田中将大をゆっくりと慣れさせる。そして彼を先発3番手として扱うというコンセプトは、もう通用しない。それは4月さえも、乗り切ることができなかった。

30日間で田中は、一抹の不安が残る投手から、この時期のローテーションで唯一の確実な存在に変貌した。
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ヤンキースの5人の先発投手は、全員が3番手以上の実力の持ち主であるという理屈は、5月1日までさえ持ちこたえることができなかった。

トミー・ジョン手術が必要となったイバン・ノバは、シーズンの残りを全休する見込みで、首に松ヤニを塗ったマイケル・ピネダは、カムバック賞候補から、あっという間に国民的な笑いものになった。彼は、成熟度と健康がはっきりしないことから、ヤンキースの悩みの種に戻ってしまった。

CC・サバシアは、ビッグイニングを乗り切ることができず、黒田博樹は、相手を騙せなくなった。最近のベテランでも優秀だった2人が今、3巡目のラインアップをコントロールするのが大変な投手になってしまったのは、おそらく年齢とこれまでの仕事量のせいだろう。

そのことを軽視しているヤンキースが、それを認めようが、認めまいが、確固たるエースの役目は田中の下に移った。田中の防御率は、2.27であるのに対して、他のローテーションは(ピネダの1.83を入れても)、4.98である。ヤンキースの先発投手は、今年の6イニング以降に29個のアウトを奪っているが、そのうちの17個は田中によるものである。田中は、先発で平均で7イニングを投げているが、他のローテーションは、わずかに5回2/3である。

そして、雰囲気の問題もある。エースと先発3番手の違いは、何だろうか? 投手がマウンドに上がった時、彼が試合をコントロールするだろうという雰囲気? 彼がチームに、平均以上に勝利のチャンスを与えてくれると思うこと? 田中には、すでにその2つにイエスという返事を与えられるだけでなく、現在のヤンキース・ローテーションにいる他の誰にも、それに肯定的な反応をするのは難しい。

確かに、先はまだ長い。それに2度目や3度目の対戦になった時の他のチームの、田中のスプリッターに対する反応も見なければならない。4日間の休みで継続的に投げていけるのかを、見る必要がある。それは彼が日本で経験したことがなく、シーズン中の田中の能力を奪っていくだろう。

しかし現在のヤンキースが、ローテーションを引っ張る存在としての彼を必要としていることは明白である。現在の彼は、ヤンキースが負けることができない先発投手である。今年のエイプリルフールまではミステリーだった田中は、今のヤンキースで確実な投手であり、そしてそれはローテーションの中で、1人だけと言っても良い状態である。

彼らは、昨シーズンの後半戦のノバの好調によって描いたフルシーズンでの平均以上の働きを、期待できない状態である。

最も楽観的なシナリオでもピネダは、背中側の脇腹の筋肉のハリで5月のほとんどを欠場する。そして彼が戻ってきた時にヤンキースは、彼をどう取り扱うのだろう? 松ヤニ事件では、ヤンキースがまだ、ピネダを人として信用出来ないことを露呈した。そして背中の筋肉のケガは、ピネダを2シーズンもメジャーから遠ざけた右肩の手術にとても近い場所であり、危険である。そんな状態でヤンキースは、6月1日からピネダの精神的なものと肉体的なものを信用できるだろうか? 前向きなことと言えば、もしそれを選ぶのであれば、今シーズンのピネダはイニング制限をする必要があっただろうから、出場停止とケガによって、それが先延ばしになったことくらいである。

もしサバシアに期待をするのなら、それは平均で90マイルに届かないファストボールでありながら、彼はそれでも9イニング当たりで10個の三振を奪っており、四球が2つ以下のことである。牙が抜けたフォーシーム・ファストボールを最小限にして、ツーシームとチャンジアップを有効に使うことで、彼はまだ、ゴロを打たせることができる。

そしてサバシアの強みは、常にダメージを最小限に抑えることができたことで、最悪の状態であっても持ちこたえながら、終盤まで試合に留まることだった。しかし6回の先発で彼は、すでに3失点のイニングが1度、そして4失点のイニングが3回もある。その左腕はもはや、安定して相手打線を封じ込める武器を持っているようには見えない。試合終盤では、特にである。

黒田も、まったく似たような状況が続いている。彼のスライダーは当てにならず、相手打者のタイミングを外す達人だった彼は、それをするための武器を失ってしまった。彼の球では、無様な空振りを奪うことができない。

本当に心配なことは、それが一時的なものではなく、傾向として出ていることだ。8月17日以降、103人の投手が、60イニング以上を投げている。黒田の防御率6.07は、悪い方から3番目で、サバシアの5.16は悪い方から7位である。それは彼らが衰えて、復調できないことを示している。

そしてヤンキースには、他の良い選択肢がないこともある。彼らはすでに、ローテーションの中に、ビダル・ヌノとデビッド・フェルプスを入れた、それはブルペンの重要な存在になったアダム・ウォーレンを先発にまわすのを避けたかったからだろう。そしてそれは、次の選択肢がおそらくアルフレッド・アセベスになることを意味している。トミー・ジョン手術から復帰したマニー・バヌエロスは、6回の先発をしているが、いずれも6イニング以下で、最後の登板は2Aだった。

これらのすべては、少なくとも現在のこのローテーションは、他の誰でもなく田中将大にかかっていることを意味している。補助的な立場は、もうおしまいなのである。

参考:NYPOST.com