岩隈久志は、レギュラーシーズンの準備ができるには、3回先発すれば大丈夫だと思うと日本の記者陣に語った。しかしマリナーズは、違う考えを持っているようである。今週、右手の中指の腱を捻挫していると診断されたその右腕を、彼らは慎重に扱うと決めている。


岩隈は3月初旬に再診断を受ける予定で、それまでの数週間は投げることができない。したがってもっとも楽観的なシナリオでも、3月31日の開幕戦が過ぎるまで、戻ってくることはできないだろう。

「医師によれば、彼は4〜6週間は、投げることができない。それから投げ始めて、準備をすることになる」ロイド・マクレンドン監督は言った。「急がせたくないんだ。万全の状態で戻ってきてもらう必要がある」

昨年14勝6敗、防御率2.66でアメリカン・リーグ・サイ・ヤング賞投票で3位に入った岩隈が、レギュラーシーズンで投げるには、6〜7イニング、85〜95球を投げることができるようになる必要があると、マクレンドン監督は言った。

そのレベルになるまでにスプリング・トレーニングでは、通常5〜6回の登板を要する。つまり3回の登板で準備ができるという岩隈の考えは、マクレンドンと新しい投手コーチのリック・ウエィツには、受け入れらないだろう。

「もしその程度だったら、本当に嬉しいけどね。様子を見るよ」マクレンドンは言った。「岩隈にとって最良のことをするというのが、本当のところだ」

岩隈がケガをする前から、マリナーズは他の先発投手を探しており、したがってマーケットから、他の選手を補強する可能性がある。ベテランのスコット・ベイカーとランディ・ウルフは、ロスター枠外の招待選手で、両者はトミー・ジョン手術からの復活を目指している。そしてエンゼルスの元先発投手だったマット・パルマーが、その中に加わる。

若手のジェームス・パクストン、タイワン・ウォーカー、ブレイク・ベバン、ブランドン・マウアー、そしてエラズモ・ラミレスが先発枠を争うが、マクレンドンは、キャンプで5人のローテーションを埋めるために、8〜9人の投手を争わせたいと言った。

「私はいつも、8〜9人の先発投手を探すんだ」彼は言った。「それがここにいるのか、ジャック(・ズレンシック)が誰かを連れてくるのか、私には分からない。だけど私はいつもそうしている。常により良いものを望んでいるし、余裕を持ちたいと思っている」

マクレンドンは、もう一人のベテラン招待選手のザック・マイナーは、打たせて獲るタイプの投手として先発の能力を持っているが、現時点ではリリーバーとして見ていると言った。

シーズンオフは災難だったヘルナンデス

フェリックス・ヘルナンデスは、スプリング・トレーニングの本拠地であるペオリア・スポーツ・コンプレックスの、新しくなったクラブハウスと設備を楽しんでいる。しかしそのマリナーズのエースは、このシーズンオフに新しい住まいを探してシアトル地区に戻ってきたことは、あまり楽しいことではなかったようだ。

ワシントン州ベルビューにあったヘルナンデスの約470平米の家は、11月に火事で大きなダメージを受けて、彼と妻、そして2人の子どもたちは、同じ場所に新しい家が建つまでの間、借家住まいになっている。

「家全体が、煙でダメージを受けたんだ」ヘルナンデスは金曜日、投手と捕手の2日目の練習に向かう前に言った。「全部失った。他に1つ建てていたんだけど、それは売る。それも持っておきたかったんだけど、今は無理」

5ベッドルーム、4バスルームの家は、キング郡の記録によれば2.85百万ドルの価値があった。ヘルナンデスと妻のサンドラは、3つの消防署が対応した彼らの家の火事の連絡を受けた時、カリフォルニア州ナパでバケーション中だった。

彼の2人の子どもたちはその時、義理の母親と子守と残っていたが、火事が発生した時には、ショッピングモールへ出かけていた。

火事だと聞いた時に、ヘルナンデスはどれくらい動揺したのだろうか?

「すごくした」彼は言った。「"すぐ向かおう"って言って、飛行機に飛び乗った。子どもたちが無事だったことに感謝している」

しかし家は、家族のたくさんの所有物とともに、故障者リスト入りしている。

「原因が、まだ分からないんだ」ヘルナンデスは言った。「面白くないよ。良いシーズンオフではなかった。だけど野球は良いよね。始まって嬉しいよ」

カノはもうすぐキャンプ入り

マリナーズの野手の集合日は月曜日で、最初の全体練習は火曜日である。しかしマリナーズの選手たちのほとんどは、金曜日までにキャンプ入りしているが、それには新しいスター二塁手のロビンソン・カノは含まれていない。しかしカノがいないことは、驚くことではない。彼は、彼の故郷にマリナーズが新しくオープンした野球アカデミーを手伝うために、木曜日はドミニカにいた。そしてアリゾナには、今週末に入る予定である

外野手のアブラハム・アルモンテもドミニカ人で、彼もそのチームの新しい施設で練習をしている。40人枠の選手で、まだキャンプ入りしていないのは、他に外野手のダスティン・アクリーと内野手のニック・フランクリンだけである。

12月に10年240百万ドルの契約を結んだカノは、新しいチームに加わることを楽しみにしている。

「待ちきれないね」火曜日にドミニカの施設で打撃練習を終えた後にカノは言った。「戻るまでの日にちを、指折り数えている。それにチームメイトのことを知りたいし、新しい監督とも一緒に過ごしたいと思っている」

その新しい監督であるロイド・マクレンドンは、正式な集合日前に選手が、自分たちだけで上手くやっているのを目にして喜んでいる。

「素晴らしいことだと思う」彼は言った。「本当に凄いことだよ。ほとんどの選手が、すでにプレーの準備ができている。体調は整っているし、一生懸命やっているし、素晴らしい仕上がりだよ。彼らの野球に対する姿勢に感心している」

参考記事:Mariners likely to play it safe with injured Iwakuma By Greg Johns / MLB.com