ユウ・ダルビッシュの好調が続くのは、稀である。そしてそのレンジャーズの右腕は木曜日の夜に、かつてのサイヤング賞投手のザック・グレンキーと投げ合った。彼はユウと同じくらい良い投球をした。

ブルペン勝負になった時、エイドリアン・ベルトレがアーネスト・フリエリを打ち崩した。そしてもしかすると、エンゼルスのポストシーズンへの野望もふっ飛ばしたのかもしれない。

胃の不快感により前の試合を欠場して、今日ロン・ワシントン監督が最初に組んだラインアップに入っていなかったベルトレが、9回にフリエリからツーランホームランを打ち、エンゼルスタジアムに集まった38,205人の前でダルビッシュとレンジャーズに3-1での勝利をもたらした。

「クローザーから打ったあのツーランホームランは、彼のような特別な選手でないと打てない」ダルビッシュは、ゴールドグラブの三塁手で、今日は指名打者で出場していたベルトレについて、通訳を通して言った。

「二日前に、彼はとても調子が悪そうだった。チームメイトは、みんなそれを見ていたから。ラインアップに彼の名前があったのを見た時、僕たちに戦うための勇気と力強さを与えたくれた」

テキサスは、ここ10回のシリーズのうち9回を勝ち越している。その結果、アメリカンリーグ西地区でアスレチックスに4ゲームのリードをつけている。

ジョー・ネイサンは、ダルビッシュの後を引き継いでセーブを挙げた。ダルビッシュは4連勝で16勝9敗になった。ネイサンのセーブは34になった。

レンジャースは13試合を残して、アスレチックスに4ゲーム差をつけている。3年連続のアメリカンリーグ西地区チャンピオンまでのマジックナンバーは10だ。

エンジェルスは今日の負けで、レンジャーズに8.5ゲーム差、ワイルドカード2位まで4.5差になった。9回に投げたフリエリは、前回カンサスシティ戦で登板して、2本のホームランで4-2で負けていたグレンキーを助けられなかった。

フリエリのスライダーをレフト側観客席まで運んだベルトレの34号本塁打の前に、マイケル・ヤングの先頭打者ヒットがあった。アメリカンリーグMVP候補のベルトレは、95打点を記録している。

「チームのためになりたかった」それまで、グレンキーからヒットを打てていなかったベルトレは言った。「最初の3打席では何もできなかったから、その埋め合わせをするチャンスだったんだ」

「ファストボールを、ずっと待っていたんだけど、彼は嫌らしい球を投げてきていた。彼は変化球を投げてきて、僕はそれを上手く打てた。今晩のユウは素晴らしい投球をしていたから、彼に勝ちがついて嬉しいよ」

ベルトレは試合前の懸念を、彼の方法で吹き飛ばした。

「彼をラインアップから外しておくことはできない」ワシントンは言った。「彼はラインアップに入れてくれて感謝しているって言っていた。私は彼をラインアップに入れることについて、何も言えなかった。彼の意向は無視できない」

「彼は特別な選手で、特別な人間で、特別なチームメイトなんだ。勇気のある選手だ。彼は試合に情熱を持って挑んでいるて、チームメイトをがっかりさせたくないんだ。チームメイトは、それが判っている。彼はプロの中のプロだよ」

ベルトレはファストボールを待っていたが、変化球に反応した。フリエリは、球種の選択には後悔していないが、投げたコースには悔やんでいる。

「あの球を、投げたんだ」フリエリは言った。「あの球は、僕が投げたかったんだ。彼はそれを打った。僕が投げる球の全ては、僕が投げたいから投げるんだ。彼はそれを打った。彼は良い打者だから、それができたんだ。たぶん僕が投げたいところに行っていなかったんだけど、あの球は僕が投げたかったから投げた」

「スライダーだった。低めの外側を狙った。少しだけ高くて内側に行ったと思った。そして彼は、それを素晴らしいスイングで打ち返して、それがグラウンドの外まで飛んだ」

ダルビッシュは8回を投げて9奪三振、被安打4で1失点、無四球だった。

ロイヤルズにいた2009年にアメリカンリーグ・サイ・ヤング賞投手になったグレンキーは、同等の投球をしていた。彼はレンジャーズ打線を相手に8回を投げて、被安打5で1失点、8奪三振で無四球だった。

5回の先頭打者だったネルソン・クルーズがヒットで出塁し、デビッド・マーフィーの打席でのヒットエンドランで三塁に進んだ。ジョバニー・ソトのライトフライはタッチアップには充分で、トリィ・ハンターの強くて正確な送球をかいくぐって、スライディングしたクルーズはホームインした。

6回に、マーク・トロンボにセンター前ヒットを打たれるまで、ダルビッシュは1安打しか与えていなかった。ピンチランナーのピーター・ボージャスは、クリス・アイアネッタのシングルヒットでサードまで進んだ。

驚異の新人マイク・トラウトを、内角高めのファストボールで三振に取った後、エルビス・アンドロスに飛んだハンターのゆるい内野ゴロの間にボージャスは得点した。ダルビッシュはアルバート・プホールズを内野フライにとって、その回を終わらせた。 

「今日の彼は、私が今まで見てきた中で、間違いなくベストだった」ハンターはダルビッシュについて言った。ダルビッシュはエンゼルスを相手に5回先発して、3勝1敗、防御率4.33だ。「グレンキーも、素晴らしい投球をした。ダルビッシュは本当に良かった。彼はカーブボールを投げたし、鋭いカッターと緩いカッターを投げた。スライダーは効果的だった。それに彼は、ストライクを投げてきた。僕は、ストライクを投げてくる彼には、慣れていないんだ」

8月6日のボストン戦で好投してから、ダルビッシュは7回連続で最低でも6回2/3以上投げていて、彼の防御率は4.57から3.90になった。

三回の先頭打者だったエリック・アイバーが四球で塁に出て、アイアネッタのヒットでワンアウト1,3塁になった。しかしトラウトを三振に取り、ソトがセカンドへ投げてアイアネッタをアウトにして、ダブルプレーになった。

「最初のは」ダルビッシュはトラウトから取った大きな三振を思い出しながら言った。「いろんな球種を使ったんで、それで取れたんだと思う。2つ目の三振は、フォーシーム・ファストボールを内角の高めを狙って投げた。ツーストライクから、右打者に対してそんな球を投げようとは考えたことがなかった。もしミスして内側に入りすぎちゃったりすると、当ててしまうから」

「ソトが(マウンドに来て)”内側のフォーシーム・ファストボールで行こう”って。で僕はOK、だけど高めだよって。フォーシームは彼の選択で、高めっていうのは僕の考え」

ダルビッシュは8回の最後を三振で終わらせた。

「結果はとても良かったけど」ダルビッシュは言った。「でもコントロールとかの内容は、決して良いものではなかった」

日本から来たその男は、完全主義者に違いない。

参考記事:Beltre's big blow finishes what Darvish starts By Lyle Spencer / MLB.com | 9/21/2012 2:16 AM ET
http://texas.rangers.mlb.com/mlb/gameday/index.jsp?gid=2012_09_20_texmlb_anamlb_1&mode=recap&c_id=tex