スプリング・トレーニングにおけるポジション争いのほとんどが、結局は何にもならないとうことを証明する必要があるのなら、メッツのブルペンのケースを考慮するべきである。

ジェンリー・メヒアと松坂大輔は、そのチームの先発ローテーション枠の5番目を争うことに、6週間を費やした。メッツの決断は、オープン戦の最終戦まで長引き、彼らは、その争いを更に数日間延ばすために、松坂に100,000ドルを支払うことまでした。
 
しかし多くの議論と驚きがあった後、全体的に手遅れ寸前になるまで、そう時間はかからなかった。シーズンの4分の1も過ぎないうちに、メヒアと松坂の2人は、チームで最も重要なリリーフ投手という、馴染みのない場所にいる。

その2人の投手は、ブルペンで終わるつもりはないが、その新しい役目は、彼らのキャリアを継続させることになった。

「2人ともにそこにいることは、確かに驚きのことだった」テリー・コリンズ監督は語った。

今週行われた別々のインタビューで、メヒアと松坂は、彼ら自身をリリーバーだとは見ておらず、最終的には先発投手に戻りたいと繰り返した。

日本を去った後、メジャーリーグの最初の7シーズンで松坂は、ブルペンから登板したのはわずかに1回だけだった。その経験のなさから分かるように、33歳で右腕の彼は、ウォームアップの方法に苦労し続けている。登板に対して午後一杯を使うことが当然だった松坂は、他のリリーバーよりもブルペンでの投球を必要とする。時に彼は、登板することになる2〜3イニングも前に投球を始める。

しかしマウンドに上がった彼は、スイッチが入る。14試合に登板している松坂は、火曜日のロサンゼルス・ドジャース戦の8回を無失点に抑えたのも含めて、防御率2.14である。それは、先発投手としてのキャリア防御率が4.50の投手の成績だ。

そのような、良い結果が出ているにも関わらず松坂は、ブルペンから登板するのが、まだ不自然であると強調する。「外から見ていると、やりやすくなっているように見えるかもしれないけど、僕はまだ、毎日が苦労の連続です」彼は語った。

もし松坂が、優秀なリリーバーの立場を確立することができれば、それが野球人生を引き伸ばす可能性がある。しかしメッツに辿り着く前の彼のキャリアは、ほぼ終わっていたも同然だった。2011年から2013年の彼は、26試合に登板して、防御率6.14という有り様だった。それはどうしてもブルペンに投手が必要だったメッツが、彼に与えたもう1つのチャンスだった。

現在の松坂は、重要な立場にいる。コリンズは、彼をほとんどどんな状況でも使い、先月は1度、クローザーとしても彼を起用した。松坂は、2000年の西武ライオンズで、3回の投げた時以来の初セーブを記録した。

松坂は、そのチャンスを喜んでいるが、その仕事に添い遂げることは望んでいない。彼は、リリーバーとして成功のシーズンを過ごすことが、来年の先発投手として、他のチームが彼を見るようになることを望んでいる。そのことだけが、唯一のモチベーションである。

「ブルペンに投手が必要な状況で、現在の状況でチームが僕を必要としているのがそこであることは理解しています。その役目を受け入れて、チームを助けることができればと思います」

一方のメヒアは、単にリリーバーの役目を受け入れる以上のことをしなくてはならない。彼は、それを受け入れなくてはならない。

メヒアは、最終的にチームの先発5番手を勝ち取った。しかしいろいろな面から見て、彼はリリーバーの適性を持っている。今シーズンの7先発で彼は、1巡目の打者に対してOPS.504とほとんど打たれていなかった。しかし3度目の対戦となると、その数字は1.095となり、それはそれぞれの打者と1度だけ対戦するのがベストであることを意味する。

最初から、コリンズによれば、メヒアは「ブルペンの方が合っている」と言う声が球団内にはあった。7回の登板後、メッツは彼の道を変える決断をした。

そしてそれは、現在のところ上手く行っている。メヒアは5回のリリーフ登板で得点を許しておらず、木曜日には2セーブ目を挙げた。松坂によれば、メヒアは「その役目にとてもフィットしている」

しかし松坂と同様に、メヒアのブルペンへの移行には、複雑なことがある。メヒアが先発を望んでいる理由の一部には、これまでのケガのことがある。2度の手術を受けた彼は、肘がブルペンに耐えられないのではという不安を持っている。

木曜日の彼は、重大なテストをパスした。メヒアは、今シーズン初めて連投し、三者凡退に抑えた。もしメッツが、この先のクローザーを彼だとするのなら、彼はそれを安定してできるところを見せる必要があるだろう。結果としてコリンズは、メヒアを「現時点では未知数」だと表現した。

その意見は、両方の投手に当てはまる。松坂にとってこの実験は、彼のキャリアをよみがえらせる可能性がある。メヒアにとってこれは、創りだすものだ。

「この状況は、想像していなかった」メヒアは言った。「メジャーリーグでは、何が起こるか決して分からないんだ」

参考:THE WALL STREET JOURNAL