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6か月前、ジェレミー・ボンダーマンが、マリナーズのアクティブ・ロスターに加わった。マリナーズは、同程度の選手を失うことになるにも関わらずそうした。その時のその選手はビニー・カトリカラで、彼は40人枠を外され、アスレチックスに獲得された。2011年は絶好調だったカトリカラは、2012年は不調で、彼がかつて一度は圧倒したレベルに戻った2013年もそれが続いた。
 
私はマリナーズが、確実に戦力にならない誰かのために、戦力になる可能性を持つ若い才能を差し出すことが許せない。しかし彼らは、それをした。物事は確かに、予想した通りに動いた。ジェレミー・ボンダーマンはダメで、ビニー・カトリカラも不調が続き、その年の終わりには、両選手ともに球団からいなくなった。それはチームがいくらでもしている動きで、6か月前に私がそれにどの程度注意を払ったかを振り返ると、結局は、ほんのわずかでしかなかった。カトリカラは、もう一度頑張ることで、それを間違いだと証明することもできた。

しかし彼はそうせず、そしていま、彼は野球の夢を完全に諦めた。カトリカラは、昨年の2AミッドランドでOPS.584を残したのを最後に、球界から引退した。まだ25歳である。彼はジームス・パクストンと同じ年で、パクストンは常に夢見てきたキャリアに手が届くまで、あと数か月だ。一方でカトリカラは、新しい人生を始めた。サクラメントの警察官になったのだ。

カトリカラはマリナーズ球団で、2011年以降に予想外に頭角を現した選手だった。彼は、期待されていないプロスペクトの1人だったが、彼自身の努力によって打撃に目覚め、目立つようになってきた。彼は球団のトッププロスペクトに名を連ねるようになった。そして彼の歩んだ道は、現在のステファン・ロメロとさほど変わらず、3Aで旋風を巻き起こしているロメロは、カトリカラよりもわずかに良い程度だ。それでも昨年のジャクソンで苦戦した彼は、2012年の彼と同じではなかった。上のレベルに行くことは、多くのプロスペクトがブレイクするきっかけになる。そして2Aが3Aよりも厳しいという誤解は、決して信じてはいけない。そこには、より将来性がある選手がいるかも知れないが、洗練さが欠けている。3Aには、メジャーリーグで投げたことがある投手がたくさんおり、そして彼らは、そのレベルに初めて上がってきた打者を攻略するのに、その経験を活かしている。積極的な打者に対しては、特にそうである。

3Aで苦しんだカトリカラは、ついに復調しなかったが、それはおそらく気持ちの問題だった。若手の有望株には、それは想像しているよりも、頻繁に起こっていることだ。ブランドン・ウッドは、まだ若かったときにマイナーリーグを席巻したが、年齢的には絶頂期であるはずのここ数年は、かつての様ではない。ジェフ・クレメントは、メジャーのレベルで失敗した後、マイナーではついに、同じようには打てなかった。マリナーズは、カルロス・ペゲーロを見たばかりだ。彼はマイナーリーグで2年連続の活躍を見せた後、不振の1年を送った。何人かは立ち直り、新たなチャンスを得る。数年元気がなかったカトリカラは、単に将来を悲観して、他の道を選んだ。

野球は厳しい。そして昨日のニュースは、悲しみを引き起こさせる。カトリカラは、新しい仕事に十分満足しているようだが、彼が2年前に見据えていた未来でないことは確かである。ある人物が書いた野球のプロスペクトの記事には「プロスペクトは、あなたの心を傷つける」と書いてある。時にプロスペクト自身の心が傷ついているという現実を、私たちは気がつなかればならない。

参考記事:Baseball is hard: Vinnie Catricala retires By Scott Weber LookoutLanding