野球シーズンが本格的に始まるまで残り1週間を切る中で、メジャーリーグと選手組合は、パフォーマンス増強薬の使用に対する罰則を再度引き上げる方向で話しを進めている。

過去10年間で両者は、数回にわたって薬物検査の内容をより厳しくすることに合意しており、そしてそれは毎回、新しい労使協定を待つことなく実施されてきた。今回は、薬物検査で陽性になったほとんどの選手にとってより厳しい処分となるように、労使協定を改定しようとしている。

2005年に合意された現在の処分は、1回目の違反なら50試合の出場停止、2回目なら100試合、3回目なら永久追放となる。交渉中であることを理由に、公にコメントすることを望まないある交渉参加者によれば、両者はその処分を、1回目の違反なら80試合の出場停止、2度目なら162試合、つまりレギュラーシーズンと同じ数にすることで、ほぼ合意している。永久追放は、3回目の違反についての処分として残る。

AP通信が最初に報じたところでは、両者は処分の拡大を目指すと同時に、パフォーマンスを増強する目的ではない物質によって、偶然検査で陽性になったと説得力をもって推定できる事例についての処分を軽減することを検討している。

その合意が、2014年の北アメリカでの最初の試合であるロサンゼルス・ドジャース対サンディエゴ・パドレス戦が始まる日曜日までにされるのかは、まだ分からない。

組合には、バイオジェネシスの事件をきっかけに、薬物検査に対するより厳しい処分を望むメンバーの後押しがある。その事件では、元ナショナルリーグMVPのライアン・ブラウンを含む14選手が出場停止処分を受けた。アレックス・ロドリゲスの処分が決定するまでは長引いたが、処分期間に対する彼の訴えはほとんどが成功せず、最終的に多くの仲間が彼から離れていった。

現在、これらのより厳しい処分は、ルールになる時が近づいている。

「全面的に、賛成する」水曜日にデレク・ジーターは語った。彼と彼のチームメイトは、レギュラーシーズンを始めるためにスプリング・トレーニングを終える準備に入っている。「僕たちの検査は、スポーツ界で一番厳しいものだけど、今それは、もっと厳しくなろうとしている。検査と処分を厳しくすることは、球界の信頼を高めることになると思う。僕はそれに、全面的に賛成だ」

さらにジーターは、「たぶんそれは、そんなことをしようとしている誰かが、2回、3回、4回と考えるきっかけになると思うから、それも良いことだと思う」と付け加えた。

長年メジャーリーグは、ステロイド使用について、顔をそむけていた。そしてその懸念が強くなっても組合は、検査と処分を受け入れることをに積極的でなかった。しかし2004年にパフォーマンス増強薬の検査が始まった。2005年に、1回目の違反に10日間の出場停止処分(2度目が30日、3度目が60日)が定められ、そしてそれから1年も経たないうちに、その効果を強くするために、より厳しい処分を決めた。

球界はそれ以降、アンフェタミン(2005年)、その時まで選手が合意していなかった血液検査を必要とするヒト成長ホルモン(2011年)の検査と処分を確立してきた。結果的にメジャーリーグは、パフォーマンス増強薬使用と最前線で戦うプロスポーツと断言できるようになった。

トロント・ブルージェイズの強打者ホセ・バティスタは水曜日、バイオジェネシスの事件について言及した。彼はより厳しい処分に賛成している。「何が起こったのか、そしてなぜそれが起こったのかの検証が必要だ。ファンもそれを望んでいる」

バイオジェネシス事件で処分を受けた1人であるジョニー・ペラルタは、当時デトロイト・タイガースのレギュラー・ショート選手だった。そしてフリーエージェントとなったペラルタは、11月にセントルイス・カージナルスと4年53百万ドルの契約を結んだ。そのことに、多くの選手たちが怒っている。彼らは、薬物使用が見つかった後にペラルタは、過大な報酬を受け取っていると感じているのだ。

そして同時に多くの選手たちが、ロドリゲスの訴えに気分を害している。出場停止処分を覆すための努力の一環として選手組合を訴えるなど、最終的にそれは、法廷コメディーのようになった。

新しい薬物検査の協定の中で注目に値するのは、元メジャーリーガーのトニー・クラークが新しい選手組合長になってから数か月しか経っていないことである。クラークは、昨年の11月に亡くなったマイケル・ウェイナーの意思を継いでいる。ウェイナーは亡くなる前に、より厳しい処分を歓迎することを示しており、クラークは最近、それと同じ意見を口にしていた。

参考:The NewYork Times