メジャーリーグに加わって何百万ドルも稼ぐことができる選手は、幸せに違いない。ファンの間では、これが一般的な考え方である。

しかしランディ・ウルフのケースは、この業界のもう1つの側面を浮き彫りにした。それは選手の足元を見るチームたちが時折使おうとするルールで、冷酷な一面である。
 
37歳のウルフは、1月にマリナーズとマイナーリーグ契約に合意した。それは、もし彼がメジャーリーグのチームに加われば、年俸1百万ドルに加えてインセンティブがつくものだった。

そして彼は、チームに加わった。マリナーズは月曜日、ウルフにそのことを伝達した。 ケガをしている右腕の岩隈久志、タイワン・ウォーカー、そしてブランドン・マウアーの復帰を待つ間、先発ローテーションの5人のうちの1人に、彼を加えるというものだった。

しかしながらマリナーズは、条件を付けた。彼らはウルフに、45日間の事前同意書に署名してほしいと伝えた。

そして13年のベテラン選手であるウルフは、チームにノーと伝え、そして契約破棄条項を行使してフリーエージェントとなった。

マリナーズはウルフに、45日以内であれば降格、あるいは契約解除ができることへの事前同意を求めたのだ。それは、元の契約には含まれていなかった。

火曜日の夜にFOX Sportsの電話インタビューに応えたウルフによれば、マリナーズは他に、もし契約を結び直すのであれば事前同意書への要求は取り下げると話したが、彼はこれも断った。

アリゾナ州ピオリアで記者の取材に応じたマリナーズのジャック・ズレンシックGMは、マリナーズは単に「保証の程度」を見直したかっただけだったと語った。2度目のトミー・ジョン手術からの回復途中だったウルフが、昨シーズンを全休していたのを考慮してのものである。

ウルフに対して権力を行使しようとしたマリナーズの試みは、珍しいことではない。チームたちは、ロスターに柔軟性を手に入れるために、マイナーリーグ契約の選手たちに、この様な要求をすることが頻繁にある。

しかしある代理人が匿名で語ったところによれば、その手段は近年、「本当に広く行われて」いる。事前同意は、労使協定の元で1997年から許可されている。

ウルフによれば、彼はチームに有利でインセンティブの部分が多い契約を結ぶことに真摯に向き合い、そしてマリナーズも、同じ姿勢で挑むべきだった。

「僕は、本当に頑張ったんだ」ウルフは語った。「チームに加われるかもしれない、チームに加わるんだって思いながら」

ウルフによれば、マリナーズには、彼をロスターに加える時間が24時間あった。そしてその後の月曜日に彼は、契約破棄条項を行使すると彼らに伝えた。

それはマリナーズが、事前同意を要求してきたからだった。ウルフは、立ち止まった。

「不愉快になったんだ。僕は、受け入れないと断言した。何かが間違えているって感じたんだ。彼らがルール内でやっていることは理解している。でもそれは良くないことだと感じたんだ」

元メジャーリーグ投手でFOX SportsのC.J.ニコースキーは、マリナーズの論理の弱点についてツイートした。そのチームとロビンソン・カノの契約を引き合いに出したものである。

「スターフリーエージェント二塁手に10年240百万ドルを与えているのに、ベストである先発5人のうちの1人に1百万ドル? そんなのダメだ」

ブレイク・ベバンやヘクター・ノエシといったより劣る投手が、ウルフのスポットを埋めることになり、チームのポテンシャルは、より低くなる。

これは、勝利を狙うチームにとっては、賢いやり方ではない。そしてマリナーズの選手たちも、歓迎しないことの1つである。

「この状況で僕は、全て正しいことをしたと思っている。契約をダメにしたそんな脅しを、僕は理解できないね」

参考:FOX Sports