もしヤンキースがマサヒロ・タナカと契約すれば、彼らのシーズンオフは、驚くほどの大成功になるだろう。あるいは、こう見た方がより適切かもしれない。もしヤンキースが、タナカと契約できなければ、彼らはアメリカンリーグ東地区において、レッドソックスとレイズより上位で終えるための体制を整えるという目標を望めなくなるだろう。そんなに単純ではないと思うだろうか?

ヤンキースは、ほぼ300百万ドルを費やしてジャコビー・エルズベリー、ブライアン・マッキャン、そしてカルロス・ベルトランと契約したが、彼らの仕事はまだ終わっていない。現在の彼らのローテーションは、CC・サバシア、イバン・ノバ、ヒロキ・クロダ、そしておそらくマイケル・ピネダとデビッド・フェルプスだ。

もしこのローテーションを楽観視するのなら、ヤンキースはアメリカンリーグ東地区で優勝する可能性がある。サバシアはそのために、落ちた球速を取り戻さなければならない。そして彼はおそらく、タナカがどうなろうが関係なく、そうする必要がある。しかしヤンキースローテーションを楽観視することは、非現実的だ。

ノバは、2年連続で活躍しなければならず、2011年9月21日から登板していないピネダは、右肩が問題ないことを証明しなければならないからだ。

ヤンキースはシーズンオフが始まった時から、ローテーションにタナカを加えるための資金を確保していたように思える。もし彼を獲得できなければ考えは変わるかもしれないが、これまでのところ、彼らは残っているフリーエージェント先発投手でも優秀なマット・ガーザとアーヴィン・サンタナに興味を見せていない。

25歳のタナカは、212イニングを投げて183奪三振、与四球32を記録したシーズンの後である。彼は友人のユウ・ダルビッシュほど圧倒的でないかも知れないが、24勝0敗のシーズンを視察したスカウト陣は、彼の能力と落ち着きに絶賛を惜しまない。

サバシア、ノバ、そしてクロダに彼を加えることで、ヤンキースローテーションは見違えるようになる。彼が加わることで突如、レイズとレッドソックスに対抗できるようになるかも知れない。

ヤンキースには三塁、そしてマーク・テイシェイラとデレク・ジーターに健康にの不安が残っているが、タナカは彼らがポストシーズンに戻るために、必要不可欠だろう。

おそらくそれが、ヤンキースは過去に失敗したことがあるにも関わらず、彼と契約したい理由である。木曜日の午前中に入札の手続きが始まる中で、ヤンキースがどれだけ迅速に彼と契約できるのか、そしてそれはいくらになるのかが、注目される。

そして他のチームが、それにどの様に絡んでくるのかにも注目が集まる。もしダイヤモンドバックスがスタッフに彼を加えるようなことがあれば、ポストシーズンへの期待は高まるだろう。

同様に、すでに今シーズンオフに大きな動きを見せているレンジャーズは、少なくとも彼にオファーをすると見られる。タナカとダルビッシュは友人で、練習仲間であると言われている。彼ら2人が一緒になることで、2人にとって魅力的なレベルのやりやすさの環境を作ることができる。そして彼との契約でレンジャーズは、メジャーリーグでもベストなチームになるかもしれない。

他は? ドジャースはタナカに入札すると見られ、ヤンキースに対抗できるだけの資金を持っているが、彼らの興味の強さは分からない。

それ以外にも予想をひっくり返す可能性があるチームは、いろいろある。カブスは、これまでにも言及しているし、ジャイアンツ、マリナーズ、アストロズ、そしてタイガースもまた、それぞれの言い方で言及してきた。

しかしそれでもヤンキースは、契約を結ぶために積極的に動くと予想され、それは彼らの2014年シーズンのチームで絶対必要な1人と見られながら、新しいマリナーズ選手となったロビンソン・カノが不愉快に感じるレベルの金額になるかも知れない。

ヤンキースが彼を獲得しながら、贅沢税がかからない189百万ドル以下の総年俸に抑えることは、不可能に思えるが、一方で彼らは、それが緩い目標であり、2014年にふたたび目指すつもりであるとも発言している。

そのためには、タナカとの契約は必須である。これは最初から、避けようがない結論である。しかしそれは、カノのフリーエージェントについても、私たちの多くが考えていたことである。

そして、楽しみが始まる。今シーズンオフは、すでに驚きの契約とトレード、そしてあちこちで大金が飛び交っている。それがもう一度、始まるのだ。

参考記事:Yanks ready to go all-in on Tanaka -- and they need to By Richard Justice/MLB.com