ヤンキースの投手陣が、すでに十分悪い状態だったとしても、黒田博樹はそれを、さらに悪化させてしまった。

変化球にキレを欠いた黒田は、ヤンキースタジアムで行われたマリナーズ戦で4対2で再び敗戦した。彼は6回を投げて被安打6、4失点、与えた四球は1つだった。

ヤンキースの投手陣は、すでにフラフラの状態だった。

ヤンキースファンが、ビッグシーズンを期待していた27歳のイバン・ノバは、トミー・ジョン手術でシーズンを終えた。そしてマウンド上で松ヤニを使用したことで10試合の出場停止処分を受けていたマイケル・ピネダは、背中の筋肉のハリで、おそらく1か月は休むかもしれない。チームで最も光っていた25歳のピネダは、5回の先発で防御率1.82を記録していた。

加えて、不調のCC・サバシアがいる。先発の役目を果たそうとしている彼は、好投を台無しにしてしまうビッグイニングを、避ける事ができていない。

これらのすべては、黒田のためにお膳立てされたものだった。彼の不調は、単にシーズンが始まったばかりだからであり、記憶に新しい2013年前半戦のオールスター級の働きを取り戻すことができるのを見せるため、そして4回で6失点をした試合を含む最近の不安定な登板は、過去の話であると証明するチャンスだったのだ。

代わりに黒田は、再び乱調だった。彼のスプリッターは、元ヤンキースのロビンソン・カノ以外は、ほとんど恐れるに足りないマリナーズ・ラインアップのほぼ全員に通用しなかった。

自分の登板について聞かれた黒田は、率直だった。

「(スプリッターや)変化球がよくなかったので、それが苦しい状況を作ってしまった」彼は通訳のジウォン・バンを通して語った。

黒田は正しかった。彼の2球のスプリッターは、失点につながった。最初は4回表、ブラッド・ミラーが、スプリッターからタイムリーヒットを放った。その回の遅くに黒田は、マイケル・ソーンダースにスプリッターをエンタイトルツーベースにされて、もう1点を失った。

問題は? 黒田によれば、それは考えすぎである。

「良い時は、どんどんストライクで勝負していけるんですけど、そうじゃないときは、コースを狙いすぎることで悪いカウントになって、それが悪循環になってしまう」

しかしジョー・ジラルディ監督は、彼の賞賛が控えめであっても、その先発投手のことを擁護した。

「今晩の彼は、そんなにひどい投球じゃなかったと思うよ」4月7日以来、クオリティ・スタートを記録していない黒田について、ジラルディは語った。その時以降の彼は、27.2イニングで17失点を記録している。

ノバとピネダのローテーションの位置に、先発としては未知数のリリーバーであるビダル・ヌノとデビッド・フェルプスが入る。それは黒田がいなければ、ヤンキースに確かな先発投手は、155百万ドルのルーキー田中将大1人しかいないことを意味する。田中は3勝0敗、防御率2.27で35.2回で46奪三振と、目を見張るものを見せている。

参考:nj.com