いくら悪かったにしても、黒田博樹は、稀にみる悪さだった。

金曜日の彼がである。

いくら悪くても黒田は、少なくとも常に、5イニングは投げていた。

金曜日の彼は、それができなかった。 
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今週イバン・ノバをシーズン絶望となる右肘のケガで失い、マイケル・ピネダが、10試合の出場停止となったヤンキース・ローテーションは、金曜夜には、黒田の稀な絶不調に見舞われた。彼はキャリアハイの8失点(自責点6)で試合はエンゼルスに13対1で敗戦した。

イアン・スチュワートとアルバート・プホルスに本塁打を打たれた黒田は、昨年の5月以来初めて、5回を投げ切ることができなかった。彼がエンゼルスに負けたのは、2011年6月以来で、その間に5回の先発をしていた。

ヤンキースが気になるのが、これは単に調子が悪かったのか、あるいは39歳という年齢によるものなのかである。彼は今シーズンの最初の4試合では、素晴らしくはないが、そこそこの投球を見せていた。

「彼は、解決してくれると思う」ヤンキースのジョー・ジラルディ監督は語った。「(今シーズンのこまれでは)少し浮き沈みがある。今晩の彼は、立ち直ることができなかった」

黒田は年齢のこと、そしてそれによって修正がより難しくなっているのかと質問を受けた。

「39歳は初めての経験なので、(より難しいのかは)分かりません」黒田は、通訳を通して語った。「でも修正しなくてはなりません」

金曜日の夜にまったく思い通りの投球ができなかったことを認めた黒田は、変化球の精度を上げる必要があると語った。そして試合を振り返った時、2回のハンク・コンガーにカウント0−2から投げたシンカーを最も悔やんでいた。

「振り返ると、それが試合のポイントになったと思います。0−2から打たれて、壁まで届くヒットを打たれたんですから」

コンガーの二塁打で先制したエンゼルスは、2回に合計3点を奪った。その回の後半にスチュワートの2ランホームランがでた時に、試合は負ける方向に一気に傾いた。

相手がC.J.ウィルソンだったことも、ヤンキースにチャンスをもたらさなかった。フリーエージェントとしてエンゼルスに移籍して以降の彼は、彼らに対して特に好調で、5回の先発で4勝0敗、防御率1.65を記録している。

「昔の彼に戻ったみたいだね」彼に対して4安打だったヤンキースで、そのうちの2本を打ったブレッド・ガードナーは言った。

黒田が、昔の彼でないことは明らかだった。立ち上がりから悪かった彼が、それを修正できなかったことが、5回2アウトでジラルディが彼を交替させることにつながった。

「彼には、本当のキレの良さがなかった」ジラルディは語った。「彼の球は、少しフラットだった。いつもの彼は(試合が進む中で)、自分の球を取り戻すんだけど、今晩の彼は、それができなかった」

メジャーリーグの試合において黒田が8失点を記録したことは、これまでになかった。しかし金曜日の2失点は、5回にカルロス・ベルトランのフライボールの落球によるもので、自責点とはならなかった。これまでの黒田はエンゼルスを得意としており、金曜日までの彼は6回の先発で自責点は10、そしてヤンキースに移籍して以降の3先発では、自責点5だった。

「彼はいつも、私たちには厳しい相手だった」エンゼルスのマイク・ソーシア監督は語った。「彼は大きく沈む難しいシンカーと、鋭く落ちるスプリットがある。それは、彼がミスをした時に、うちの左打者たちが打てそうに思えるけど、彼はミスをしないんだ。だけど今日は、ほとんどで彼がカウントを悪くしたことで、相手を終わらせることができなかった。うちが彼を、良く見ることができたんだ」

その結果は、ヤンキースにとって悪い夜となった。今シーズンの23試合で、二桁失点を記録したのは、これで4回めとなった。ホワイトソックスとロッキーズも4回の二桁失点を記録しているが、それ以上を記録しているチームはない。

その中でジラルディが多少でも喜んでいるのは、ブルペンを消費しなったったことだった。それは5回途中で降板した黒田の後を継いだブルース・ビリングスが、9回途中まで投げてくれたからだった。木曜日に3Aスクラントン/ウィルクスバリから昇格したビリングスは、今年ヤンキースが使った18人目の投手(先週末のレイズ戦で敗戦処理登板をした内野手のディーン・アンナを含む)である。18投手もまた、メジャー最多である。

ヤンキースにとって、もう1つわずかに良かったことは、マイク・トラウトの4打席すべてを封じたことだった。彼らは彼に、13試合連続でヒットを打たれていた。

全体的に見て、ヤンキースにとっては悪い夜で、黒田にとっては、特に悪い夜だった。

ヤンキースは、これ以上がないことを望んでいる。

参考:MLB.com