バド・セリグ・コミッショナーは木曜日、すでにプロスポーツ界でもっとも厳しいものとなっているメジャーリーグの薬物検査プログラムに対する重要な変更を発表した。それは年4回行われるオーナー会議の最終日に、球団最高幹部に説明した後だった。

「私がオーナーたちに話したのは・・・、私たちは彼らにこのことを、“球界にとって記念すべき日である”と伝えた。私はそう信じている。10年、12年、15年前に今日のことを考えれば、これは驚くべきことだ。誰も想像すらできなかった」セリグは言った。

「ステロイドや薬物に関して起こったすべてのことを考えれば、十分だとは言い切れない。もう一度、この1,2日で多くの議論をした。そのときの状況と今日我々が達した結論を思えば、これは驚くべきことだ。今日は球界にとって記念すべき素晴らしい日だ。我々はこの分野の先導者として、すべきことはなんでもする。これはよいことだ。他になんと言えばよいのか分からない。よいことだ。本当によいことだ」

今回の変更で選手たちは、シーズン中に事前の告知もなくランダムに、ヒト成長ホルモン(HGH)の血液検査をうけることになる。そしてすべての選手が受けるテストステロンのベースライン検査は、合成テストステロン使用の検知を容易にする。

今シーズンより適用されるこのより厳格な手順は、MLB選手会と共同で発表され、実施される。そして2016年まで適用される労使協定も修正される。

「球界にとって記念すべき日だ」セリグは言った。「我々はこの分野の先導者として、すべきことをする。全員がそのことに対する決意を固めて、それを実行しなくてはならない」

世界アンチ・ドーピング機関公認のモントリオール試験所は、あらゆる選手のテストステロン/エピテストステロン(T/E)比を把握するために、長期的な個人データープログラムを確立する権限が与えられた。このデーターは、試験所で厳重に管理される。炭素同位体比質量分析法(IRMS)を用いた検査は、禁止物質使用の検知能力を向上させる。これはスポーツ界における、もっとも意義深いプログラムの一つになるだろう。

「薬物検査プログラムを継続的に向上させて、そして国際的なすべてのスポーツの標準となるようなプログラムを作る努力を惜しまないというコミッショナーと選手組合の約束が実行されたのは、とても意義深いことだ」MLB労使関係担当上級副社長のロブ・マンフレートは言った。

「私は今回のことについて、選手組合を心から賞賛したい。リーダーには常に勇気が必要で、今回のことからも分かるように、彼らはプロスポーツ界の組合において常にリーダーであると思う。最新の労使協定のなかで私たちが取り決めたのは、いくつかの血液検査をおこなうことを我々に許可したということで、とても先進的で創造的なものだと思う。シーズンが始まる前に、血液検査に対する選手の不安を取り除くこと、そのことが一番重要だ」

「何度でも繰り返すけど、コミッショナーのセリグと選手組合のリーダーシップ、そして特に(常任理事の)マイク・ウェイナーは、不屈の精神を持ったこの分野のリーダーとしてこの問題に取り組んだことに、多くの賞賛をうける資格があると思う」

ウェイナーは声明で「薬物使用に関する取り決めが前進し続けるために、選手たちはできることのすべてを行うという決意をした。選手たちは公正で、最新の科学的な方法による正確で厳しいプログラムを望んでいる。私は今回の変更が、選手たちの法的権利を守りながら、彼らの要求を強力にサポートすると信じている」と言った。

同じ声明のなかでモントリオール試験所のクリスチアーネ・エイヨット取締役は、今回の協定について「球界が作ったものは、合成ヒト成長ホルモンとテストステロンの使用発見と抑止にとても効果的である」と述べた。

マンフレートは、検査の機会が増えるのは重要なメッセージであると言った。「グラウンドでクリーンな試合を行うために、私たちはよいプログラムを持つだけでなく、絶えずそのプログラムを向上させているとファンに理解してもらうことが、本当に重要なことだと思う」

現在の労使協定で、シーズンオフとスプリングトレーニングの最中に選手のHGH検査を認めているのは大きな進展で、それによって球界はパフォーマンス向上物質の使用を撲滅する試みの先頭を走っている

「HGHは1年中のいつの時点でも使われる可能性があるので、選手に対して年間を通して行われる尿検査のように血液検査が行われるのが、抑止効果の面からみてとても重要だと我々は思っている」マンフレートは説明した。

合成テストステロンが表面化したのは、比較的最近のことだ。

「パフォーマンス向上物質について一番むずかしいのは、それがまだ進化していることだ」マンフレートは言った。「4年前に合成テストステロンは大きな問題かと聞かれていたら、今年の夏ごろの答えとは、違う答えをしていただろう。しかしテストステロン検査に関する二つの取り決め、それは最高の科学技術であるIRMS検査でより積極的に行うことと長期的な検査を組合が受け入れたことは、我々のプログラムを本当に強固なものにするだろう」

「我々には(昨年)、何人ものテストステロン陽性者がいたので、今回の変更はとても重要だと考えている。こういったタイプの個々のデーターは、他で行っているテストステロン検査のプログラムも、より強固なものにするんだ」

参考記事:In-season HGH testing to begin this year By Paul Hagen / MLB.com