6人のうち、ポージー、トラウト、ハーパー、そしてプライスは、米国チームに参加しないことが決定していて、バーラーンダーとカーショーも、不参加になりそうだ。 

そう、米国チームが木曜日の朝に正式発表されるとき、アダム・ジョーンズやジャンカルロ・スタントンといった若くてカリスマ性のあるスターが含まれるだろう。しかし彼らの仲間の多くが参加しないことは、一言で言えば、期待はずれである。

不参加の選手の人格や愛国心に疑問があるわけではない。何人かは、キャンプに残れというチームからのプレッシャーを感じたのだろう(余談だが、そういったことの強制は、WBCに関するMLBの取り決めでは禁止されている)。他には、それは誤解だが、けがのリスクを懸念したのだろう。MLBの調査によれば、'06年と'09年に参加した選手よりも、参加していない選手のほうが、その年の4月に故障者リスト入りした割合は高かった。

サッカーのワールドカップと肩を並べる大会になれる、むしろしなくてはならない大会にとって大物選手の不参加は、根本的な欠陥である。そしてその問題の根本は、アメリカ人選手、球団幹部、ファン、そしてもちろん記者の姿勢にある。

これを正確に理解するには、現在まで7勝7敗、決勝戦まで進んだことがないというWBC米国チームの成績を受け入れることから始まる。(日本はキューバと韓国を下し、2回チャンピオンになっている。)したがってそれは、我々は残る他の国のチームを圧倒したが、決勝ラウンドで1回か2回の不運に見舞われたということではない。

我々はこの競技において一番であると、ふたたび主張しようとしなければならない。これまでのWBCの成績が、正にそのことが必要であると示している。その代わりに何人かのアメリカ人選手は、WBCにおける国や競技に対する責務よりも、自らの都合を優先しているようにみえる。彼らは契約最終年にプレーすることを望まない。彼らはチームを変わったり大きな契約を得たとき、それかポストシーズンに進んだときは、プレーすることを望まい。タイミングが本当に良くでもない限り、これからも彼らはそうするだろう。 

他の参加国は逆が当たり前だ。選手はオファーを受けると、けがでもしていない限り、すぐにYesと返事をする。2012年のワールドシリーズ最終戦の10月28日、デトロイトのグラウンドにいたミゲル・カブレラとパブロ・サンドバルは、ベネズエラチームに参加を表明した最初の選手だ。彼らには、エースのフェリックス・ヘルナンデスが加わるだろう。彼はフリーエージェントまでの期間が、カーショーやバーランダーとほとんど変わらず、ここ4年間は平均で1シーズン240イニング近くを投げている。

なぜアメリカ人選手は他の国の選手よりも、けがのリスクが上昇するという神話を信じるのだろう? WBCには、確かにリスクがある。しかしその大会がオープン戦よりも危険であるということを示すだけの十分な証拠は誰も持っていない。野手は特に、シーズン前の調整中の投手や1Aからコールアップされた19歳の選手がメジャーリーグのオープン戦で投げるのと対戦するよりも、WBCのほうが安全だという意見もある。そしてもしWBCのプレー中に大けがを負っても、選手が所属するメジャーリーグ球団は、故障者リストに入っている間の給与の100%を選手が受け取れる保険に入っている。

その正当性は、"いつもどおりのスプリングトレーニング”にあると、トラウトの代理人クレイグ・ランディスはロサンゼルス・タイムズに説明した。それは2つの点で疑わしい説明だ。2012年のトラウトは、健康問題で"いつもどおりのスプリングトレーニング"ができなかったあと、我々の生涯でも見たことがないような最高のシーズンを送った。さらにワールド・ベースボール・クラッシックが開催される3月上旬から中旬のメジャーリーグのクラブハウスにいれば、スプリングトレーニングが長すぎて、そこから早く抜け出したいという選手たちのグチを聞くことができるだろう。

にもかかわらずトラウトとその仲間は傍観者であり、我々が必要とする場合に備えて、苦しい言い訳を準備している。それは「誰もその大会のことなんか気にしていない。だって一番優秀な選手が参加していないんだから」というものだ。よろしい、ここに根本的な解決方法がある。他の国と同じように、私たちの一番の選手を送ることで、そのイベントに合理的な権威を与えることはどうだろうか? そしてその結果を認めるというのは? バスケットボールは、2004年のオリンピックで金メダルを逃したあと、レブロン・ジェームスやコービー・ブライアントのようなスーパースターから、同じような言葉を引き出した。結果は16勝0敗、2つの金メダルだ。

同じようなことは、野球でも起こる可能性がある。もしかしたらジーター(やレブロン)が、新しいキャプテン・アメリカとして浮上し、より多くのアメリカ人の参加を要求するかもしれない。しかしそれは、2013年には起こりそうにない。なのでファンはおそらく自我を満足させるために、完全な感情移入ができないWBCを見て、そして参加していないヒーローに助けを求めるだろう。そのイベントで負けた場合に我々は、その7勝7敗という成績を認めるよりも、その大会のタイミングについての不満を言うのだ。しかし世界は、我々に追いつこうとしている。

米国は30チームのうちの29チームをベースにして、70%以上を現役メジャーリーガーにすることで、球界の中心に残ることができる。それはこれまでにないくらいに金銭的に豊かで、素晴らしい、多様化した競技だ。これらは明らかに良い進化である。それでも我々の国の歴史は、その競技の歴史と密接に関係している。そのため米国は、WBCがスポーツ界で最高の国際大会に育つための責任を負っている。

その義務があるのは、はっきりしている。そしてときどき勝つこともまた、うれしいものである。

参考記事:WBC's Team USA lacking biggest stars Jon Paul Morosi FOXSports.com National MLB Writer

私たちは、このシーズンオフの行き詰まりを目の当たりにしている。何人かの注目選手が、望むような長期契約を結べずに、2013年の所属球団を未だ探している。

火曜日にラファエル・ソリアーノが、3年目のベスティング・オプションを含む2年契約でナショナルズと合意したことで、その行き詰まりが解消される兆候が見えた。ほかの選手の状況を見てみよう。

マイク・ナポリ:その捕手兼一塁手は、今から6週間以上前の12月3日に、レッドソックスと3年39百万ドルの契約に合意した。その後ボストンは、ナポリの股関節の状態に懸念が生じて、契約内容、それはおそらく契約期間の短縮を試みていると伝えられている。

レッドソックスの用心深さには正当性がある。もう31歳になるナポリは、長年キャッチャーを努めてきた。劣化の懸念は現実的で、もし股関節に問題があるのなら尚更である。

ナポリは複数年契約を望んでいるが、プレーに影響する可能性がある身体的な問題があるとすべてのチームが知った今、彼の影響力は限定的だ。ボストンとの契約に合意する前に彼はマリナーズと話しをしていたが、一塁手兼指名打者のケンドリー・モラレスを加えた今、彼らの関心は小さくなっているだろう。そしてレンジャーズは、A.J.ピアジンスキーを獲得して前に進んだ。

ナポリはフェンウェイ・パークに完全にフィットする。レッドソックスはナショナルズのマイク・モースをトレードで獲得に動くかも知れないが、その時はもちろん才能ある若手を差し出すことになる。なのでナポリとレッドソックスの組み合わせは、両方にとって今でももっとも現実的である。ナポリの最良の選択肢は、出場試合数や故障者リストに入った日数が年俸に関係すると明確に記された契約を結ぶことだろう。さもなければ彼は、打撃と股関節が健全であると証明するための1年契約を結ばざるを得なくなるかもしれない。

これは完全に手詰まりになっている。

マイケル・ボーン:ボーンは、彼を取り巻くセンター選手のマーケットの中でどつぼにはまっている。B.J.アップトンは11月、鉄が熱いうちにブレーブスと5年75.25百万ドルの契約を結んだ。ボーンは、ワシントンがトレードでデナード・スパンを、フィラデルフィアがベン・リベアを共にツインズから獲得するまで、それよりも少し大きい契約を探しているようだった。この両チームは、ボーンが契約する可能性があったチームだ。

この状況でボーンができることは、1年契約で手を打って、そして次のシーズンオフにふたたび複数年契約に挑むことだ。そのシナリオなら、特にボーンが彼らのドラフト指名権を犠牲にしないことを考えれば、ブレーブスは興味を示すだろう。

しかし攻撃陣を強化したいことが明らかなマリナーズとセンター選手が未確定なレンジャーズ、これらのチームのどちらかが、複数年契約を申し込むことでボーンの救出を図ることがあるかもしれない。心配は、アップトンが受け取った金額に近いものを探しまわるかもしれないということだ。

アップトンと言えば・・・

ジャスティン・アップトン:その昼メロのような物語は、終わらない。ダイヤモンドバックスは、2年以上にわたってアップトンをトレードするというアイデアをもてあそんできた。しかし先週までは、ふさわしい相手を見つけることができなかった。

彼らはマリナーズにそれを見つけ、そしてアップトンは拒否した。シアトルは美しい街だ。そしてマリナーズがプレーする球場を理由にアップトンは、彼らをトレード拒否リストに入れていたが、マリナーズは球場のフェンスを内側に動かして、少しだけ打者に有利なものになった。おそらく彼は、激戦のアメリカンリーグ西地区で、彼らがまだ本当に優勝争いができると見ていないのだろう。おそらく彼は、旅行をした時にがっかりしたのだろう。おそらく彼は、西海岸の美しさに魅力を感じなかったのだろう。それかおそらく彼は、より良い話がくると考えているのだろう。

レンジャーズに関する噂がたくさんある。彼らには確かに、アップトンにとって魅力的な状況にある球団である。ヤンキースがアップトンを加えて、補強を終わらせるという考えもあるが、もっとも興味深い可能性はブレーブスだろう。彼らにはそうするための理由ができた。少なくともこれから3年間、アップトン兄弟とジェイソン・ヘイワードが外野に並ぶと考えれば、それはあらゆるレベルへのアピールとなる。

マリナーズとの取引は、アップトンの金額を聞かれたときのダイヤモンドバックスがとてつもなく法外であることを証明した。その取引が成立しなかったことで、アリゾナには打つ手がなくなったという意見に私は必ずしも同意しない。確かにアップトンとの信頼関係はなく、それは続いている。しかし彼はまだ手頃な契約の25歳のパワーヒッターで、提示価格はそれを反映したものになるだろう。

リック・ポーセロ:噂が出ているなかで興味深いもう1人、ポーセロはいつでも動く可能性がある人物だ。

タイガースのドン・ドンブロウスキーGMは、メジャーリーグの先発投手が6人もいる状況でキャンプに入ることに、興味を示していない。そして彼はショートの強化を本気で考えている。ジョニー・ペラルタの限られた守備範囲は、ゴロを打たせる能力が高いデトロイト投手陣と合っていない(ペラルタは、攻撃力が必要なチームには魅力的なトレード相手となるだろう)。それかドンブロウスキーは、ポーセロを9回のベテラン投手として使うかもしれない。

狙いがどうであれドンブロウスキーは、適正な取引であれば、ためらうことはない。そして全体的にポーセロを考えれば、あと3年間チームがコントロールできるシンカーボーラーとして、明らかに価値がある。彼に適切な守備陣をつければ、防御率はそれにしたがって良くなるだろう。パドレス、オリオールズ、パイレーツ、エンジェルス、そしてカブスは、この冬のいずれかの時点でポーセロに興味を示していた。私はまだピッツバーグとサンディエゴが、先発投手を加える大きな理由があると思う。

カイル・ローシュ:カイル、我慢だ。君の日はやってくる。

チームが悲惨なことになるという単純な事実によって、それはやってくるだろう。スプリングトレーニングが始まってからチームは、彼らが考えていたほどの十分な先発投手がいないと頻繁に気がつく。選手が悪い状態でやってくる。選手はコントロールや球速を取り戻すことに苦労する。選手が怪我をする。 キャンプが始まった時と開幕戦の間には、多くの落とし穴が発生する。そしてローシュのような投球イニングが稼げるベテラン投手は、魅力的な穴埋めになる。

そしてローシュは、そのことが分かっている。彼は2008年の3月にカージナルスと1年契約を結ぶまで、チームが決まらなかった。そのシーズンが終わって、彼は契約を4年延長した。

今回のローシュは望みとして、その“延長”を最初から狙っているが、そうなっていない。その大きな理由は、みんなも知っての通り、彼と契約するとドラフト指名権を失うからだ。それはこの先も変わらないが、どこかのチームがスプリングキャンプで悲惨なことになれば、その問題は小さくなっていくだろう。

参考記事:There are solutions for unsigned talent By Anthony Castrovince

バド・セリグ・コミッショナーは木曜日、すでにプロスポーツ界でもっとも厳しいものとなっているメジャーリーグの薬物検査プログラムに対する重要な変更を発表した。それは年4回行われるオーナー会議の最終日に、球団最高幹部に説明した後だった。

「私がオーナーたちに話したのは・・・、私たちは彼らにこのことを、“球界にとって記念すべき日である”と伝えた。私はそう信じている。10年、12年、15年前に今日のことを考えれば、これは驚くべきことだ。誰も想像すらできなかった」セリグは言った。

「ステロイドや薬物に関して起こったすべてのことを考えれば、十分だとは言い切れない。もう一度、この1,2日で多くの議論をした。そのときの状況と今日我々が達した結論を思えば、これは驚くべきことだ。今日は球界にとって記念すべき素晴らしい日だ。我々はこの分野の先導者として、すべきことはなんでもする。これはよいことだ。他になんと言えばよいのか分からない。よいことだ。本当によいことだ」

今回の変更で選手たちは、シーズン中に事前の告知もなくランダムに、ヒト成長ホルモン(HGH)の血液検査をうけることになる。そしてすべての選手が受けるテストステロンのベースライン検査は、合成テストステロン使用の検知を容易にする。

今シーズンより適用されるこのより厳格な手順は、MLB選手会と共同で発表され、実施される。そして2016年まで適用される労使協定も修正される。

「球界にとって記念すべき日だ」セリグは言った。「我々はこの分野の先導者として、すべきことをする。全員がそのことに対する決意を固めて、それを実行しなくてはならない」

世界アンチ・ドーピング機関公認のモントリオール試験所は、あらゆる選手のテストステロン/エピテストステロン(T/E)比を把握するために、長期的な個人データープログラムを確立する権限が与えられた。このデーターは、試験所で厳重に管理される。炭素同位体比質量分析法(IRMS)を用いた検査は、禁止物質使用の検知能力を向上させる。これはスポーツ界における、もっとも意義深いプログラムの一つになるだろう。

「薬物検査プログラムを継続的に向上させて、そして国際的なすべてのスポーツの標準となるようなプログラムを作る努力を惜しまないというコミッショナーと選手組合の約束が実行されたのは、とても意義深いことだ」MLB労使関係担当上級副社長のロブ・マンフレートは言った。

「私は今回のことについて、選手組合を心から賞賛したい。リーダーには常に勇気が必要で、今回のことからも分かるように、彼らはプロスポーツ界の組合において常にリーダーであると思う。最新の労使協定のなかで私たちが取り決めたのは、いくつかの血液検査をおこなうことを我々に許可したということで、とても先進的で創造的なものだと思う。シーズンが始まる前に、血液検査に対する選手の不安を取り除くこと、そのことが一番重要だ」

「何度でも繰り返すけど、コミッショナーのセリグと選手組合のリーダーシップ、そして特に(常任理事の)マイク・ウェイナーは、不屈の精神を持ったこの分野のリーダーとしてこの問題に取り組んだことに、多くの賞賛をうける資格があると思う」

ウェイナーは声明で「薬物使用に関する取り決めが前進し続けるために、選手たちはできることのすべてを行うという決意をした。選手たちは公正で、最新の科学的な方法による正確で厳しいプログラムを望んでいる。私は今回の変更が、選手たちの法的権利を守りながら、彼らの要求を強力にサポートすると信じている」と言った。

同じ声明のなかでモントリオール試験所のクリスチアーネ・エイヨット取締役は、今回の協定について「球界が作ったものは、合成ヒト成長ホルモンとテストステロンの使用発見と抑止にとても効果的である」と述べた。

マンフレートは、検査の機会が増えるのは重要なメッセージであると言った。「グラウンドでクリーンな試合を行うために、私たちはよいプログラムを持つだけでなく、絶えずそのプログラムを向上させているとファンに理解してもらうことが、本当に重要なことだと思う」

現在の労使協定で、シーズンオフとスプリングトレーニングの最中に選手のHGH検査を認めているのは大きな進展で、それによって球界はパフォーマンス向上物質の使用を撲滅する試みの先頭を走っている

「HGHは1年中のいつの時点でも使われる可能性があるので、選手に対して年間を通して行われる尿検査のように血液検査が行われるのが、抑止効果の面からみてとても重要だと我々は思っている」マンフレートは説明した。

合成テストステロンが表面化したのは、比較的最近のことだ。

「パフォーマンス向上物質について一番むずかしいのは、それがまだ進化していることだ」マンフレートは言った。「4年前に合成テストステロンは大きな問題かと聞かれていたら、今年の夏ごろの答えとは、違う答えをしていただろう。しかしテストステロン検査に関する二つの取り決め、それは最高の科学技術であるIRMS検査でより積極的に行うことと長期的な検査を組合が受け入れたことは、我々のプログラムを本当に強固なものにするだろう」

「我々には(昨年)、何人ものテストステロン陽性者がいたので、今回の変更はとても重要だと考えている。こういったタイプの個々のデーターは、他で行っているテストステロン検査のプログラムも、より強固なものにするんだ」

参考記事:In-season HGH testing to begin this year By Paul Hagen / MLB.com

今シーズンのダグアウトとブルペン間の通話は、T-モバイルがメジャーリーグのオフィシャル・ワイヤレス・パートナーとなったことに伴い、携帯電話を用いたものに変わるだろう。

「みんなが、この契約を望んでいた」MLBのビジネス部門上級副社長であるティム・ブロスナンは言った。「ここに来るまでに、時間が少しかかったけどね」

T-モバイルは新たに、ファンが使う球場内の通信とは干渉しない、暗号化されたオンフィールド・コミュニケーション・システムを構築する。そのコミュニケーション・システムは、もし端末がベンチやクラブハウスで使われなければ操作できない、ジェオフェンシングと呼ばれるシステムを使う。

「この取引の核心は、技術でなくてはならなかった」 T-モバイルのマイク・ベルチャー副社長は言った。「私たちは、伝統ある競技に参入した。そして私たちはグラウンドの内外で、野球の発展のために技術を用いなければならない」

その通話システムは、T-モバイルの4Gネットワークと、一般ユーザーが使う標準のサムソン・ギャラクシー3を用いる。しかしダグアウトの固定電話は、チームがそれを使うことを望めば、残ることになる。

T-モバイルのオフィシャルは、ダグアウトでの地位を確立するのは、数年間に渡るパートナーとの共同作業になり、そして球場のファンには、より良い体験を提供することになるだろうと言った。その会社は、リーグのデジタル部門を担うメジャーリーグ・ベースボール・アドバンスド・メディアと協力して、スタジアム内により良いワイヤレス空間を提供すると約束する。

「私たちは、最もデジタル化されたデータを提供するスポーツを応援するファンの助けになりたい」ベルチャーは言った。「私たちは、体験を深めたいんだ。それが決定的な場面を見ることでも、食事をオーダーすることでも、観客席でお土産を買うことあってもね」

MLBとの契約は済んでいるが、チームは競合キャリアを選択する道も残されている。その契約はリーグが、iPhoneとiPadのスポーツアプリで、4年連続で最も成長しているMLB At-Batアプリをファンに提供することと、ワイヤレスの排他的な独占権をT-モバイルを与えていない。

固定電話と置き換えるというアイデアが出てきてからの数年間に、それを遮るような出来事がいくつかあったが、少なくとも最近あった明確な混乱は、変えるときが来たと一般の人たちが考えるようなものだった。

それは2011年のワールドシリーズ第5戦、セントルイス・カージナルスのブルペンコーチ、デレク・リリクイストは、トニー・ラルーサ監督が言ったことを聞き違えた。リリクエストは違う投手をウォームアップさせ、クローザーのジェーソン・モットの代わりに、リリーバーのランス・リンを送り出したのだ。

ダグアウトとブルペン間の連絡に電話が使われはじめたのは、野球の歴史を研究しているピーター・モリスによれば、すくなくとも1930年以降のことだ。ダグアウトにおける固定電話からワイヤレス化への動きは、公衆電話離れの動きと同じようなものだ。統計記録によれば、1999年にこの国にあった公衆電話は約210万台だったが、今日では約425,000台である。

MLBとT-モバイルのパートナーシップは、火曜日に始まった コンシューマー・エレクトロニクス・ショーで、アメリカンリーグMVPのミゲル・カブレラ、ナショナルリーグ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーのブライス・ハーパー、ヤンキースの元監督でMLB社長のジョー・トーリ、そしてかつてのホワイトソックス・スラッガーのフランク・トーマスによって発表された。

T-モバイルとMLBの契約は、彼らのNBAへの出資の終わりを意味し、それにはリーグのアナウンサー、チャールズ・バークレーとマイアミ・ヒートのガード、ドゥエイン・ウェイドとのパートナーシップも含まれる。

その会社は、米国で4番目に大きいワイヤレスキャリアである。 

参考記事:MLB dugouts to have cellphones By Darren Rovell | ESPN

2005年シーズン最終戦のメッツは、7回にプレーを中断した。シェイ・スタジアムでの彼の最後となるホームゲームで、偉業を讃えるビデオが繰り返し流される中、観衆は15分間に渡ってメジャーリーグ史上最高の打撃を持つキャッチャーとの別れを惜しんだ。

「7回に15分も試合を止めるなんて、よっぽどのやつじゃないとね」チームメイトだったマイク・キャメロンは、その時に言った。「そしてマイケル・ピアザは、よっぽどのやつだよ。彼は素晴らしかったから」

引退するまでにあと2年プレーしたピアザが、初めて殿堂入り投票の対象になるのは2013年だ。バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、クレイグ・ビジオ、カート・シリング、そしてサミー・ソーサと共に彼は今、歴史上もっとも注目されるクーパーズタウンへの投票の対象者の一人だ。

候補者は野球の殿堂入りをするために、全米野球記者協会のメンバーから75%以上の投票を得なければならない。ショート選手だったラリー・バーキン(86.4%)は2012年の投票で、クーパーズタウン行きのチケットを得た。昨年の投票で選ばれなかった先発投手のジャック・モリス(66.7%)と一塁手のジェフ・バグウェル(56%)は、戻ってくる候補者のなかで、昨年最も投票を得た選手だ。

最終的にピアザが選ばれるのは、何れにしても、必然に見える。彼はキャリアを打率.308、427本塁打、1,335打点で終えた。それはグラウンド上の最も難しいポジションで、キャリアの多くをプレーした選手というだけではなく、他の守備的なポジションの選手の中でも、全てが傑出した成績だ。ピアザは史上32位の.545の長打率を残し、出塁率は38%だった。

彼はまた、出場した試合の85%でキャッチャーを務め、そのポジションでメジャーリーグ史上最高の396本塁打を記録した。

16年間のキャリアでピアザは、ドジャースでの6年半を含む5チームに所属し、最も長かったのはニューヨークだった。なのでピアザが引退して数年たち、彼がメッツの帽子を被って殿堂入りをしたいと発言したことに対する驚きは、おそらく少なかっただろう。

1998年のブロックバスター・トレードでニューヨークに来たのは、ドジャースが彼をマーリンズにトレードしたわずか1週間後だった。ピアザはすぐに、新しいチームの戦力となった。彼は2000年10月にロジャー・クレメンスを打ち崩し、メッツがワールドシリーズに進出する原動力となった。そしてキャッチャーとして歴代1位の本塁打数となったのもその年だった。

おそらくピアザのキャリアで一番印象的なのは2001年、ワールド・トレード・センターにテロリストの攻撃を受けた9月11日の後、初めてニューヨークで行われた試合だろう。ブレーブスに8回1点差で負けていたメッツのピアザは、ツーランホームランを放った。監督だったボビー・バレンタインはその時「あの一打で、みんなが下を向くのを止めて、応援し始めたんだ」と言った。

しかしピアザの殿堂入りの資格は、クイーンズでの時間に限ったことではない。1988年のドラフトで62巡目でドジャースに指名されたのは、監督のトミー・ラソーダが家族の友人というだけが理由だったピアザは、4年後にメジャーへ昇格し、1993年のナショナルリーグ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出された。

彼はロサンゼルスで過ごした5年間のうち4年で32本以上の本塁打を放ち、球場に合わせて総合的な攻撃力を測るOPS+で2回リーグトップになった。そして彼はキャッチャーとして、そのほとんどを達成した。もしピアザの守備能力に疑問が残ったしても、そこは体力が要求されて、試合でもっとも重要だと言われているポジションだ。

「彼は一振りで、試合を変えることのできる選手だった」メッツでのピアザのチームメイト、トム・グラビンは、2008年にピアザが引退した時に言った。「彼は我々の時代、そしておそらく全ての時代で、最も打撃に優れたキャッチャーだった」

ピアザはまた、疑問がもたれる時代にプレーした。彼はこれまでに、筋肉増強剤のテストで陽性になったことはないが、2009年にジェフ・パールマンの本で、彼がステロイドを使っていたと匿名で告発された。

それがピアザの殿堂入りにどの程度影響するのかは、見守らなければならない。

明らかなことの全てでは、彼の殿堂入りは確実である。彼はプレーしたポジションが理由なだけでなく、打撃が優勢な時代で傑出した成績を残した。

ピアザがこれまでで、最も打撃に優れたキャッチャーであるかは、常に議論の対象になるかもしれない。しかし来年、彼が殿堂入りするすのにふさわしいかの議論は、もうないかもしれない。

参考記事:Slugging Piazza hopes Hall voters catch on By Anthony DiComo / MLB.com

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