メジャーリーグ・ベースボールは、2014年シーズンが開幕してから1か月も経たない金曜日、捕球とその後の送球に関するルール解釈を、グラウンド上とリプレー・コマンドセンターに明確にすることで、素早い修正能力を見せた。
 
すべてのプレーは、MLB.comの本社があるニューヨークで見直すことができ、その役目は審判が交替で務めている。そのリプレー判定員は、高画質、スローモーション、ズーム、複数の角度の映像を含んだ最高の技術が使える環境にいる。そして審判団とリプレー判定員は開幕前、ボールの持ち替えルールを厳しく解釈することについての説明を受けており、それはアウトが記録される前に、ボールが野手のグローブから正確に移されることを要求していた。

しかし金曜日のルール委員会は、もし野手のグローブから送球する方の手にボールを動かす間に落球しても、アウトは成立するという捕球の解釈を発表した。その変更は、その日の夕方の試合から適用された。

「抗議があったんだ」MLB上席副社長のジョー・トーリは説明した。「チームと選手たちは、審判の判定に腹を立てていたんだ。私たちは、チームから話しを聞いて、そして選手からも聞いた。そして私たちは、ルールを変更しないで、解釈を変更することにした」

「アウトが判定されるには、野手が、自身のグローブの中で完全にボールをコントロールしている必要があるが、意図的に開いたグローブから送球する手に移し替えた後の落球は除く」ルール2.00の判定に使われる捕球の解釈について、ルール委員会は述べた。

そしてまた委員会は、捕球と判定されるには、野手はグローブから問題なくボールを取り出すことを要求されないともした。つまり審判の現在の判定は、野手がグローブの中で、ボールを完全にコントロールしているのかで判断されている。

トーリは、この1か月でこれほど頻繁に持ち替えの問題が発生し、時にビデオ判定に長い時間がかかっていることに「とてもショックを受けている」と語った。

「それはルールの解釈の問題だけど、ルールが書かれた時には、リプレーはなかったんだ。ルールは、リプレーのことなんか考えていなかった。私たちがしているのは、リプレーに合わせた解釈変更なんだ。つまりリプレーセンターでは、リプレー審判たちがそれについて少し異なる見方をしていて、それが少しの判定のばらつきにつながったんだ」

そのルール解釈の変更は、選手、監督、そしてチーム関係者から、とても歓迎されている。

「この修正は、素晴らしいことだと思う」と語ったのは、エンゼルスのマイク・ソーシア監督である。彼のチームは4月8日のシアトル戦で、レフト選手のジョシュ・ハミルトンが浅いフライをつかんだ後に、内野に送球する際に落球したことでビデオ判定となり、敗れていた。「スプリング・トレーニングでもあったんだ。だから私は、グラウンドにいる全員が、それに適応する必要があると思っていた。メジャーリーグ・ベースボールは、まだシーズンが始まってから1か月だけど、変更をするだけの十分なフィードバックとビデオ判定があったんだと思う。これは選手にとって、良いことだと思うよ」

エンゼルスの二塁手ハウィー・ケンドリックは、ご満悦だった。「彼らは、正しいことをしたと思う。みんなが声を上げたんだ。彼らがそれを聞いてルールが変更になったのは、とても良いことだと思う」

ホワイトソックスのリック・ハーンGMは同意した。

「大きな視点から見ても、これは重要なことだ。メジャーリーグ・ベースボールは、彼らの言葉で本来の姿に戻したんだから。もしリプレーシステムに問題があるとしても、彼らは傍観したり耳を塞ぐことなく、修正してくれるだろう。彼らが率先してルールの解釈を、おそらくより合理的に戻したことを褒めるべきだと思うよ」

持ち替えルールが関わった判定の覆りは、いくつかあった。その判定は、日曜日のボストン戦で、オリオールズのショート選手ライアン・フラハティに不利に働いたが、バック・ショーウォルター監督は、過去のことについて腹をたてることはないと語った。

「そういった判定で、うちが恩恵を受けたことがなかったのかって、考えを改めることにするよ。私はそれに拘らない。ライアンとうちの内野手は、それがどう判定されるのかを知っていた。それがフェアーか、フェアーじゃないかは関係なくね。それは前もって予測できることではないし、スプリング・トレーニングでも、選手たちに話していたから」

レンジャーズは、4月7日のレッドソックス戦、そして4月14日のマリナーズ戦の2度で不利な判定を受けていた。2試合目で退場処分になっていたロン・ワシントン監督は、新しいルール解釈を見るのを楽しみにしている。

「私たちが、ずっとやってきたことだから。私はメジャーリーグ・ベースボールに、正しくして欲しいって言ったし、彼らはそうした。ビデオ判定で間違いが起こったのは、みんなが判定を正しくしたいと望んだからだ。他のことも、正しくなるだろう」

先週のマーリンズは、厳しい解釈の捕球ルールで2度の恩恵を受けた。タイミングが良すぎるとも言える。

「(この変更が)先週ではなくて、今週だったことを喜んでいる」マイアミのマイク・レッドモンド監督は語った。「これらのプレーに関しては、彼らはやり過ぎだったと思う」

タンパベイのジョー・マドン監督は、球界がリプレーに慣れるまでの過渡期を過ごしていると見ており、彼は最終的に、野球がより良くなると信じている。

「彼らの目線は、正しい方向を見ている。リプレーを導入した本当の目的はそれだし、それは正しい方向に進んでいる。そしてビデオ判定を推進しようとしていたのに、なぜ実際に行われている解釈にしなかったのだろうか? それは一貫性の問題だと思うんだ。私はこのことに、何かしらの矛盾があったとは思わない。私は、彼らがしたことを賞賛する。私たちは進化の真っ只中にいて、あと数年もあれば完成すると思う。私たちは、続けて進化を見ることになるだろうし、その道を進むことになると思う。そしてその間に、少しの忍耐も必要になるだろう。私は、それを良いことだと考えている」

それでも判定に対する抗議は残るだろうと言うのは、カージナルスのマイク・マシーニー監督だ。野球の判定は、常にはっきりさせるのが困難だからである。

「いつだって、曖昧(なルール)はあるものなんだ。今度は、意図的に、故意にグローブを開けるとなっている。これらのことは、審判に大きなプレッシャーになっていたと思う。送球をして、一塁手がそれを取って、審判がそれを捕球したと判定する前に、ダグアウトに向かっていたこともあったと思うんだ。彼らは彼らの仕事をしていたのだし、ルールの解釈は難しかった。今はたぶん曖昧な状況に戻ろうとしているんだけど、それは私たちが、慣れ親しんでいたものだと思う」

マドンは、1998年のシーズン中にボークのルールが変わった時と比較した。しかし'87年の356個から'88年の924個にボークを増大させたその変更は、シーズンが終わるまでは適用されなかった。

「ボークのルールが変わった時と、そう変わらないね。その時は、コントロールするのが大変だったけど。こういうのっていうのは、実際のプレーがどの様に行われているのかであって、書かれているルールと実際のグラウンドでのパフォーマンスが融合したものなんだ。そしてそれは、150年に渡って行われてきた。それは、実際の試合がどの様に行われているのかの一貫性によって、書き換えられるんだと思うし、それは良いことだよ」

参考:MLB.com