38歳のコージ・ウエハラは、オールスターに選ばれたこともなければ、球種は2つしかなく、ファストボールは、なんとか90マイルに届くくらいである。しかしそれであっても、彼はワールドシリーズで打たれていない。

それは、彼自身も驚いている。

「ポストシーズンだけじゃなくて」ウエハラは通訳を通して語った。「レギュラーシーズンも、シーズン全体を通して、自分でびっくりしている」

ウエハラは、3対1で勝利した月曜日の第5試合でもセーブを記録した。2点のリードを守るために、1回1/3で2つの三振を奪う完璧な投球を見せた。それは今月7個目のセーブで、ブラッド・リッジ(2008年フィリーズ)、ロブ・ネン(2002年ジャイアンツ)、トロイ・パーシヴァル(2002年エンゼルス)、そしてジョン・ウェットランド(1996年ヤンキース)と並んで、1年のポストシーズンで最多となった。

上原の次のセーブは、ワールドシリーズチャンピオンを意味することになる。

「たくさん投げることになるだろうと思っていたから」記録について聞かれたウエハラは言った。「予想の範囲内です」

この記録を持っているウエハラと他の4人の記録は、1995年に地区シリーズが始まって以降のものだ。そして彼のファストボールとスプリッターのコンビネーションは、打たれない。プレーオフの12回2/3で彼は、アメリカンリーグ地区シリーズの第3戦でホセ・ロバトンに打たれたサヨナラホームランによるわずか1失点だけで、その間は被安打7、15奪三振、与四球0である。

ア・リーグ優勝決定シリーズのMVPに輝いたウエハラのポストシーズンの成績は、防御率1.09、WHIP0.57、三振四球比は11.22である。

「いろいろ経験してきたからね」ウエハラは言った。

月曜日のウエハラは、4つのアウトを奪って4つ目のセーブを挙げた。8回2アウトのデビッド・フリースの打席でジョン・レスターと交代したウエハラは、危険なピンチヒッター、マット・アダムスを三振に獲った。そして9回にカージナルスの上位打線と対戦したウエハラは、マット・カーペンターを見逃しの三振に獲り、ピンチヒッターのジョン・ジェイを一塁ゴロ、そしてこの日ホームランを放っていたマット・ホリデーを、フライアウトにした。

「彼がマウンドに上がると」ジョン・ファレル監督は言った。「私たちは、試合の中で一番安心することになる。試合の状況や、重要性に関係なくね」

試合後テレビレポーターに 「魔法でも使っているのか」と聞かれた彼は、通訳の言葉を聞く前に猛烈に頭を振った。

「普通の人間ですよ」ウエハラは言った。

それでも10月のウエハラは、大注目を浴びている。

参考記事:Uehara surprised by his own dominance By Alden Gonzalez / MLB.com