彼を開幕ロスターに加えるよりも、むしろ100,000ドルを支払う方を選んだ。メッツが火曜日に下したその決断を、松坂大輔は喜んでいなかった。しかし松坂は、2007年にアメリカに来て以来、それはあり得ることだと学んでいた。

先発5番手を決めるのを、お金を支払うことで先延ばしにするという決断は、松坂がセントルイス・カージナルス戦で6回を無失点に抑えた翌日のことだった。

「もうこっちに何年もいますし、予想もしないことが起こったことは、何回も目にしてきましたから」松坂は木曜日、通訳のジェフ・カトラーを通じてESPNNewYork.comに語った。「そういったことの1つだと思っています。この春の間の僕は、何が起こっても良いように準備をしてきましたから、驚くことはありませんでした。それも野球だと思います。 チームの事情も分かっていますから。僕はそれを受け入れて、前に進むだけです」

松坂は、メッツの複雑な事情を受け入れていた。

短く言うとこうなる。出遅れているジョナサン・ニースが、4月6日に故障者リストから復帰できなければ、今年の最初のローテーションには、松坂とジェンリー・メヒアの2人が入ることができる。しかしメヒアを一度、3Aラスベガスに配置してしまうと、ニースの変わりはできなくなる。彼をメジャーに再昇格させるには、マイナーのシーズンの最初の10日間が過ぎるまで待つ必要があるからだ。一方でマイナーリーグ契約の松坂は、もしその様な事態になれば、ニースの代わりにその場所に入ることができるのだ。

つまりもしメヒアを4月4日の先発にして、ニースを4月6日の先発すれば、メッツはその時点でも松坂を加えて、メヒアをマイナーに配置することができる。しかしもし松坂が4月4日に先発して、ニースが4月6日に先発できなければ、メヒアはその試合に登板できないのだ。

そしてその小細工は、少なくともシーズン最初の5試合で、メッツにもう一人の控え選手をベンチに置くことを可能にする。

「そういった流れの説明がありました。理解しましたし、まあ、そうなのかなと思いました。チームの置かれている状況が分かったという感じです」

松坂は、実際に3Aに送られる可能性があると思っているのだろうか? あるいは、これはあくまでもロスター上の処置で、結局のところは、メジャーリーグのチームに加われると思っているのだろうか?

「もちろん開幕戦には、いたいです。だけど今は、次の先発に集中しています。仮のことについてよりも、そのことに集中したいと思っています」

メヒアは金曜日、トロント・ブルージェイズと対戦する。松坂は同じ相手に、その翌日に登板する。直接対決は続いているのだ。

月曜日の登板内容を考えれば、そしてもし彼がジェイズ戦でも同じことを見せることができれば、メッツは松坂をローテーションに入れることを、本当に拒否できるのだろうか?

「僕は、自分自身では開幕戦にいると思っていますし、メジャーリーグで投げて行くことができると思っています。だけど次の登板でできるのは、良い投球をして、僕がチームに必要な存在であることを彼らに分かってもらうことです。今の僕にできるのは、それだけだと思っています。(モントリオールでの)試合が終わったら、数日以内に、彼らがどうするのかの決断をしてくれると思っています」

参考:ESPN