シアトルとニューヨークのシリーズ開幕戦が行われる火曜日、ヤンキースタジアムの打席に初めて足を踏み入れる時のロビンソン・カノがブーイングで迎えられたとしても、それは初めてのことではない。そのマリナーズの新しい二塁手は、対戦チームのファンから両手を広げられるのよりも、握りしめられた拳で迎えられている。
41
カノは、シアトルの開幕シリーズのロサンゼルスとオークランドへの遠征で、熱狂的なヤジを浴びせられた。

昨年の12月にマリナーズと10年240百万ドルの契約を結んだ彼らの元スター選手に対して、ヤンキースファンは、どのような反応をするのだろうか?

「良ければいいね」カノは先週、セーフコ・フィールドのダグアウトで語った。「良い成り行きで、ニューヨークを去ったわけじゃないから。でも僕は試合で、彼らをやっつけるだけ」

とてもシンプルである。

しかしヤンキースの球団幹部は、おそらくもっと複雑な気持ちが起こるだろう。カノは、ニューヨークでの9シーズンで5回のオールスターに選ばれ、2度のアメリカン・リーグ・ゴールドグラブに輝いていた。彼が試合を休むことは稀であり、ヤンキースのワールドシリーズ制覇に貢献し、打撃は.309/.335/.504を記録していた。

しかし昨シーズンオフの彼は、ニューヨークからの7年175百万ドルのオファーを蹴り、その後に彼が語ったところでは、契約交渉の間にヤンキースは、彼への「敬意」を見せなかった。そしてスプリング・トレーニングでは、ヤンキースのケビン・ロング打撃コーチが、普通の一塁ゴロに対して彼が全力で走りこまないという癖を非難していた。

「僕は、誰も非難したくないんだ。そこに行くのを楽しみにしているし、今は敵チームだけど、できればファンに良い反応をしてほしいよね」

カノの代わりのブライアン・ロバーツは、今年の打率は.217だが、最近の10試合では38打数11安打と調子が出始めた。ヤンキースのショート選手デレク・ジーターは、カノと対戦することは「奇妙な感じ」で「少し戸惑う」だろうと語った。彼によれば、それは元チームメイトと対戦する時には、いつも感じることである。そして彼は、カノがなぜ移籍を選んだのかを理解している。

「野球のビジネスは、他のビジネスと似たようなものだから」ジーターは語った。「みんなは時々、その視点を忘れるんだ。どのスポーツでもだけど、キャリアを1つのチームで終えるチャンスがある選手なんて、そうはいない。みんなが選手に、1つのチームにいて欲しいと思っていても、それはそうは起こらないんだ」

火曜日の先発でカノの友人でもあるCC・サバシアは、それは普通の試合と変わらないと語った。

「彼は、彼にとって良い状況に動いたんだ。それは、みんながすることだ」

カノの加入は、4月の段階では、まだチーム全体を変えるには至っていない。マリナーズは、現時点で10勝14敗で、ア・リーグ西地区4位、それは2013年の最終成績と同じである。彼らの得点は、ア・リーグ13位で、打率、出塁率、長打率、そしてOPSがリーグ最低付近である。

カノは、マリナーズの打撃不振に、ほとんど関係ない、彼はシアトルの10試合の遠征で、.301/.353/.387、1本塁打、11打点を記録した。

15勝10敗のヤンキースは、ア・リーグ東地区首位で、最近10試合では6勝で現在2連勝中である。

「違いは、たくさんある」カノはシアトルとニューヨークでプレーすることの違いについて語った。「ニューヨークは、いつも観衆がたくさんいるし、チャンピオンにはたくさんなっているし、常にプレーオフに行って、勝利するチームだから。シアトルは違うチームで、僕たちは争っている。この街を選んだ理由はそれだから、僕はここにくることができて嬉しい」

ニューヨークのジョー・ジラルディ監督は、ビジター側のダグアウトに初めてカノが姿を現した時に、拍手を贈ろうと思っていると語った。

ブーイングがあろうとなかろうと、カノがニューヨークに与えたものは、否定できない。

「ここでの彼は、素晴らしい選手だった」ジラルディは語った。「彼は、勝者だった。彼は本当に、本当に素晴らしいヤンキース選手だったんだ」

参考:MLB.com