ドジャースとクレイトン・カーショーの、記録となる7年215百万ドルの契約について考えてみよう。

・金額
それが、とんでもない金額であることは確かだ。カーショーの平均年俸30.7百万ドルは、CC・サバシアが2011年にヤンキースと結んだ1年30百万ドルの契約を抜いて、これまでのメジャーリーガーの最高額になる。

事実、カーショーの契約は、7年の契約延長をしたジャスティン・バーランダー(180百万ドル)とフェリックス・ヘルナンデス(175百万ドル)を、はるかに超えるものである。新しい契約を結んだ時の彼らはフリーエージェントまで残り2年だったが、カーショーは1年だった。

率直に言ってカーショーは、そんなことは無いという人がいるかもしれないが、バーランダーとヘルナンデスよりも、はるかに上である。カーショーのERAプラス(防御率を球場とリーグで修正したもの)は146で、バーランダーとヘルナンデスは、127だ。平均は100である。

カーショーは、球界でベストの投手であり、その差は小さくない。ドジャースは、球界でもっともお金を使うチームで、その差は小さくない。セイバーメトリクスを元にすれば、カーショーの実際の価値は、シーズン当たり30百万ドルを超える。 

つまり215百万ドルである。

昨年の夏にドジャースとカーショーが、7年210百万ドル前後の契約を結びそうだと報じられた時と、何が変わったのだろうか? ひとつ言えるのは金額である。ある情報によれば、その時のオファーは、実際には200百万ドル前後だった。

もう1つの要素は、おそらくその時の話がまとまらなかったことだろう。そして結果として、両者が頭を冷やしたことで、カーショーの最後の年となる年俸調停で双方が金額を提出する前に、契約に至った。

・契約破棄条項
この条項はカーショーにとって、この凄い契約を、さらに素晴らしい物にしている。彼は5年が終了した時に契約を破棄して、フリーエージェントになることができる。その時の彼は、30歳である。

契約破棄条項は、チームにとっては、とても不利なものである。もしカーショーが、5年後まで良い投球をして、健康であれば、彼は契約を破棄するだろう。もし彼がケガをしたり実力が落ちたら、彼は契約を全うすることができるので、シーズンあたり30.7百万ドルを受け取ることができる。

ドジャースは、カーショーに契約破棄条項を与えるまえに、昨シーズンオフにフリーエージェントだったザック・グレインキーにも与えていた。グレインキーは6年147百万ドルを、3年目が終わった時に破棄できる。カーショーとグレインキーの2人の代理人は、ケイシー・クローズである。そう日本人右腕の田中将大の代理人だ。

日本に契約破棄条項があるのか分からないが、クローズの会社であるエクセル・スポーツで働く誰かが、田中にそれを説明するだろう。

・ドジャースの予算:大変なことになっている

ドジャースは、もし田中と契約すれば、250百万ドル超えが見えてくるだろう。カーショーは、グレインキー、エイドリアン・ゴンザレス、マット・ケンプ、そしてカール・クロフォードに次いで5人目の20百万ドル超えの選手にある。

田中が、6人目になるかも知れない。ハンリー・ラミレスが、もしドジャースが契約延長すれば、7人目になる可能性がある。しかし誰にも分からない。

ドジャースの贅沢税に対する考え方は、若いドライバーの黄色信号に対するものと似ている。一応気にはするが、全力で走り抜けるのだ。その負担は、2013年の総年俸243百万ドルに対して11.4百万ドルだった。そして'14年も、少なくとも同じ程度にはなる。

その基準額は、178百万ドルから189百万ドルに上がったが、ドジャースの総年俸は、上昇している。そして基準超えが2回目になることから、その割合は、昨シーズンの17.5%から30%に上がる。

チーム関係者は、チームがより若く、生え抜きで、チケットを売ることができる選手につなぐ 「第2段階」だと言い続けている。おそらくそれをドジャースは、田中に求めているかも知れない。しかしそれは、実際に目にするまでは、誰にもわからない。

そして彼らは、ただエンジン全開で行くだけである。

参考記事:Rosenthal: Kershaw deal might sound crazy, but lefty is worth it Ken Rosenthal FOX Sports