ヒロキ・クロダは、新しい職場での最初の仕事の準備をするのと同時に、ビッグ・アップルで過ごすシーズンにかなり期待している。

「たくさんの人と車、そして日本食レストランがたくさんある」クロダは、気のきいた言葉を言った。

それはクロダが、ヤンキー・スタジアムの真ん中に登場する金曜日に、直面するであろう事を理解していることを示している。彼はホーム開幕戦のエンジェルス戦で先発する。
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ブロンクスのマウンドは、街で一番友好的な場所になることもあれば、一番孤独な場所になることもある。それはスコアボードの数字で決まる。そしてクロダは、公式戦でにピンストライプを着る準備している中で、少しナーバスになっていると認めている。

「楽しみと言うよりも、僕がどういった姿を見せることができるのかを考えている」クロダは通訳を通して言った。

「ヤンキースタジアムで投げたことが無いから、それが少し気になる。だけど僕は出来るだけ良い投球ができる様に、ベストを尽くす」

37才のクロダは、プレッシャーのかかる状況に不慣れではない。それはヤンキースが、数年に渡って彼を望んでいた理由の一つで、彼らは今年の1月についに彼と1年10百万ドルの契約を結ぶことができた。

クロダが日本の広島カープからロス・アンジェルス・ドジャースに来た2008年に必要だった変化と比べれば、その投手がアメリカンリーグのラインアップと対戦を重ねていくことは、それほど劇的な変化ではないと信じている。そしてまた、ヤンキースタジアムのホームランが出やすいコンディションで投げるのは、ベテランのイニングイーターが口をきけなくなるほど驚くものでもない。

「それは気にしてもしようがない」クロダは言った。「ヤンキースと契約したんだから、そういったことは全部覚悟している」

順調なスプリングトレーニングを過ごしたクロダの始まりは、素晴らしいものではなかった。そしてまた、トロピカーナ・フィールドで行われたレイズとの開幕シリーズも、ヤンキースにとって良い結果とはならなかった。クロダは5 2/3イニングで6失点(自責点4)、ヤンキースのシーズン2戦目の試合で負けた。彼は161番ストリート沿いで開催されるヤンキースの81試合のうちの最初の試合で、より良い結果を望んでいる。

「とても光栄に思っている」クロダは言った。「だから僕は、できるだけベストを尽くさなければならないし、そうできると思っている」

延長戦の末、6-4で勝利した水曜日のボルティモアでのオリオールズ戦の後、ニック・スイッシャーはジョージ・M・スタインブレナー・フィールドから本当に僅かな距離の場所でシーズンが開幕したのが、とても変な感じだったと話した。その日の早く、キャプテンのデレク・ジータも同じ考えを、示していた。

「タンパでシーズンが開幕するのは奇妙な感じだ。移動がなかったから、まだスプリングトレーニングをやっているみたいだった」ジータは言った。「僕たちは、楽しみにしている。戻るのは久しぶりだから」

ジータは、試合に勝つための準備が出来ていなかったことについては決して言い訳はしないが、彼が言ったことは理解できる。開幕を彩るセレモニーのために、ヨギ・ベラ、ロン・ガイドリー、グース・ゴセージ(そして少しだけアンディ・ペティット)らの臨時コーチが揃ったその試合は、そこまで大切では無かった。

ヤンキースはおそらく、麦色をしたトロピカル・フィールドの屋根の下にある通路を彼らが去るまでに、説明のしようがない何かを感じただろう。それは金曜日には無いものだ。

「待ちきれない」ジョー・ジラルディ監督は言った。「すごく長かったように感じる。本拠地に戻って、ホームのファンの前で試合をすることをみんなが望んでいると思う。私たちは幸運なことに、遠征していてもたくさんのファンがいる。だけどホームは特別だ」

ボスの名前は付いていないが、彼の手形と理想が深く刻み込まれているその球場、ヤンキー・スタジアムに帰ってくる彼らは、期待を裏切ることは許されない。そこには、最近の成功がどれくらいかには関係なく、讃えられるべき歴史があり、それは引退を発表してからちょうど1ヶ月のホルヘ・ポサダに始球式で投げる招待状を送ったことでも、証明された。

しかし未来についても考慮することがある。10月よりも先のことを考えすぎれば、もしヤンキースがいろんなところで積み重ねた結果で、最終的にそうならなくても、それは単なる戯言になるだろう。今はその方向に向かって動き始めるときなのだ。

「地元の開幕戦を迎えるまでは、まだシーズンが始まっていない感じがする」ジータは言った。「僕がいつも感じていることだよ。特別で、楽しくて、素晴らしい雰囲気。みんなが楽しみにしている。僕たちはいつもシーズンで最低2回は開幕戦を迎える。だけどホームの開幕戦を迎えるまでは、まだ始まっていない感じなんだ」

白いユニフォームを着て、初めてブロンクスにお目見えするのは、クロダだけではない。ヤンキースには、ラウル・イバニェスがいる。彼はヤンキースが最後にワールド・シリーズに勝った時に、負けている。彼は”もしこのラインアップで、エンジェルスのアーヴィン・サンタナをやっつけることができなかったら、次は彼らに加わるよ”と冗談を言った。 

これまで3イニングで5奪三振、リリーフの秘密兵器で新人のデビッド・ヘルプスも、ニューヨークのファームを上がってきて、初めてその雰囲気を味わうことになる。キャッチャーのクリス・スチュワート、リリーバーのクレイ・ラパダ、そしてコリー・ウェイドもまた、ヤンキース開幕戦の新しい景色だ。

「彼らがスタジアム、満員のスタジアム、声援、ニューヨークのすべてを見るのは、良いことだ」クローザーのマリアノ・リベラは言った。「それを初めて見る人たちが、たくさんいる。素晴らしいよ」

一塁線上に並んで”NY”が重なった帽子を脱ぐのは、リベラのような選手には平凡なことだ。彼の初めての開幕戦は1996年で、吹雪の中、ペティットがロイヤルズを倒した時だった。

金曜日の試合時間の天気予報は、晴れで気温は華氏50度から60度前半、その時よりもだいぶ良い。 しかし最も偉大なクローザーの記憶は、それでもなお蘇ってくる。

「僕はいつも、最初の時と同じようにホーム開幕戦を見ているんだ」リベラは言った。「僕はそれが大好きだし、楽しい。僕は試合が大好きで、争うのも大好きだ。これは他のことと一緒だよ。そこに行って、楽しい時間を過ごすんだ」

参考記事:Kuroda feels butterflies before home opener By Bryan Hoch / MLB.com | 04/12/12 11:52 AM ET
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20120412&content_id=28497068&vkey=news_mlb&c_id=mlb