シーズンが始まり進んでいる中で、拡大ビデオ判定と共にいくつかの問題があることは間違いない。それは常識的に考えれば、何かを変えるプロセスの一部である。それらの問題の多くは、シーズンが進むに連れて解決していくだろう。私は、そのことには自信を持っている。しかし私が自信を持てない1つのことは、捕球の定義に関するMLBの新たな解釈によって起こっている問題である。

例えばレンジャーズのロン・ワシントン監督は、最初の判定がリプレーで覆されたことに抗議して、退場処分になった。

 

その通りである。これでは、J.P.アレンシビアの捕球は、成立していないのだ。私にはこれは、アレンシビアが自分のグローブでボールをしっかりと保持してコントロールしており、それを落としたのは、素手に握り替えはじめてからに見える。

「あれに黙っていることなんてできない」ワシントンは、記者陣に語った。「私はルールを理解しているし、それに関する彼らの解釈も理解している。ただ私は、それに同意できない」

そのルールに関するMLBの発表は以下である。彼らは先週、捕球後の送球プレーについて、はっきりとさせる必要に迫られた。

「審判とリプレー判定員は、野手がボールをしっかりと保持しているのか、そして捕球動作の途中で落球したのではないのかを、判断しなくてはならない。例としては、もし野手が、送球するほうの手によってボールがしっかりと握られる前の動作においてボールを落とした時には、捕球は認められない」

これがワシントンと私(それに他にもたくさんいると思う)が、納得できない部分である。私に言わせれば、「捕球動作」は、アレンシビアがグローブでボールをつかんだ時に完了している。しかし、このケースにおける審判は、ルール通りの判定をしている。彼らは、何も間違えていない。彼らは、やれと言われたことをしているだけである。

しかし、特に外野では、もっと悪い状況がある。これを見て欲しい。

 

これは、捕球ではないのだ。ダスティン・アクリーは、グローブの中でボールをつかんでいる。そして数フィートをスライディングした彼がボールを落としたのは、送球動作に移った時だ。しかし私たちは、これを捕球したとは言えないのである。これには、対戦相手でさえ混乱していた。

「気に入らないね」オークランドのジョシュ・ドナルドソンは、記者陣に語った。「僕が、自分の手にグローブをはめているのには理由があるんだ。もし誰かが、自分のグローブでボールをキャッチすれば、それはアウトだ」

「僕は、これまでに20年以上も野球をしてきている。ボールがグローブに入れば、それはいつだって、僕にとってはキャッチだ」

そしてここに、これまでで最もひどい例を紹介する。

 

そう、エリオット・ジョンソンのこれは、捕球ではない。これはバカげている。ジョンソンは、フェンスに当たるまでに少なくとも3歩は進んでおり、その間もボールは持っている。そして振り返って、投げる方の手に持ちかえようとした時に、ボールを落としたのだ。

そして再び、これには相手の選手でも同意している。

「彼らは、ルールを見直すことになるのが当然だと思う」と語ったのはパドレスのライト選手ウィル・ベナブルである。「だってボールをキャッチしてから6歩も走って、それから体勢を整えて投げようとした時にボールが手から滑り落ちて、それをキャッチしていないなんて言われたら・・・」

それは問題である。しかし今の判定でされているのは、これなのだ。外野手が、グローブで明らかにボールをつかみ、そして内野に走ってくる途中にグローブから素手にボールを握り替えようとして落球すると、打者はルール上、セーフとなるのだ。そのバカさ加減について考えて欲しいが、現実としていま行われていることは、これなのである。

そしてこの問題を複雑にするのは、外野手が送球体勢に移ろうとする間も、走者は塁の間で、それを見守らなければならないことである。

このルールを裁量に任せるのは、あまり難しいことではない。捕球を試みる選手がそれを認めてもらうためには、グローブでボールをしっかりとつかまなくてはならないとすれば良いだけである。合理的な人間であれば、捕球を見ること、そしてボールがしっかりとつかまれているのかは、見分けることができる。なかには、裁量的な判定に疑問を挟む人がいるだろう。しかし彼らはすでに、ストライクゾーンの判定でそれを行っているのだ。ジョンソンのようなケースが二塁打になるくらいなら、私はその方がだいぶ良いと思う。

MLBには、これを後回しにするのではなく、すぐにやって欲しい。セカンドでのダブルプレーの状況では、動作を完璧にしなくてはならないことは道理に叶っているし、アレンシビアのプレーについても、多少はその必要があった(と思う)。しかし外野については、困惑以外の何物でもない。

メジャーリーグ・ベースボールよ、これを直して欲しい。

参考:CBSSports.com