オープン戦の試合中、顔面にライナーの直撃を受けたシンシナティ・レッズのクローザー、アロルディス・チャプマンは、左目上部の骨折を治す手術を受けるが、それ以上の深刻なケガは見つからなかった。

水曜日の夜にケガを負ったチャプマンは、チームドクターのティモシー・クレムチェックによれば、6週〜8週間後にはマウンドからの投球を再開できる見込みで、そのスケージュールなら、5月下旬には試合に復帰できることになる。左腕から105マイルのファストボールを繰り出す彼は、数週間以内に練習と投球を再開できるだろう。

そしてその医師によれば、チャプマンは「とても幸運な男」である。

チャプマンの左まゆの上には、金属プレートが埋め込まれ、おそらく骨移植も行われ、それらは半永久的に体内に残ることになる。そしてチャプマンは、軽い脳しんとうを起こしているが、脳や目に関係する他のケガは確認されなかった、とクレムチェックは語った。

「彼は、気分が良くなってきていて、痛みをコントロールしている。彼が回復するだろうと、私たちは楽観的に見ている」チームのスプリング・トレーニング練習施設で、木曜日の午前中に選手とミーティングをした後に、レッズのブライアン・プライス監督は述べた。「もちろん、連絡は取りつづける。私たちは、そのケガそのものについてよく知るために、その経過を追っていくことになる。彼がどれくらいのサポートを受けられるのか、そして私たちが彼をとても心配していることを彼に伝える。できるだけ早く、ここで彼と会いたいね」

同じキューバ人で、チャプマンの親友であるキャッチャーのブラヤン・ペーニャは、水曜日の夜にチャプマンのお見舞いにいったレッズ選手のうちの1人である。それはチャプマンに、ロイヤルズのサルバトーレ・ペレスのバットから放たれたライナーがぶつかった数時間後のことだった。そして火曜日の朝にも、彼と電話で話しをした。

「彼と話したし、冗談もたくさん言い合った。彼は、本当にたくさんのファン、選手、特にチームメイト、うちのコーチたち、そこにいたみんなからたくさんのサポートと愛情を受け取って、そのすべてのことに感謝しているってみんなに伝えて欲しいって、言っていた」

ペーニャによれば、木曜日に話した時のチャプマンも、「話したり、冗談を言って」とても喜んでいた。

「彼はたくさん、キューバーのジョークを言うんだ。それって良いことだろ。だって彼の記憶が、とてもしっかりしているってことなんだから」

その恐ろしいアクシデントは、インターネットを通じて広く知れ渡った。それが起こったのは、サプライズにあるカンサスシティのスプリング・トレーニング施設で水曜日に行われた試合の6回のことだった。チャプマンの99マイルのファストボールを打ち返したペレスのライナーが、その投手の顔面を直撃したのだ。チャプマンはグラウンドに倒れこみ、そして痛みに悶え苦しんだ。

ペーニャは、マウンドに駆け寄った。

「正直に言って、それを見た時に叫びたかった。そんな気持ちになったのは、初めてだったよ。それくらい怖かった。彼の顔にライナーが直撃して、そして彼が出血して、のたうち回るのを見たんだから、本当に怖かった」

「話すことができなかった。ただうめいたり、そんなような声を出していて、僕がそこに行った時には、何をすれば良いのか分からずにパニックになった。その後にメディカル・スタッフが来て、彼らがしっかりとやってくれた」ペーニャは、その時のチャプマンについて語った。

チャプマンは、ストレッチャーに乗せられてグラウンドを後にし、観客は不気味な静寂に包まれ、そして試合は中止になった。

チャプマンは、最寄りの病院に運ばれたが、その後、地域の大病院に搬送された。クレムチェックによれば、チャプマンはあと数日入院して、おそらく土曜日には退院するだろう。

その打球は、チャプマンの頭蓋骨でもっとも丈夫なエリアに当たったとも彼は述べた。

「もし側頭部に当たっていれば、悲惨なことをになっていたかもしれない。アロルディスが受けた場所は、手術を受けることになったのだから、良い場所だったとは言えない。だけどもっと悪い重大なケガになって、大きな後遺症が残るような可能性もあったんだから、彼はとても幸運だった」

26歳のチャプマンは、100マイルを超えるファストボールを普通に投げる。2009年に亡命し、2010年にレッズに加入した彼は、2度のオールスターに選ばれている。彼は、過去2年連続で38セーブを記録し、2012年は71回2/3を投げて122奪三振、2013年は63回2/3を投げて112奪三振を記録した。

元投手のプライスによれば、「どんなに強烈な球を投げるかに関係なく」投手は危険な状況に置かれている。 

「53、54フィートの距離で、自分を守ることは難しい。それに投げ終わった後の投手は、全員が違うから。全員が、完璧な守備の状態になるわけではないし、ボールが強く打たれた時に、自分自身を守ることができる保証なんてどこにもない」

メジャーリーグはこの冬に、過去数年間に数回発生した同様の恐ろしい状況を受けて、投手用の保護帽子を認可した。その帽子は、スプリング・トレーニングから自己判断によって使用できるようになっているが、ほとんどの投手は、それを使っていない。そしてその帽子は、チャプマンが受けたような打球から、顔面を守ることはできない。

「本当に恐ろしい。それは、投手にもっと防御が必要であるという事実を強く浮かび上がらせる事実だ」4Licensing CorpのCEOブルース・フォスターは、ESPNに語った。彼の会社は公式帽子を製造する New Eraと協力して、投手の保護帽子isoBloxを作っている。その帽子は、メジャーリーグによって1月に承認された。

「彼の当たった場所から言えば、私たちの製品が、その助けになったかは分からない。 この様な打球が当たった時のすさまじさが、とんでもないことは確かだ」

投手が手に取るような帽子に改良するスケージュールについてフォスターは、「来るシーズンの2週目か3週目くらいにできればと思っている。すべての選手が、帽子を見ることになるだろうし、彼らのために、カスタムオーダーができる」と語った。

シカゴ・カブスのリック・レンテリア監督は木曜日、チャプマンに同情した。彼もライナーを受けて、顔面の骨を修正する手術を受けた事がある。レンテリアは2011年の打撃練習中にアゴに打球を受けて、サンディエゴ・パドレスのコーチを1年休むことになった。

「彼の今の気持ちが理解できる」レンテリアは木曜日に語った。「彼には良くなってほしいし、できるだけ早く戻くマウンドに戻ってきて欲しい」

ペーニャによればチャプマンは、特にロイヤルズのサポートにも感謝しており、プレー中に起こったことは彼の責任ではないことをペレスに伝えたいと思っている。

そしてペーニャは、責任を感じていると言った。

「自分を少し責めているのは、僕はスライダーを要求したり、チェンジアップを要求できたことなんだ。それは、考え方の問題だけど。気持ちの中には、いろいろなことが過るし、正解を探している。そんな罪の意識みたいなものがあるんだ」

しかしチャプマンは、ペーニャに伝えた。「良いかい。これは君の責任ではない。僕はもっと、落ち着いて投げるべきだった。そのことを本当に申し訳ないと思っているし、君は僕を励ましてくれている。病院にいてくれているんだから」

参考記事:Reds: Chapman has mild concussion ESPN.com news services