父親になったことで、ゴジラは変わった。

ヤンキースファンは、松井秀喜を忘れはしない。彼は2009年のワールドシリーズ第6戦でペドロ・マルチネスから2ランホームランを放ち、優勝を決めた試合では6打点でシリーズMVPに選ばれる大暴れをした男だ。しかし彼は、息子の誕生が、彼の人生の中で野球を二の次にしたと言う。
39歳になった松井は水曜日、ヤンキースのスプリング・トレーニング施設があるタンパへ向かう。それは彼がまだ、はっきりとは決まっていないという役割をするためである。そして昨年、1日契約を結んでヤンキースの一員として引退した彼は、古巣に戻ることと155百万ドルの日本人、田中将大をサポートすることを喜んでいると共に、引退後の特に父親としての生活、それらの快適な日々について語った。

火曜日、忙しいスケジュールの合間に松井は、リンカーンセンター近く(彼の住まいからも遠くない)の アトランティック・グリル・レストランに、彼の通訳を長年務めているロジャー・カーロンと共に現れた。松井は日本から戻ってきたばかりで、時差ボケと戦っていた。そんな松井は、お茶をすすりながら、田中、デレク・ジーターの引退、A-Rod、そしておむつ交換について語った。

「僕が引退したのと、(息子が)誕生したのが、ほとんど同じタイミングだったんです。人生の、大きなターニングポイントになりました」松井は言う。「僕の人生は、まったく変わりました。(息子が)野球のことを、まだプレーがしたいということを忘れさせてくれるんです。それは大きなことでした。家族や息子と一緒に、長い時間を過ごしています。それは、本当に素晴らしい経験です。家族と一緒に、こんなに長い時間を一緒に過ごせるなんて、僕はとても幸運だと思っています」

しかし松井は、フリーエージェントだった彼と、'03年シーズン前に契約してくれたヤンキースに、いつも恩を感じていて、今年のスプリング・トレーニングに行くチャンスを受け入れたのは、打撃練習で投げること、もし必要ならノックをすること、そしてどんなことであっても、できるだけ手伝いたいという、彼の思いによるものだった。

松井は確かに、田中をアシストするこができる。田中が直面しているプレッシャーを理解できる1人が、彼である。

松井がブロンクスに現れた時、先代のジョージ・スタインブレナーは、マリオット・マーキーで盛大な記者会見を開き、そこにはたくさんの日本のメディアを始めとした多くのメディアが集まった。田中は先週、似たような歓迎を受けた。

「知らない場所から来た、あてにならない契約だっていうことで、基本的に疑いの目で見られたいましたから」松井は、ピンストライプを身にまとった最初の数試合について言う。「疑いの目っていうのは、確かにありました。でも一方で、(日本の読売ジャイアンツでプレーしてきた)経験もあったので、僕はそんな状況の中で、やってきたわけです。その経験をして、プレーをして、ここでの経験を積んでいくことで、疑いの目っていうのは、減っていきました」

デレク・ジーターが先週フェイスブックで、2014年が最後の年になると公表したことについて、松井は衝撃を受けたと言った。

 松井は最初、それは冗談ではないかと考えた。「それが本当かどうか、分からなかったから。彼が引退するなんて、考えたことはなかったです」松井は言う。彼は、水曜日にタンパで行われるジーターの記者会見に間に合うかは、分からないと付け加えた。「思い返してみるとジーターは、いつでも物事の中心にいました。彼のなにが素晴らしいかって言うと、彼は信じられないくらい普通に、そして当たり前に、なんでもすることです」

'09年の優勝チームで鍵となったもう一人の選手は、アレックス・ロドリゲスだ。彼はドーピングで、今シーズンを出場停止となっている。松井がA-Rodと最後に話しをしたのは2013年、彼の引退についてだった。そして彼は、そのことについて少しだけ触れた。

「僕の立場で何かを言うのは、難しいですね」松井は言う。「彼は素晴らしいチームメイトで、素晴らしい選手でした」

タイミングが良くて、好ましい状況であって、そしてオファーがあれば、いつかコーチや監督をすることを考えるかもしれないと松井は言う。「その時の状況でしょうね。その時に、僕がどう思うのか。もしそういう仕事を引き受けるのなら、良い仕事ができる状態でないと」彼は言う。

現在の彼は、オールスターの父親としての役目を楽しむつもりだ。

「子供が生まれてから、家にいることが多くなりました」笑いながら、松井は言う。「まだ(息子は)小さいですから。彼が大きくなってくれば、たぶんこの街のそういう要求も、前みたいに楽しめるようになるでしょう。この街では、どのようなことが要求されるのかを知ることは、息子の教育や経験にとっても、良いことだと思います。それはこの先の、家族の状況次第です。少なくとも、いま考えているのは、ニューヨークで家族を養っていくことです」

参考記事:Yankees great Hideki Matsui sits down with News, talks fatherhood and Masahiro Tanaka BY CHRISTIAN RED / NEW YORK DAILY NEWS