彼らの先発ローテーションは、ケガに悩まされている。しかしジョー・ジラルディは、それでも彼らのベスト・アームである田中将大に余計に先発させるつもりはないと言った。

そのヤンキースの監督には、それをするチャンスが金曜日にあった。木曜日が休日だったことでジラルディは、ローテーションでビダル・ヌノをスキップさせて、田中をマウンドに送り込むという選択肢を持っていた。金曜日のナイトゲームに先発したヌノは、ヤンキースタジアムでの8先発で勝利したことがなかった。一方でヤンキースは、田中の先発で12勝3敗である。

にも関わらず田中の先発は土曜日まで待つことになった。その時の彼は、レッドソックスと今シーズン2度目の対戦を行なう。

今シーズン既に、マイケル・ピネダ、イバン・ノバ、CC・サバシアらの重要な投手を失っている中で、ヤンキースは田中に頼っているが、彼らは他の新人にするのと同様に、彼を慎重に扱っていくとジラルディは説明した。

今シーズンオフにヤンキースに加わる前に田中は、日本プロ野球で7シーズン投げてきたが、彼はシーズンで226イニング以上を投げたことがない。そして今シーズンのヤンキースは、彼がそのイニングを超えるペースで投げさせている。そしてまた、日本の先発投手は週に1度の先発で、田中は、メジャーリーグの5日毎の先発に、また適応している途中である。

「もし今日、田中を使っていたら、彼は30日間で6先発することになる」ジラルディは言った。「そんなことをしている先発投手がいるかい? 私たちは、20連戦までしかないんだから。どんな先発投手だって、そんなことをする必要はない。肉体的に厳しすぎる。だから、多めの休みを与えるチャンスがあれば、そうする。彼はこの先4回先発して、3回はいつも通りの休みだ。他の投手と同じようにね」

ジラルディによれば、監督の仕事の一部は、投手陣をケアして、彼らが早過ぎるタイミングへ疲弊しないようにすることである。

「私は、注意深くしなければならない。シーズンは長い。そしてもし今日か明日、(田中を)先発させたら、それでも彼は、オールスター休暇前に同じだけの先発をすることになる。この話をするのは、最後だ。これは、5人の投手の話なんだ。1人のことではなくてね」

スピードガンが、シーズンの疲れが田中に溜まり始めているのを見せているのかもしれない。

先週日曜日のボルチモア戦の田中のフォーシーム・ファストボールは、いつもほど速くなかった。その平均球速は91マイルを下回り、それは今シーズン初めてのことだった。その球速は、田中の前回の先発だった6月17日のトロント・ブルージェイス戦よりも3マイル近くも低かった。

田中のファストボールにいつもの威力が欠けていたもう1つの証拠がある。彼はフォーシームとツーシーム・ファストボールをオリオールズ戦で35球投げたが、空振り三振は1つしか奪えなかった。田中は、珍しく7回で3点を失い、今シーズン2敗目を喫した。

4月から6月にかけて田中のファストボールの平均球速は、ある成績分析サイトによれば、1マイル以上落ちている。

ジラルディは、「いつかの時点で多少の疲れが出てくる」のは、先発投手にはふつうの事だと言った。ヤンキースの先発投手にとって、それは特に当てはまるだろう。そのチームは、オールスターの前日である7月14日まで休みがない。そしてジラルディによれば、投手陣の疲れを補うために、マイナーから選手を補充する予定もない。

そしてヤンキースは、田中に1日の多くの休みを与えたことで、彼のファストボールが戻ってくることを祈っている。

参考:nj.com