ヤンキースの先発投手、田中将大は、今シーズンのメジャーリーグでプレーするために、たくさんの疑問と共にアメリカにやって来た。そして私たちは、これまでのところ「この男は、他とは違う凄いやつだ」という1つで、基本的にそのすべてに答えることができる。

8度の先発を果たした田中は、58イニングを投げて6勝0敗、防御率2.17、WHIP0.91、66奪三振、与えた四球は、わずかに7つである。彼の投球をみたことがあれば、それはすなわちテーブルから落ちるスプリッターだが、その成績でさえも彼の実力を正当に扱っていないかもしれないことを知っている。マウンド上の彼は、本当に素晴らしい。

現実として現時点の田中は、球界でベストな投手の1人である。それは過大な表現ではなく、彼は本当にそうである。

そして次の疑問は、彼がベストの1人のような投球を続けることができるのかである。

その大きな試練は、彼がどのようにアジャストし続けるのかだ。まず初めに、投球数の変化は、彼に影響するのだろうか? 日本プロ野球で彼は、私たちの感覚からすれば、日常的にとても多くの球を投げてきた。しかし日本では通常、週に1度しか登板しない。MLBで彼は、5日毎に登板しなければならない(そしてヤンキースはおそらく、彼らのローテーションの状態を考えれば、そのペースで彼を投げさせ続けたいだろう)。このことについて彼は、これまでにとても良い適応ぶりを見せているが、いずれにしてもまだ8先発なので、疲れが出ることはないだろう。

もう1つの戦わなくてはならないことは、彼にアジャストしてきたチームに、彼がどのようにアジャストするのかである。

MLBチームは、ほとんどの人がわからないようなことをスカウトする。彼らは、選手個人を観察し、想像できるかぎりの細かな1つひとつのディテールを記録し、そしてまた、ビデオのチェックに数時間を費やす。もし彼らが、たくさんのNPBのビデオを見ていたとしても、彼がMLBの打者に対してどのように攻めるのかは、誰にも分からない。そして打席に立って、彼の球を実際に見てみるまで、打者はその投手の感覚を得る方法はない。初対戦の打者が、その投手に対して有利になるために投手を観察すると一般的に広く言われているのは、それが理由である。

その点で言えば、今シーズンの田中は、どのチームとも1度以上の対戦をしておらず、彼と4回以上対戦した打者はいない。つまり投手としての田中の能力と洗練度を考慮すれば、これまでの彼がとても素晴らしいことに驚きはないのだ。2度目や3度目のチームと対戦するようになり、彼と対戦する打者が10打席を超えるようになってくれば、彼らは、彼の球に対してより感覚をつかめるようになり、おそらくより成功するようになるだろう。

例として、田中とダルビッシュ有の、MLB最初の8先発の成績を比較してみよう。

FIRST EIGHT MLB STARTS
NAMEW-LERAWHIPK/BBIP
Masahiro Tanaka6-02.170.9166/758
Yu Darvish6-12.601.3358/2652
明らかに違うのは、四球率であるが、そのことはとりあえず横に置いておきたい。私は田中とダルビッシュのNPBからMLBへの移行以外のことについて、比較するつもりはない。彼らの球種は違う。彼らのアプローチは違う。彼らの体の作りも違う。そこには、2人の特別な投手がいるだけである。

彼ら2人の共通点は、NPBからMLBに移行してきて、好調なスタートを切ったことである。そしてダルビッシュが、彼にアジャストして、馴染んだチームと対戦した時にどうなったのか。彼のその後の13先発である。

82イニング、5勝7敗、防御率5.82、WHIP1.54、96奪三振、与四球48である。

ダルビッシュが、とても才能豊かで、野球は絶えずアジャストする競技であることから、彼は、最後の8先発を5勝1敗、防御率2.35で、新人シーズンを終えた。それ以降の彼は、球界で最も圧倒的な投手の1人である。新人シーズンの真ん中の13先発は、打者が彼の球に慣れてアジャストした期間だと考えることができ、彼はアジャストされたことに、アジャストしなければならなかった。

これは、田中にとっても起こる可能性が高いことである。

しかし私は、ダルビッシュと比較した時の、田中の申し分のないコントロールと投球術は、その様な極端な落ち込みの期間は、短くなると予想する。今シーズンの田中が苦戦する期間は、私はそれはあると予想するが、12試合前後の期間で、防御率は3点台後半になるのではないだろうか。

そしてそれを乗り越えた時の彼には、注目である。彼は、すべてが前評判通り、あるいはそれ以上だからである。

現在のヤンキースは、彼に1日おきにでも、投げてほしいことだろう・・・。 

参考:CBSSports.com