昨年9月以来、初めてセーフコ・フィールドのショートに駆け出した木曜日のブレンダン・ライアンは、いろいろなことを思い出していた。

彼の心に最初に過ったのは、9月10日にニューヨーク・ヤンキースに金銭トレードされる前のシアトル・マリナーズの3シーズンのその場所で、彼が見せた数々の最高の守備ではなかった。
 
ニューヨーク・ヤンキースの3連戦でこの街に来たライアンは、代わりに2012年にフェリックス・ヘルナンデスが達成した完全試合のことを思っていた。それは、シアトルのたくさんの選手、そして職員と、笑顔でハグを交わす前のことだった。

ライアンの初めてのセーフコへの凱旋は、感傷的ではなく、楽しいものだった。

「この球場の美しさは、忘れないよ」ライアンは言った。「球場へ運転してくるまでに、たくさんのことを思い出したよ。ここには、たくさんの友情があって、僕は彼らのことをフォローしつづけているし、彼らのことを応援している。それは対戦するとき以外だけどね」

「ここでは、素晴らしい時を過ごしたから。フレンドリーな人がたくさんいた。素晴らしい3年間だった」

ハローを言うために駆け寄った人の中に、ライアンがトレードされる理由となったブラッド・ミラーがいた。

マリナーズは、広大な守備範囲を持つライアンの打撃が戻るのを待ちきれなかった。2012年のライアンは、アメリカンリーグトップのWARだったが、打率はわずか.194だった。

打撃の向上が期待できたミラーだが、彼の守備は、ライアンと同じレベルでないことは、みんなが分かっていた。

昨シーズンにトレードされる数日前、ライアンは本紙に、覚悟していると話した。それでもライアンは、ミラーのサポートを続けた。

「その状況は、どうしようもなかったんだ」木曜日にライアンは語った。「僕は、バカじゃないから。なにが起こるのか分かる。僕は、それを続けるべきだったし、アドバイスをしないことが、僕のためになる? 彼は素晴らしいユーモアのセンスを持っていたから、一緒にいて楽しかったよ」

「彼は本当に、本当に素晴らしい人なんだ。それが、誰かへの恩返しだったのか、僕には分からないけど、昇格した時に助けてもらったんだから、もし僕が何か嫌な気持ちや悔しい気持ちをもったら、それはおかしいよ。彼のことは、応援し続けるし、彼の調子が上向いてきたのは嬉しい。彼は良くなるよ。彼は、長すぎるほど苦労しているけど、自信と前向きな気持ちさえ忘れなければ、それは変わるよ」

今シーズンのミラーは、苦戦している。水曜日までの彼の打率.172は、アメリカンリーグで規定打席に達している中で最低だ。彼の9つのエラーは、リーグで3番目に、ショート選手としては2番目に多い。

ミラーは、ライアンと多くの時間を過ごした、彼は、ほとんど毎日、試合前の練習をライアンと一緒に行った。

「彼はいつも、本当に助けてくれた」ミラーは続けた。「彼は、他の人と同じように、実際にはそれ以上に、僕を指導してくれた。優秀な選手が良い先生になれるとは限らないけど、彼は違う。僕は彼のおかげで、本当に良くなったと思う」

彼をトレードした張本人が、もはやシアトルにいなことに、ライアンは驚いている。

ライアンは、シアトルの前監督であるエリック・ウエッジに、感謝以外の何もない。彼は、2013年が終わった時に、複数年契約のオファーをもらえなかったことから、マリナーズに戻らない選択をした。

「彼は、思い通りにしたんだと思うんだ」ライアンは言った。「彼は、難しい選択をした。彼は、素晴らしいリーダーだったと思うよ。僕には、公正に接してくれた。彼にはそれから数回、テキストメッセージを送って、僕にくれたチャンスへの感謝と、この先の幸運を祈っていると伝えた。彼のことは好きだよ。彼のためなら、何でもした。彼は、僕には素晴らしい人だった」

「彼とジャック(・ズレンシックGM)の間に何があったのかは、僕には関係ない。彼は、他のどこかで別のチャンスを得ると思うし、放送の仕事をしていることに、彼はとても喜んでいると思う」

シーズンオフにライアンは、2年契約を結んでブロンクスに残った。その間も彼は、シアトルでの良い思い出を忘れないだろう。

参考:THE NEWS TRIBUNE