ブロンクスで行われる試合の前、イチロー・スズキは彼の名前がアナウンスされた時に大歓声に包まれる。そして打席に入ったり、ライトの守備をしている時、彼は何回も自分の名前の応援を耳にする。

オリオールズに5-4で負けた夜の7回にホームランを打つまで、先週マリナーズからトレードされて以来のイチローは、ほんとうの意味でヤンキースに貢献していなかった。

そのホームランは、イチローのメジャーリーグ100号で、ヤンキース選手としては初めてだった。

「(メジャーリーグで)11年半もプレーしてきての100本目だから、嬉しくないことはないけど、たいした事じゃないよ」イチローは通訳を通して言った。それは新しいチームでの1本目が、何を意味するのかを理解していると話す前だった。

「全く別物だった」イチローは言った。「それを打った時のファンの反応は、本当に違うものだった」

しかしもし、それまでにファンの熱狂が冷めていても、彼らは許されただろう。

ピンストライプを着てから月曜日までの最初の6試合で、23打数6安打、1本の二塁打で打点は無かった。シアトルにいた時には、球速に衰えている様に見えたその未来の殿堂入り選手は、これまでの所、ペナントレースに加わった時にヤンキースが見たいと思っていた様な、若返ったベテランではなかった。

彼はホームランのあとの9回裏の打席で、同点のランナーがセカンドに居る場面でフィルダースチョイスの内野ゴロに終わった。

攻撃陣の重要な一人でないことが、マリナーズにいた時から言われていたという事実にも関わらず、彼はヤンキースに加わってから、それは問題ではないと強調している。

「全く関係ない」4打数1安打だったイチローは言った。「僕がすることに、何の影響もしない」

それでも、充分ではなかった。

そして彼は、打席でやりやすさを感じているかと聞かれ、はっきりとした返事をしなかった。

「もし僕が良いとか、良くないとか感じていても、それを話すことはない」イチローは試合前の習慣になっている、入念なストレッチをしながら言った。「それは、他の人が知る必要は無いと思う」

それは結果が物語っている。そしてヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、その動きについて何の後悔もしていない。

「彼を取れてよかったと思っている」キャッシュマンは言った。「(ニック・)スイッシャーがいなくって、(イチローが)ライトになってから、たくさんのことが起こっている。彼は前からそこにいたかのように、簡単に順応している。彼はそこにいることを喜んでいる」

ジョー・ジラルディ監督は月曜日に、股関節の怪我を再発させないように、スイッシャーをあと数日間DHで起用すると示唆した。それはイチローがレフトへ移るのが、少し先になることを意味する。

彼はスイッシャーが戻ってきた時、レフトに動くことにあまり心配はしていない。彼は毎日、レフトでフライを取る練習をしている。

「それは、僕が今しなくてはならないこと」イチローは言った。「練習と試合では違ってくることは判っていけど、彼らは僕に、ショートをやってくれって言っているわけではないから。僕は大丈夫だと思う」

ヤンキースは、より多くを望んでいる。例えヤンキースが彼に支払うのが2.5百万ドルだとしても、彼らはより多くを望んでいる。

彼はスコアリングポジションにランナーがいる場面での打率は、たったの.163だ。

「ランナーを返さなくてはならない状況では、少しだけ感覚がずれている」イチローは言った。「集中しているのは、同じ仕事をするということ。それを続けなくてはならない。自分が何をできるかは判っている」

彼は、ライト側のフェンスが近くても、ホームランバッターになるつもりはない。

「それは、僕にはリスクになるよね」イチローは、その魅力的な観客席に打ち込むことについて語った。「普段することと違うことは出来ないんだ。確かにそれを狙う時はあるだろうけど、僕は試合を続けるために一番良い位置に、自分を置いていく。このチームには、ホームランを打つことができる人がたくさんいるから」

参考記事:Ichiro turns on the power By DAN MARTIN NEW YORK POST
http://www.nypost.com/p/sports/yankees/ichiro_turns_on_the_power_pDpuONY9tQGkutndCUTGcJ?utm_medium=rss&utm_content=Yankees